老後のために貯金が必要だとわかっていても、老後貯金がゼロという人は多いでしょう。
老後資金がない世帯は意外に多く、60代の約4人に1人は貯金ゼロという危機的状況なのです。
でも老後資金がない人が多いから貯金なしでも大丈夫ということではありません。
老後資金がなければ、ゆとりのある充実した老後を過ごせないのはもちろん、医療費が捻出できなかったり、子供や孫にお金を使えないなど、不安要素だらけです。
そこで今回は、老後資金がない方が貯金ゼロから脱出する方法を考えていきたいと思います。
貯金なしの理由から、それを改善する方法を考えてみると、「老後資金がなくても大丈夫という考えを改めること」「老後貯金をする仕組み作りをすること」が、老後資金ゼロからの脱出法であることがわかります。
「貯金するお金がないから無理」と諦めてしまうと老後資金はゼロのままです。
貯金できる方法を模索して、明るい老後を目指しましょう。
50代、60代の単身世帯は3人に1人、二人以上世帯は4人に1人が貯金なし
金融広報中央委員会がまとめた「令和元年(2019年)家計の金融行動に関する家計調査」から、年代別、世帯別の貯蓄がある人、ない人の状況を見ることができます。
年代 | 単身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
貯蓄がある人 | 貯蓄がない人 | 貯蓄がある人 | 貯蓄がある人 | |
30歳代 | 63.5% | 36.5% | 84.2% | 15.8% |
40歳代 | 59.5% | 40.5% | 81.3% | 18.7% |
50歳代 | 62.8% | 37.2% | 78.2% | 21.8% |
60歳代 | 70.2% | 29.8% | 76.3% | 23.7% |
(参考:知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]・家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査])
このように、老後が近づきている50代、60代を見ると、単身世帯では約3世帯に世帯、二人以上世帯では約4世帯に1世帯が貯金できていない状況なのです。
全く貯金をしてこなかった世帯もあれば、子供の大学資金などで一気に貯金がなくなってしまった世帯もあるでしょう。
いずれにしても、貯金ゼロで定年退職を迎え、リタイア生活に突入する世帯が多いことがわかります。
50代、60代で「老後資金」を貯金している世帯は多い
貯金ゼロの世帯が意外と多いことがわかりました。
しかし、老後資金をしっかり貯金している方もいます。
金融広報中央委員会の同調査の中に「二人以上世帯の金融資産の保有目的」についての調査結果があります。3つまでの複数回答となっており、以下のような結果が出ています。
20歳代 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | |
---|---|---|---|---|---|
病気や不時の災害への備え | 54.1% | 45.2% | 47.7% | 54.1% | 70.6% |
こどもの教育資金 | 45.9% | 70.0% | 69.1% | 35.0% | 3.0% |
こどもの結婚資金 | 5.4% | 2.8% | 5.0% | 9.3% | 0.7% |
住宅の取得または増改築などの資金 | 27.0% | 18.4% | 11.4% | 11.4% | 7.7% |
老後の生活資金 | 29.7% | 41.7% | 48.9% | 71.4% | 77.6% |
耐久消費財の購入資金 | 16.2% | 16.6% | 16.8% | 14.5% | 10.5% |
旅行、レジャーの資金 | 40.5% | 19.8% | 14.0% | 12.6% | 11.6% |
納税資金 | 8.1% | 6.4% | 3.4% | 4.6% | 8.6% |
遺産として子孫に残す | 2.7% | 1.8% | 3.2% | 4.6% | 12.1% |
とくに目的はないが、金融資産を保有していれば安心 | 18.9% | 24.7% | 16.0% | 16.2% | 23.5% |
その他 | 8.1% | 6.0% | 4.8% | 4.8% | 7.2% |
(参考:知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]・家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査])
