子供の教育費にいくら貯金を貯めた?学費の目安とは!

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文部科学省が公表した「令和元年度学校基本調査(確定値)」によると、大学進学率は53.7%となっています。
(参考:文部科学省)

半数以上が大学へ進学する状況の中、親にとって気になるのは「周りの人は子供の学費貯金をいくらしているの?」「学費の目安はいくら?」「教育費をいくら貯めたらいいの?」ということですよね。

高校までの学費は、全て公立なら約800万円、全て公立なら約2,100万円。大学は国公立が約240万円、私立は約380万円が目安になります。

しかし、この金額を全て貯金する必要はなく、子供の学費貯金として目標とするのは大学資金です。

高校までの学費は毎月の生活費の中から教育費として捻出しながら、同時進行で大学資金のための貯金をしていくのが賢い方法になります。

今回は、子供教育費の平均的な貯金データについて、さらに子供教育費の貯金の目安について解説していきます。

貯金目標がハッキリすると、貯金へのモチベーションがアップし、長続きさせることができるでしょう。

子供教育費の平均的な貯金データを知る

子供教育費の平均的な貯金データを知る

半数以上が大学進学を決めている中、何となく「子供の将来のために貯金しなきゃ」と思っていても、いくらを目標にすれば良いのかわかりません。

子供教育費として100万円貯金があり自分では十分だと思っていても、他の人は「100万円では全然足りない」と思うかもしれません。

でも、なかなか周りの人に「教育費にいくら貯金を貯めた?」と聞くことはできないですよね。

実際に他の人はどれくらい教育費を貯めているのかわからないと、貯金目標を立てにくいもの。

そこでまずは、貯金目標の参考にするために、平均的な子供教育費の貯金データを調べていきたいと思います。

児童のいる世帯の貯金額は平均679.9万円

そこで当サイトは、一般的な子育て世帯が、子供の学費のためにいくら貯金しているのか調査しました。

「子供の学費のためにいくら貯めた」という公的なデータは見つからなかったため、児童のいる世帯の平均的な貯金情報を参考にしたいと思います。

厚生労働省の「平成28年 国民生活基礎調査の概況」の中に児童のいる家庭の所得や貯蓄状況が記載されています。

これによると、貯蓄がある世帯は82.0%、貯蓄がない世帯は14.6%。平均貯蓄額は679.9万円です。
(参考:文部科学省)

それぞれの貯蓄額に対する割合を見てみましょう。

50万円未満 5.3%
50~ 100万円未満 3.9%
100~ 200万円未満 10.3%
200~ 300万円未満 7.6%
300~ 400万円未満 8.4%
400~ 500万円未満 5.0%
500~ 700万円未満 10.9%
700~1000万円未満 6.6%
1000~1500万円未満 7.7%
1500~2000万円未満 3.4%
2000~3000万円未満 3.6%
3000万円以上 4.4%

このように、平均679.9万円が含まれる「500~700万円未満」が最も多く10.9%です。

しかし「100~200万円未満」も10.3%と意外と多いことがわかります。

「50万円未満」「100~200万円未満」の世帯も合わせると、200万円未満の割合は19.5%。約5世帯に1世帯は、200万円未満の貯蓄ということになります。

600万円以上貯金している世帯が多い一方で、ギリギリの教育資金しか貯金できていない世帯も意外と多いことがわかりました。

ちなみに、児童がいる世帯だけでなく、全世帯の貯蓄平均は1,031.5万円でした。

やはり、子育て世代は貯金するのが大変であることがわかります。

子供の教育貯金をしているのは30代が最も多い

児童のいる世帯の平均貯金額について見てきましたが、もちろん、この貯金が全て子供の教育資金ではありません。

それでは、子育て世代は、どのような目的で貯金しているのでしょうか。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」の中に金融資産の保有目的についての調査結果がありました。

3つまでの複数回答となっています。

20歳代 30歳代 40歳代 50歳代
病気や不時の災害への備え 54.1% 45.2% 47.7% 54.1%
こどもの教育資金 45.9% 70.0% 69.1% 35.0%
こどもの結婚資金 5.4% 2.8% 5.0% 9.3%
住宅の取得または増改築などの資金 27.0% 18.4% 11.4% 11.4%
老後の生活資金 29.7% 41.7% 48.9% 71.4%
耐久消費財の購入資金 16.2% 16.6% 16.8% 14.5%
旅行、レジャーの資金 40.5% 19.8% 14.0% 12.6%
納税資金 8.1% 6.4% 3.4% 4.6%
遺産として子孫に残す 2.7% 1.8% 3.2% 4.6%
とくに目的はないが金融資産を保有していれば安心 18.9% 24.7% 16.0% 16.2%
その他 8.1% 6.0% 4.8% 4.8%

