部屋をパワフルに暖めてくれる灯油ファンヒーターは、寒い冬に大活躍してくれる暖房機器です。
でも、灯油ファンヒーターは電気代も灯油代もかかります。秋口になり灯油ファンヒーターを使い始めると、急に光熱費が跳ね上がってしまうでしょう。
そこで今回は、灯油ファンヒーターの光熱費を節約する方法を考えていきたいと思います。
ファンヒーターの電気代と灯油代を比較してみると、圧倒的に灯油代が高いことがわかります。
ファンヒーターの光熱費をおさえたいなら、灯油代の節約方法を考えると良いでしょう。
冬の光熱費を1万円以上削減できる可能性があります。ぜひ、試してみてください。
灯油ファンヒーターは光熱費が高い
灯油ファンヒーターは灯油を燃料とし、温風で部屋を暖める暖房機器です。
石油ファンヒーターとも呼ばれます。
ファンによって送り出された温風は部屋全体をムラなく暖めるので、足元も暖かく過ごすことができます。
つけるとすぐに暖かくなるので、寒い朝や、部屋が冷えきっている帰宅時などに最適です。
さらに、灯油ストーブとは違い、自動運転機能、タイマー機能、オフ機能など、様々な機能が搭載されているので使いやすい暖房機器でもあります。
しかし、メリットの多い灯油ファンヒーターですが、光熱費が高いというデメリットがあるのです。
灯油ファンヒーターを使用すると、電気代も灯油代もかかります。
効率良く節約するためには、どれくらいの光熱費がかかっているか内訳を把握しておく必要があります。
灯油ファンヒーターにかかる電気代は?
まず、灯油ファンヒーターにかかる電気代を計算してみたいと思います。
灯油ファンヒーターの電気代を計算するためには3つの消費電力が必要になります。
「点火時消費電力」「強運転時消費電力」「弱運転時消費電力」です。
一般的な灯油ファンヒーター(木造9畳用)の数値は以下のようになっています。
- 点火時消費電力:370W
(着火時間35秒) - 最大消費電力:99W
- 最小消費電力:52W
この数字をもとに、全国平均の電気料金単価27円で算出してみましょう。
点火時の電気代は0.37kWh×0.009h×27円=0.08円です。
最大消費電力時の1時間あたりの電気代は0.099kWh×27円=2.6円
最小消費電力時の1時間あたりの電気代は0.052kWh×27円=1.4円
1日8時間使用し、点火1回、強運転4時間、弱運転4時間と想定してみましょう。
1日にかかる電気代は0.08円+(2.6円×4時間)+(1.4円×4時間)=16,08円となります。
1ヶ月では482.4円、1年(10月~3月)では2,894円となります。
1ヶ月500円以内ということで、意外と電気代はかかっていないことがわかりました。
灯油ファンヒーターにかかる灯油代は?
次に、灯油ファンヒーターにかかる灯油代を計算していきます。
灯油ファンヒーターの電気代を計算するためには2つの消費量が必要になります。
「最大燃料消費量」「最小燃料消費量」です。
一般的な灯油ファンヒーター(木造9畳用)の数値は以下のようになっています。
- 最大燃料消費量:0.321L
- 最小燃料消費量:0.072L
灯油料金は原油価格などに影響を受けるため流動的なので目安として見てください。
2020年5月時点での1缶(18L)あたりの平均は約1,500円になります。
1Lは83円として計算していきます。
強運転の1時間あたりの灯油代は0.321×83円=26.6円
弱運転の1時間あたりの電気代は0.072kWh×83円=5.9円
1日8時間使用し、強い運転4時間、弱運転4時間と想定してみます。
1日にかかる灯油代は(26.6円×4時間)+(5.9円×4時間)=130円となります。
1ヶ月では3,900円、1年(10月~3月)では23,400円にもなるのです。
1ヶ月500円以内の電気代に対し、灯油代は4,000円近くになります。
電気代よりも灯油代を節約することを意識することが大切です。
しかし、灯油代を節約する使い方をすれば、結果的に電気代の節約にもなるでしょう。
エアコン暖房にかかる電気代は?
灯油ファンヒーターの1日あたりの光熱費(電気代+灯油代)は146円ということがわかりました。
1ケ月4,380円、1年26,280円です。
ここで、エアコン暖房とランニングコストを比較してみたいと思います。
一般的な10畳用のエアコンの1時間あたりの消費電力は490Wです。
1時間にかかる電気代は0.49kWh×27円=13.23円となります。
1日8時間使用した場合、1日は105.8円、1ヶ月では3,174円、1年(10月~3月)では19,044円です。
灯油ファンヒーターは、エアコンの光熱費よりも高い傾向にあることがわかります。
しっかり節約対策していかなければなりません。
灯油ファンヒーターの灯油代節約方法は?