このように、50代、60代の貯蓄目的として最も多いのが「老後の生活資金」となっています。
30代、40代は「こどもの教育資金」が最も多くなっています。子供にお金がかからなくなるタイミングで、老後資金への貯金に切り替えている世帯が多いのでしょう。
貯金ゼロの世帯も多いですが、しっかり老後資金を貯めている世帯も多いことがわかります。
老後資金がない理由
50代、60代になると、老後資金が全くない世帯、しっかり老後資金を貯蓄している世帯の二極化が進む傾向にあることがわかりました。
貯金ゼロの世帯は何が問題なのでしょうか。
その問題がわかれば、貯金ゼロを脱する方法が見えてきます。
当サイトが考える大きな問題は2つです。「老後貯金をするつもりがない」「老後貯金は後回しになっている」ということです。
本当にこの2つの問題が貯金ゼロの理由になっているか検証するために、ビジネス系ウェブメディアや、貯蓄・貯金に関わる大手新聞社のニュースなど数十社以上の信憑性の高い情報の中から、老後資金が貯められない理由について調べてみした。
「借金返済があるから貯金できない」「住宅ローンを組んだばかりだから貯金する余裕はない」など、老後資金に関係なく、そもそも貯金する余裕がないという理由から貯金ゼロのケースもいくつかありましたが、今回は、老後貯金に絞った理由だけに注目しました。
すると、以下のような事が貯金ゼロの理由であることが見えてきました。
- 年金で生活できると思っている
- 老後は節約できると思っている
- 健康だから医療費がかからないと思っている
- 長生きしないから大丈夫だと思っている
つまり、このような方は、「老後資金がなくても大丈夫」だと思い、老後貯金をするつもりがないから、貯金ゼロのままなのです。
- 他の貯金をする必要があるから老後貯金の余裕がない
- 特別費がかかるから貯金に回せない
- 老後資金を貯めても使ってしまう
つまり、このような方は、老後貯金は後回しになっているため、貯金ゼロのままなのです。
やはり、当サイトが考える「老後貯金をするつもりがない」「老後貯金は後回しになっている」ということが、貯金ゼロの理由であることがわかります。
この2つの問題が老後貯金がない理由であることは間違いないでしょう。さらに掘り下げて考えていきたいと思います。
老後貯金をするつもりがない
老後貯金がない方は、そもそも老後資金を貯金しようという意識が低いことが考えられます。
以下のように思っていることから、老後資金がなくても大丈夫だと思っているのです。
貯金ゼロの方は、「老後は年金があるから大丈夫」と思っているケースが多いです。
しかし、実際には、年金だけで生活するのは厳しいのが現状です。
総務省統計局の「総世帯及び単身世帯の家計収支」によると、平均的な高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上で構成する夫婦一組の無職世帯)の1ヵ月の年金等の収入平均は222,834円、支出は264,707円です。
平均的な単身世帯(60歳以上の無職世帯)の1ヵ月の年金等の収入平均は123,325円、支出は161,995円となっています。
年金等の収入があっても、生活費などの支出のほうが多いのです。
夫婦世帯では41,873円、単身世帯では38,670円不足しているため、貯金を切り崩す必要があります。
(参考:総務省統計局)
しかも、この生活費の平均データは、最低限の生活費です。
ゆとりのある生活を送るためには、さらに5~10万円は上乗せされるでしょう。
つまり、最低でも月4万円、理想は月14万円ほど必要になります
「年金があるから大丈夫」とは思えないのが現状なのです。
貯金ゼロの方は、「老後は節約して生活するから大丈夫」と思っている傾向にあります。
老後は生活費を切り詰めて節約生活をすれば、貯金がなくても何とかやりくりできると思っているのです。
でも、先ほどご説明したように、最低限の生活費を考えただけでも、毎月約4万円ずつ貯金を切り崩す必要があるのです。
今、ある程度余裕のある生活を送っている場合は、毎月全く貯金を切り崩さずに生活するのは、かなり厳しいでしょう。
今は贅沢していても老後は我慢できると思う方は多いですが、生活レベルは上げるのは簡単でも下げるのはとても難しいものです。
総務省統計局の家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表(2019年)によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の1ヵ月の平均支出は約32万円となっています。