(参考:知るぽると)

このように、子供の教育資金の割合が非常に高いことがわかります。

20代、50代は、「病気や不時の災害への備え」が最も高い割合になっていますが、30代、40代は、「こどもの教育資金」が最も高くなっています。

20代では40.5%もあった「旅行、レジャーの資金」ですが、30代は19.8%、40代は14.0%と低くなっている状況です。

旅行やレジャーを節約して、教育資金にお金を回しているご家庭が多いことが推測できます。

子供教育費の平均的な貯金データのまとめ

ここまで、子供教育資金の平均的な貯金データについて見てきました。

厳密に「大学資金のためにいくら準備した」という貯金データは見つかりませんでしたが、以下のことがわかりました。

  • 児童のいる世帯のうち貯蓄がある世帯は82.0%、貯蓄がない世帯は14.6%
  • 児童のいる世帯の貯金額は平均679.9万円
  • 児童のいる世帯の貯金額で最も多いのが「500~700万円未満」で10.9%
  • 児童のいる世帯の貯金額で2番目に多いのが「100~200万円未満」で10.3%
  • 30代40代子育て世帯は金融資産の保有目的として7割が「教育資金」と回答している

児童のいる世帯は8割以上が貯蓄があり、約700万円が平均的であることがわかりました。

700万円全てが教育資金になるわけではありませんが、30代40代の7割が教育資金のために貯金している状況です。

このアンケートは3つまで複数回答できるので、7割が教育資金とは言いにくいですが、700万円の半分は教育資金として貯金している可能性が考えられます。

ところが、1割以上の人は貯蓄がなく、貯金額「100~200万円未満」の世帯が10.3%もいるのも事実。

700万円の貯金ができている世帯が多い一方で、十分な貯金ができていない世帯も一定数いることがわかります。

上手く貯金ができないと、すぐに貯金額「100~200万円未満」の状況に陥ってしまう可能性があるということです。

次の章では、具体的な子供教育費の貯金目安を考えていきますが、この結果も参考にしていきたいと思います。

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子供教育費の貯金目安を考える

子供教育費の貯金目安を考える

子供の教育費は1,000万円かかると聞いたり、たくさんお金がかかるというイメージはあっても、具体的な目安がわかりにくいですよね。

目安がわからないと、何を目標に貯金すればいいのかわからず、モチベーションを維持することができません。

それでは、どうすれば具体的な貯金目安がわかるのでしょうか。

それは、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と、段階的にかかる教育費を知ることです。

そうすれば、よりリアルな子供の教育費を把握することができ、的確な貯金目標を設定できます。

幼稚園から大学までにかかる学費は781万円~2,150万円

子供教育費を詳細に把握するために、文部科学省の学費に関わるデータを調べました。

「平成28年度子供の学習費調査の結果について」と「平成30年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」から、国公立と私立の幼稚園から大学までの平均的な学費を調査し、以下にまとめました。

幼稚園から高校に関しては、学費以外に塾や習い事などにかかる学校外活動費、給食費も含まれた金額です。

幼稚園 小学校 中学校 高校 大学 合計
国公立 70万円 193万円 143万円 135万円 240万円 781万円
私立 144万円 916万円 398万円 312万円 380万円 2,150万円

(参考 文部科学省:平成28年度子供の学習費調査の結果について私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について)