灯油ストーブは一定のパワーで燃焼するだけですが、灯油ファンヒーターは様々な機能が搭載されています。その機能を賢く使うことで灯油代節約が期待できます。
「設定温度」「弱運転」「自動運転」「エコ運転」の機能を使って節約していきましょう。
設定温度を下げる
灯油ファンヒーターは設定温度を下げることで、光熱費をおさえることができます。
灯油ファンヒーターの設定温度は何℃にしていますか?
灯油ファンヒーターの設定温度の目安は18℃~20℃とされています。
23℃~25℃くらいに設定しているご家庭も多いですが、暑く感じているかもしれません。
なぜなら、灯油ファンヒーターは設定温度よりも室温が上昇しやすいからです。設定温度を23℃にしていても25℃くらいになっていることがあります。
エアコンも併用している場合は、灯油ファンヒーターはエアコンよりも2、3℃低めの設定温度にすると良いでしょう。
弱運転をする
灯油ファンヒーターを強運転すると、寒い部屋を一気に暖かくしてくれます。そのパワフルさが魅力なのですが、強運転のままにしているとすぐに灯油が減ってしまいます。
寒い日はついつい強運転してしまいますが、部屋が暖かくなったら弱運転に切り替えるようにしましょう。
さきほど1日8時間使用する場合、4時間強運転、4時間弱運転すると130円の灯油代がかかるとご説明しました。
8時間すべて弱運転にすると47.2円になり、1日あたり82.8円の節約が期待できます。
1ヶ月なら2,484円、1年(10月~3月)なら14,904円の節約が見込めるのです。
自動運転する
強運転で部屋を暖め、適温になったら弱運転にすると灯油代節約になります。
この操作が面倒なら自動運転がおすすめです。
自動運転設定にしておけば、室温が設定温度に達すると弱運転に切り替わります。
また室温が下がってくると、再び強運転に切り替わり部屋を暖めてくれるのです。
自動でパワーをおさえた運転に切り替わってくれるので、自動的に灯油代を節約することができます。
エコ運転する
自動運転よりおすすめの節約法はエコモードに設定することです。
最近の灯油ファンヒーターには「エコモード」「エコ運転」などのスイッチがあります。
ほとんどのエコ運転の場合、部屋が暖まってきたら早めに火力を下げて、室温をキープする運転に切り替わります。
さらに、部屋が寒くなってきたら強運転に切り替わるのではなく風量が上がる機能がついています。
部屋に風を送り部屋の空気を循環させることで暖かさをアップするのです。
さらに、ファンヒーターの前から人の気配がなくなると、自動でセーブ運転に切り替わり、自動消火する人感センサーつきの機種もあります。
エコ運転には、無駄に灯油を燃焼させない様々な機能が搭載されているので、灯油が減りにくいのです。
ダイニチのファンヒーター「Wエコプラス」の場合は、温度変化と人の動きを感知することでエコ運転をする機能がついています。
1シーズンあたりの節約効果は7,300円~14,400円です。
(参考:dainichi)
部屋が寒くならない節約方法は?