(参考:e-STAT)
先ほどの平均的な高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上で構成する夫婦一組の無職世帯)の1ヵ月の支出は約22万円であるとご説明しました。
平均データによる目安はなりますが、貯金を使わずに生活するためには、老後は1ヵ月約10万円も節約しないと生活できないことになります。
固定費をおさえるのは難しいので、食費、日用品費、服飾費、娯楽費などの変動費から10万円減らすことになるでしょう。これはかなりキツいですよね。
貯金ゼロの方の中には、「健康だから医療費がかからないはず」と思っている方もいらっしゃいます。
もちろん、本当に健康で全く医療費がかからない人もいるでしょう。
しかし、平均データを見ると、ほとんどの人が医療費、さらに介護費に悩まされることは事実なんです。
厚生労働省の「平成26年国民医療費の概要」では、1年あたりの平均医療費は45歳~64歳が278,300円、65~69歳で724,400円、70歳以上で816,800円、75歳以上で907,300円という平均額を公表されています。
(参考:厚生労働省)
実際の自己負担額は1~3割にはなりますが、仮に2割だとしても65歳以降は毎月12,000円~15,000円ほどの医療費がかかると想定されます。
また、生命保険文化センターの調査によると、介護に要した費用は、公的介護保険サービスの自己負担費用を含めて1ヵ月あたり平均78,000円という結果が出ています。
(参考:生命保険文化センター)
医療費と介護費は個人差が大きいですが、平均的な金額として、これくらいかかっていることは把握しておきたいですね。
さらに、貯金ゼロの方は、「自分は長生きしないから大丈夫」と思っているために、老後資金の心配をしてない傾向にあります。
あなたの寿命は誰にもわかりません。しかし、人生100年時代と言われる中、厚生労働省の令和元年簡易生命表によると、男の平均寿命は 81.41歳、女の平均寿命は 87.45歳となっています。
(参考:厚生労働省)
老後資金を考える時は65歳~90歳までの25年間で考える必要があるでしょう。
老後貯金は後回しになってしまう
老後資金がなくても大丈夫だと思っているために、老後資金を貯めていない方がいることをご説明してきました。
これが、老後貯金ゼロの理由の一つでしょう。
もう一つの理由は「老後貯金は後回しになってしまう」からです。
老後資金を貯めなくてはいけないと思っていても、後回しになってしまうため、貯金ゼロのままなのです。
具体的にご説明していきたいと思います。
老後貯金以外の貯金はしているけれど、老後貯金する余裕はないから貯金ゼロのままという方が多くいらっしゃいます。
車の買い換えや子供の大学入学などは、目の前に迫ってくることなので、必要に応じて貯金すると思います。
また、旅行やレジャーのための貯金も「達成すれば旅行に行ける!」というワクワク感があるので、貯金を頑張ることができるでしょう。
ただし、老後資金は今すぐ必要なものでもなく、ワクワク感もないので、どうしても後回しになってしまうのです。
貯金ゼロの方は、「特別費がかかってばかりで貯金に回すお金が残らない」というケースが多いです。
特別費とは、毎月の生活費以外にかかる特別な費用のことです。
固定資産税、自動車税、車検、旅行、誕生日、クレジットカード等の年会費など、様々な特別費があります。
この特別費があると、毎月老後資金を貯金したいと思っても貯金計画が狂ってしまいますよね。
特別費の有無によって、老後資金が徹底されず、貯金ゼロのままという方も多いのです。
また、老後資金を貯めていたけど、車の買い替えやリフォームなどで使ってしまってゼロになったという方も多いです。
今の生活に比べたら老後はずっと先のことなので、目先のことにお金が必要になると、老後貯金をしていても、切り崩してしまうでしょう。
だから老後貯金はすぐにゼロになってしまうのです。
老後資金ゼロからの脱出法
老後資金がない人の理由として「老後貯金がなくても大丈夫だと思っている」「老後貯金は後回しになっている」についてご説明してきました。
この2つの対策を考えることが、老後資金ゼロから脱する方法になるでしょう。
まず、「老後貯金がなくても大丈夫だと思っている」の対策は、老後資金がなくても大丈夫という考えを改めることです。
そのためには、貯金目標を設定することが効果的です。老後の支出をシミュレーションし、老後の必要資金を知り、貯金目標を立てることで、老後貯金の意識を高めることができるでしょう。
さらに、「老後貯金は後回しになっている」の対策は、老後貯金をスムーズにする仕組み作りをすることです。