それぞれの教育費について詳しく見ていきましょう。

幼稚園

公立の平均は70万円、私立の平均は144万円と、私立は公立の約2倍の学費がかかることになります。

ただし、2019年10月から教育無償化がスタートしたことから、多くのご家庭でこの学費よりも少なくなります。

詳しい学費については、希望する幼稚園の学費を確認してみてください。

小学校

公立の平均は193万円、私立の平均は916万円と、私立の小学校は、なんと公立の約5倍になります。

子供にかかる教育費の平均は1,000万円と言われていますが、私立の小学校だけで約1,000万円かかるのです。

私立の小学校に通わせたいという希望がある場合、毎月の収入から捻出するのが難しいなら、早い段階から貯金をしておく必要があります。

中学校

公立の平均は143万円、私立の平均は398万円です。

小学校ほどの差はありませんが、私立中学校は公立の3倍近くとやはり大幅に上回っています。

さらに中学校になると、塾費用が大きな負担となる可能性が大きいです。

文部科学省の同調査から、塾の費用が含まれる補助学習費の年間平均データを知ることができます。

公立中学は22万円、私立中学は24.4万円となっており、塾に通う中学生が多いことがわかります。

月謝の高い塾に通う場合は、上記の教育費よりも高くなる可能性があると覚えておいてください。

高校

公立は135万円、私立は312万円と、小・中学校よりは公立と私立の差がなくなっています。

高校の進路は子供の意思で決めるケースが多いので、私立を希望してもその希望を叶えられるように、私立の教育費がかかることをあらかじめ考えておく必要があります。

大学

国立は240万円、私立は380万円と、子供の教育費としてダントツでお金がかかります。

大学から一人暮らしをはじめる場合には、さらに生活援助のためのお金が必要になります。

「全国大学生活協同組合連合会」の「第55回学生生活実態調査 概要報告」から一人暮らしの大学生の平均的な収支状況を知ることができます。

これによると、平均的な仕送りの金額は約7万円。4年間なら336万円にもなるのです。
(参考:全国大学生活協同組合連合会)

幼稚園~高校までは生活費から教育費を捻出する

幼稚園から大学にかかるまでの学費について、具体的にわかってきましたか?

全て公立の場合は平均781万円、全て私立の場合は平均2,150万円の教育費がかかることになります。

やはり、かなりの金額になることがわかりますね。

ただし、この金額を全て貯金する必要はありません。

教育費はトータルで見ると大きな金額ですが、1年、1ヵ月にかかる費用はそれほど多くはありません。

文部科学省の「平成28年度子供の学習費調査の結果について」から1年あたりの学習総額を見てみましょう。

幼稚園 小学校 中学校 高校
公立 私立 公立 私立 公立 私立 効率 私立
学習総額 233,947 482,392 322,310 1,528,237 478,554 1,326,933 450,862 1,040,168
うち学校教育費 120,546 318,763 60,043 870,408 133,640 997,435 275,991 755,101
うち学校給食 20,418 29,924 44,441 44,807 43,730 8,566
うち学校外活動費 92,983 133,705 217,826 613,022 301,184 320,932 174,871 285,067

(単位:円)(参考:文部科学省)