ここまで灯油ファンヒーターの灯油代節約方法をご紹介してきました。
- 設定温度を下げる
- 弱運転にする
- 自動運転にする
- エコ運転にする
このような使い方をすることで、灯油代をおさえることができるでしょう。
しかし、今までフルパワーで灯油ファンヒーター使っていた場合、このような設定にして使うと寒いと感じるでしょう。
徐々に慣れるかもしれませんが、やはり寒さを我慢するのは体に良くありません。
そこで、上記のような節約設定にしても部屋が寒くならない工夫を考えていきたいと思います。
部屋の暖気を逃がさない
真冬でも灯油ファンヒーターをつけている部屋は暖かくなります。しかし、外はもちろん、隣の部屋や廊下などは非常に寒い状態です。
だから、灯油ファンヒーターをつけている部屋に少しでも隙間があると、すぐに暖気が外に逃げてしまい寒くなってしまいます。
部屋の暖気を逃がさない工夫をして、設定温度を下げたり弱運転をしても暖かさが維持できるようにしましょう。
当たり前のことですが、部屋のドアは必ずしめるように徹底しましょう。
ドアを開けっぱなしにして、廊下や玄関も暖めようと思うかも知れませんが、家庭用のファンヒーターは、他の部屋や廊下まで暖める能力はありません。
8畳用の灯油ファンヒーターであれば、8畳以上の部屋を暖めるのは難しいでしょう。
せっかく暖まった部屋の空気が逃げている状態になってしまうので、ドアは必ずしめておきましょう。
ドアや窓をしめていても、実はたくさんの隙間から暖かい空気は逃げています。
そんな部屋中の隙間を埋めてくれるのが隙間テープです。
100均でも購入できるお手軽グッズです。様々な素材がありますが、密着性の高いスポンジタイプが良いでしょう。
使うときは、ドアや窓のサイズにカットして貼ります。粘着テープがついているものなら、そのまま貼ることができて便利です。
ただし、貼る前に2つのことをしておきましょう。
1つ目は、埃やゴミを取り除いておくことです。埃などがあると粘着テープが密着せずに剥がれやすくなってしまいます。
2つ目は、少しだけカットして試しに貼ってみることです。隙間を埋めすぎると窓やドアがしまらない…と失敗することもあるので注意してください。
カーテンをしめると、部屋の保温効果がアップします。
でも、カーテンの下には隙間があるでしょう。ここから暖気が逃げてしまいます。
カーテンの丈を長くすると暖気を逃げにくくなります。
カーテンを買い替える必要はありません。
カーテンのアジャスターフックは数センチ長さ調整できるようになっています。
このフックをできるだけ下げて、カーテンが床につくくらいまで伸ばしましょう。
ファンヒーターを窓際に置く
灯油ファンヒーターの温風にあたるために、足元やテーブルの近くなどに置いているかもしれません。
部屋に一人しかいない時は、このような使い方でも良いでしょう。
しかし、部屋に何人かいる時には、窓際に置くのがおすすめです。
窓際に置くと、せっかくの暖かい空気が冷やされてしまいそうですが、そうではありません。
窓から流れてくる冷気と灯油ファンヒーターの暖気が混ざるので、部屋に冷気が入ってこなくなるのです。
また、窓際に置いて部屋の中央に風を送ることで、部屋全体の空気を循環させることができます。だから部屋が冷えにくくなるのです。
扇風機とサーキュレーターを併用する
暖かい空気は上に溜まりやすく、冷たい空気は下に溜まりやすい性質があります。
灯油ファンヒーターがフル稼働していると、ファンヒーターからの温風が部屋中の空気を循環させるため、足元にも暖かい空気がくるでしょう。
しかし、弱運転やセーブ運転になると温風が弱まるため、部屋の空気は動きにくくなるのです。だから足元に寒い空気がたまってしまいます。
そこでおすすめしたいのが扇風機やサーキュレーターの併用です。
壁に向けて、少し上向きに設置するのがポイントです。部屋中の空気を循環させることができます。
冬に扇風機を使うことに抵抗があるかもしれませんが、ぜひ一度試してみてください。部屋が暖かくなるはずです。
1枚多く着る
体感温度を上げることができれば、多少部屋が寒くなっても暖かく過ごすことができます。
灯油ファンヒーターの運転を弱めて寒いと感じたら、1枚多く着る工夫をしましょう。
カーディガン、膝掛、ネックウォーマー、レッグウォーマーなどをプラスするだけでぐんと体感温度が上がります。
さらにおすすめなのが下着を1枚多く着ることです。下着を2枚重ねて着るのです。薄い下着でも、厚いカーディガンを1枚羽織ったような効果があります。
たくさん着込むと動きにくくなってしまいますが、下着なら重ねても着ぶくれすることもありません。
まとめ
灯油ファンヒーターは暖房能力が高く便利な暖房機器ですが、光熱費が高いという難点があります。
電気代と灯油代を比較してみたところ、電気代はあまりかかっていないことがわかりました。
しかし灯油代はコンパクトサイズのヒーターでも月4,000円ほどになってしまいます。灯油代を節約するためには、設定温度を下げる、弱運転、自動運転、エコ運転をすることがおすすめです。
しかし、それだけだと体感温度が下がってしまうので、部屋の暖かさをアップさせる工夫もしなければなりません。
灯油代を節約することができると、灯油を買いに行く時間やタンクに入れる手間なども省くことができます。できる節約法からぜひ試してみてください。
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私の場合(夫婦・子供2人)だと、この灯油ファンヒーター節約方法で
22,204円/年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:弱運転をする節約法で1年▲14,904円、エコ運転する節約法で▲7,300円)
ただ弱運転、エコ運転に設定するだけでなく、部屋の暖かさをキープする対策も必要になるので少し面倒かもしれませんが、慣れればスムーズに節約できるようになるでしょう。