老後貯金専用口座を作り先取り貯金をすること、固定費の見直しと特別費の確保が効果的です。
具体的には、以下の5ステップになります。
- 貯金目標を設定する
- 老後資金用の口座を準備する
- 毎月先取り貯金をする
- 固定費を見直す
- 特別費はボーナスで賄う
詳しくご説明していきましょう。
貯金目標を設定する
まず、「老後資金がなくても何とかなる」という考えを改めることからはじめましょう。
でも、漠然と「老後資金がないと困る!」と言われても考えは変わらないですよね
具体的に老後資金を計算してみると、老後資金の必要性がわかってくるはずです。
その上で、老後貯金も目標を設定していきます。
これが、老後貯金ゼロから抜け出すための初めのステップになります。
少し大変な作業にはなりますが、順序立てて進めていくとスムーズです。
老後資金を知るためには、老後の「支出」をシミュレーションすることから始めましょう。
老後の1ヵ月の生活費と1年間にかかる特別費をイメージして支出予算を組んでみてください。
ノートでも、スマホのメモ機能でも良いので、以下のように書き出してみましょう。
1ヵ月の生活費予算 | |
内訳 | 支出額 |
食費 | 50,000円 |
住居費 | 15,000円 |
高熱・水道 | 24,000円 |
家事・家具用品 | 10,000円 |
被服及び履物 | 15,000円 |
保険医療 | 20,000円 |
交通・通信 | 25,000円 |
教育娯楽 | 30,000円 |
その他 | 50,000円 |
合計 | 239,000円 |
1年の特別費予算 | |
内訳 | 支出額 |
固定資産税、自動車税 | 150,000円 |
旅行 | 200,000円 |
家電買い替え | 50,000円 |
孫への小遣い | 100,000円 |
合計 | 500,000円 |
1年の合計予算 | |
3,368,000円 |
できるだけ具体的に予算を組むのがポイントです。
食費は夫婦で1日1,000円、外食は週に1回5,000円ずつで50,000円の予算にするというように、細かく設定していきましょう。
例えばこのように予算を組んだ場合、年間では、(239,000円×12ヵ月)+500,000円=3,368,000円もかかることになります。
次に老後の「収入」をシミュレーションします。
考えるべき収入は、年金と退職金です。
国民年金は、自営業や専業主婦が加入している国民年金と、会社員や公務員が加入している厚生年金に分かれています。
厚生労働省の「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、年金の平均受給額は、国民保険の平均は55,708円、厚生年金の平均は143,761円であることがわかります。
(参考:厚生労働省)
仮に、「夫が厚生年金143,761円」「妻が国民年金55,708円」の場合、1ヵ月199,469円の年金が受け取れると予想されます。年間では2,393,628円になります。
退職金は、各会社の退職金規定によって異なるので一概には言えないのですが、「退職するときの基本給×勤続年数ごとの係数×退職事由別の支給率」が一般的な計算方法です。
厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」によると、20年以上勤めた45歳以上の退職者のうち定年を迎えた人がもらった退職金(一時金・年金)の平均は、「高校卒(現業職)」1,159万円、「高校卒(管理・事務・技術職)」1,618万円、「大学卒(管理・事務・技術職)」1,983万円となっています。
(参考:厚生労働省)
仮に高校卒(現業職)の場合は、1,159万円の退職金が期待できます。
具体的な退職金を知るためには、会社の総務か人事に直接問い合わせる必要があります。
「老後資金を考えるため」と事情を伝えて、きちんと聞いてみると良いでしょう。
老後の「支出」と「収入」のシミュレーションができたら、必要な老後資金がわかります。
上記の例の場合、1年に必要なのは、「年間年金収入2,393,628円」-「年間の支出3,368,000円」=974,372円となります。
老後25年で計算すると974,372円×25年=24,359,300円です。
そこから退職金1,159,000円を引くと、必要な老後資金は12,769,300円ということになりますね。
ここまで算出できたらあともう少しです。最後に、毎月いくらずつ貯金するか考えましょう。
あなたの現在の年齢から65歳までの期間は何年ありますか?