例えば公立小学校の場合、1年は約32万円、1ヵ月26,000円の教育費がかかることになります。

教育費の割合は手取りの5~10%が理想とされており、この割合であれば、生活費が極端に苦しくなる心配は少ないのです。

例えば手取り月収30万円の場合は、15,000円~30,000円が目安になります。

あなたの手取りから5~10%の金額を出してください。

その金額に対して上記の金額が大きく上回ることがなければ、幼稚園~高校の時期は毎月の生活費から教育費を捻出できるはずです。

大学入学までに300万円を貯金目標にする

高校までは毎月の収入で賄うことができても、大学は難しくなってきます。

実家を離れて一人暮らしをして大学に通うことになれば、生活費の援助も必要になるからです。

そこで、幼稚園から高校の時期に、現在進行中の学費とは別に大学資金を貯めていくことが大切になるのです。

目安は300万円です。

国立大学は240万円が目安なので、300万円あれば十分です。

私立は380万円が目安ですが、300万円あれば、3年目まではスムーズに通うことができるでしょう。4年目の学費は、3年間でまた貯金すれば良いのです。

上記の章では、児童がいる世帯の貯金の平均は約700万円。7割以上が教育資金として貯めているという平均データを見てきました。

このデータからも、貯金目標として300万円は妥当な金額であると言えます。

大学資金300万円を貯金する方法

大学資金300万円を貯金する方法

子供教育費の貯金目標は、大学資金を考えて300万円に設定することが妥当であることがわかりました。

ここからは、その300万円を貯金する方法を考えていきたいと思います。

毎月教育費がかかりながら、同時に大学資金を貯めていくのは大変なことです。

公的な平均データから、児童のいる世帯の約5世帯に1世帯は200万円未満の貯蓄であり、300万円を貯金するのは難しい状況であることがわかります。

どうすれば300万円もの大学資金を貯めることができるのでしょうか。

無理なく大学貯金するポイントは、児童手当を貯金してくことです。

児童手当で約200万円貯金する

上の章で、大学ほどではありませんが、小中学校のかなりの教育費がかかることをご説明してきました。

その状況の中で大学資金を貯金していくためには、児童手当を貯金するのがおすすめ。

「毎月の収入から捻出する必要がない」「家庭全体の貯金も確保できる」というメリットがあるからです。

毎月の収入から捻出する必要がなくなる

毎月子供の教育費がかかる中で、さらに将来の子供の教育費を積立ていくのは厳しいご家庭が多いでしょう。

貯金を優先してしまうと、現在の教育費として使えるお金が足りなくなるので、習い事や塾を諦めることになるかもしれません。

児童手当を全て貯金に回すことができれば、毎月の収入から捻出する必要がなくなるので、現在の教育費が苦しくなる心配が少なくなります。

家庭全体の貯金も確保できる

子供教育費を貯金しようと思うと、犠牲になるのが夫婦の貯金です。

子供教育費として300万円貯金することを優先すると、マイホーム資金や夫婦の老後資金など、家庭全体の貯金が後回しになってしまいます。

無事に子供を大学を卒業させられたとしても、家庭全体の貯金がゼロ…となるのは困ります。

児童手当を貯金していけば、家庭全体の貯金をする余裕も出てきますので、バランスよく貯金していくことができるのです。

ただし、児童手当貯金は、メリットだけなく以下のデメリットもあるので注意が必要です。

児童手当だけでは足りない

児童手当はかなりの金額になりますが、それだけで大学資金が十分なわけではありません。

「児童手当を全部貯金していれば安心」と、全く貯金せずにいると、いざ大学資金がかかる時になって、貯金不足に陥ってしまいます。

児童手当は中学校卒業まで支給され、3歳未満は1ヵ月15,000円、それ以降は1ヵ月10,000円、トータルで198万円受け取ることになります。

つまり、児童手当を全て教育費貯金した場合、そ「300万円-198万円=102万円」となるので、約100万円は別に貯金しておく必要があるのです。

ボーナスから約100万円貯金する

大学資金を確保するために有効な児童手当ですが、あと100万円ほど足りないのが現状です。

そこでおすすめの方法は、ボーナス貯金です。

100万円は大きな金額に思いますが、大学まで貯めることを想定すると、年間に必要になる貯金額はそれほどの額にはなりません。

十分ボーナスから捻出できる額になるでしょう。

例えば、子供が3歳から貯金する場合、100万円を15年間で貯めれば良いので、年間に必要な貯金額は約7万円です。

子供が8歳から貯金する場合、100万円を10年間で貯めることになるので、年間10万円ずつ貯金すれば良いことになります。

これくらいの金額であれば、ボーナスから積立ていくことができるでしょう。

子供学費の貯金額情報まとめ!貯金平均は700万円、貯金目標は300万円

今回は、子供学費の貯金情報についてまとめて調査してきました。

まずは「子供の教育費にいくら貯めた?」という問題。

純粋に教育費としていくら貯めたかという公的なデータはありませんでしたが、児童がいる世帯の貯金平均額は約700万円。

全て学費のための貯金ではありませんが、7割の世帯が教育資金のために貯金していることがわかりました。

次に「子供の学費の目安はいくらか?」という問題。

高校までの学費は、全て公立なら約800万円、全て公立なら約2,100万円。大学は国公立が約240万円、私立は約380万円が目安になります。

教育費は手取りの5~10%が理想との観点から考えると、手取り30万円ほどの世帯であれば、高校生までの学費は毎月の収入から無理なく捻出できる可能性が高いです。

しかし大学の場合は、学費も高く仕送りの可能性も考えると、300万円程度の貯金が目安になることがわかりました。

このように、貯金目標がわかると、ただ闇雲に貯金するよりもモチベーションを維持することができます。

長期的な子供貯金ができるようになるでしょう。

節約したお金を賢く貯金するには
工夫して節約したお金をそのままお財布に入れておくのは賢い方法ではありません。
そのお金をどのようにしたら更に効率よく増えるのか考えましょう。
同じお金でも置いておく場所によって増え方も違います。心の持ち方も変わってきます。
節約して浮かせたお金を使う最後の最後まで得する方法を実践、その具体的なお金の預け方を以下のページでまとめました。
当貯金ブログの評価


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夫婦・子供1人だと、教育費の目安を把握した節約方法で
約10万円/1年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。

(計算値:大学教育費を10年で貯める場合1年▲10万円)

幼稚園~高校までは現在の教育費と並行して、大学資金も少しずつ貯金していきましょう。大学資金の目標は300万円です。児童手当を全て貯金すれば、年間10万円ずつ貯金すれば10年で大学資金が貯められるでしょう。