例えば上記の1,270万円を貯める場合、30歳なら35年間で1,270万円貯金すれば良いので、1,270万円÷35年÷12ヵ月=約3万円となりますね。
1ヵ月約3万円が老後貯金の目標になります。
このように、貯金目標を立てるために老後の収支をシミュレーションすると意外と老後資金が必要になることがわかります。
「老後資金がなくても何とかなる」という考えを改めることができるはずです。
同時に、1,200万円以上の多額資金でも、早くから貯金すれば毎月数万円で良いこともわかります。
無謀に思える老後資金も、コツコツ持続して貯めれば可能であることがわかると、やる気が出ますよね。
このように貯金目標を立てると、貯金がとてもスムーズになるのです。
ただし、貯金目標はあくまでも、今の段階での目安なので、絶対ではありません。随時情報をアップデートする必要があるのです。
例えば、退職金を1,100万円で計算していたけど、実は1,500万円もらえることがわかったら、その時点で目標額を変えましょう。
住宅ローンを繰り上げ返済することにしたから老後の住宅費はゼロになるかもしれません。その場合も老後貯金目標額は低く見積もることができますね。
面倒だと思わずに、常に老後資金を見直す習慣をつけると、効率よく貯金計画を進めることができるでしょう。
老後貯金用の口座を準備する
貯金目標が設定できたら、貯金しやすくなる仕組み作りをしましょう。
貯金ゼロの理由として、老後資金を貯めても、別の用途に使ってしまうということがあります。結局、老後貯金は後回しになってしまうのです。
それを防ぐためには、老後資金用の口座を準備するのがおすすめ。
老後資金専用の口座があれば、他の用途に使おうという誘惑を軽減することができるでしょう。
さらに、純粋に老後資金が今いくら貯まっているのか一目でわかるので、モチベーションを維持しながら貯金を続けることができます。
今お使いの銀行と同じ銀行で新たに口座を開設しても良いですが、おすすめは、金利が高いネット銀行です。
例えば、ゆうちょ銀行の定期預金の金利は0.002%ですが、ネット銀行の楽天銀行の金利は0.02%となっています。
「ネット銀行 金利」などで検索すると、高金利の銀行を知ることが出来ますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ただし、老後貯金用の口座と準備するにあたり、一つ注意しておきたいことがあります。
それは、貯金1,000万円以上になった場合のリスクについて知っておくことです。
銀行貯金の場合、万が一銀行破綻が起きても、1,000万円以上は保障されない場合があるのです。
まず、破綻リスクの少ない信頼できる銀行を選ぶこと、さらに貯金が1,000万円以上になった場合には分散することが大切になります。
毎月先取り貯金をする
老後資金用の口座が準備できたら、毎月先取り貯金をしましょう。
貯金ゼロの理由は、毎月の生活費や、老後資金以外の貯金だけで給料がなくなり、老後貯金は後回しになってしまうことです。
毎月の収入から、残った分を老後貯金しようと思っても、なかなか残すことは難しいでしょう。
逆に、先に老後貯金をしてしまえば、残った生活費でやりくりする努力をするので、老後貯金が確保しやすくなります。
毎月給料日になったら老後貯金分のお金を引き出し、老後貯金用の口座に入金してもOKですが、銀行の自動積立定期預金が便利です。
毎月積み立てる金額を決めておくと、給料が振り込まれる口座から老後資金用の口座に自動手的に積み立てていくシステムになっています。
強制的に老後貯金をする仕組み作りができるので、貯金が苦手な方におすすめの方法です。
先ほどのシミュレーションでは、1ヵ月の老後貯金の目標額は3万円となりました。
3万円は、外食や服代などであっという間になくなってしまう金額ですが、先取り貯金をすれば、もともとなかったお金としてやりくりすることになるので、貯金力がぐんと上がるでしょう。
ただし、強制的に先取り貯金をすると、生活費のやりくりが苦しくなるデメリットもあります。
充実した老後を送るために大切な老後資金ではありますが、今の生活が苦しくなるのは困りますよね。
その場合は、次のステップ「固定費の見直し」を行いましょう。
固定費を見直す
先取り貯金をすると、生活費が苦しくなるでしょう。
今までできていなかった貯金を確保するためには、支出をおさえていく必要があります。
そこでおすすめしたいのが固定費の見直しです。
食費や日用品などの変動費をコツコツ貯金するのは大変ですが、固定費の場合は一度見直して安くできると、その節約効果がずっと続くので効率的です。
特に見直し効果が期待できるのが、スマホ代と保険料です。
スマホ代は、通話、通信プランをコンパクトにすることで1ヵ月3,000円以上節約することができます。3大キャリアから格安スマホに変えて1ヵ月4,000円以上節約することも期待できます。
その場合は、年間48,000円の節約が見込めますね。
保険料は、医療保険の見直しがおすすめです。年間8万円以上節約できることもあります。
保険に入らないことで節約する方法は、こちらの記事で解説しています。ご参考ください。
将来の万が一のリスクに備えて払い続けている保険料。死亡保険や医療保険の保険料は安くありません。必須の出費と思われがちな保険料ですが、実は必ずしもそうではありません。貯金を貯めるために保険に入らないという選択も有りなのです。
このようにスマホ代と保険料を見直すだけで、年間128,000円も老後貯金に回せる場合があるのです。
固定費見直しは、手続きが面倒というデメリットがありますが、最近はほとんどの手続きがネットで出来ます。
一度ノートに固定費を書き出し、節約できるものを探してみてください。
節約できそうな固定費については、手続き方法についてチェックするだけでも良いので調べてみてくださいね。
特別費はボーナスで賄う
貯金ゼロの理由として、特別費がかかるから、老後貯金は後回しになってしまうということがあります。
特別費とは、毎月同じようにかかる費用以外の特別な費用のことです。
例えば、固定資産税などの税金、家電の買い替え、帰省、旅行などがあります。
老後資金はずっと先のことなので、目先の特別費がかかる時は、どうしても老後貯金は後回しになってしまうでしょう。
そこでおすすめしたいのが、毎月の生活費とは別に特別費を確保しておくことです。
特別費用の口座があると良いでしょう。
ノートに、1年に必要な特別費を書き出してみてください。合計はいくらになりますか?
例えば30万円であれば、年に2回のボーナスで15万円ずつ、特別費用の口座に貯金しておきましょう。
そして、特別費がかかる場合は、特別費用の口座から使うようにします。そうすれば、毎月の老後貯金ペースを崩すことがなくなるでしょう。
「今月は特別費があったから、老後貯金は無理…」ということがなくなりますね。
しかし、病気やケガなど、想定外の特別費がかかることもあります。特別費用の貯金口座には、1年に必要な特別費よりプラス10万円は入れておくと安心ですよね。
老後貯金ゼロを脱するためには意識と仕組みを変えることが大切
今回は老後に資金がない方に向けて「老後貯金なし」問題について考えてきました。
老後資金ゼロの方は意外にもたくさんいますが、それ以上に老後資金のためにコツコツ貯金している方がいます。
貯金がないのは「老後貯金がなくても大丈夫だと思っている」「老後貯金は後回しになっている」ことが原因だと思われます。
これを解消するためには、貯金がなくても大丈夫という意識を変える事、貯金が後回しにならない仕組み作りをすることがポイントです。
貯金目標を設定する
- 老後資金用の口座を準備する
- 毎月先取り貯金をする
- 固定費を見直す
- 特別費はボーナスで賄う
具体的にこの5ステップで、老後の貯金ゼロから脱することができるでしょう。
老後資金はできるだけ時間をかけて貯めることが大切です。
ぜひ、できるだけ早く老後資金のための貯金を始めましょう。
効率良く節約生活を進めるためには、銀行口座を3つにすることが大切です。家計費用口座、特別出費用口座、貯蓄用口座に分けることで、いつのまにか貯金が増えていくかもしれません。それでは口座開設はどこがいいか?当節約ブログおすすめはイオン銀行です。
90点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
私の場合(夫婦・子供2人)だと、老後資金ゼロからの脱出法で
約36万円/年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:1ヵ月約3万円貯金で1年▲約36万円)
上記の貯金力は、老後資金の目標額を1,270万円と決めて30歳~65歳までの35年間毎月貯金した場合の予想額になります。今、貯金ゼロでも、老後の必要資金と向き合い、できるだけ早く貯金を始めることが大切です。