「年収350万円の人ってどれくらい貯金しているの?」
「年収350万円の人は、いくら貯金しておけば安心?」
など、年収350万円の貯金事情が気になっていませんか?
年収350万円の人は意外とたくさんいます。
国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると、年収300万円~400万円の人は17.8%もいることがわかります。
(参考:国税庁名)
約5、6人に1人は年収300万円~400万円のあたりにいるのです。
でも周りにたくさん自分と同じくらいの年収の人がいても、なかなか貯金額を聞くことはできないですよね。
そこで今回は年収350万円の人に向けて貯金事情を公開。貯金している人、していない人の割合や平均的な貯金額を見ていきたいと思います。
さらに、年収350万円の人の理想の貯金額も考えていきます。
年収350万円で貯金している人、していない人の割合は?
「年収350万円だと生活費だけでギリギリだから貯金は無理」と諦めているかもしれません。
年収350万円は、確かにそれほど生活に余裕はありません。
年収350万円の人の1ヵ月の手取りをシミュレーションしてみましょう。
年収に対して手取りは約8割です。年収350万円の人の年間手取りは約280万円です。
ボーナスは約2ヵ月分が一般的です。
つまり、1ヵ月の手取りは280万円÷14か月=20万円になります。
実家暮らしの人なら余裕のある金額ですが、一人暮らしの人、家族持ちの人の生活費としてはギリギリでしょう。
しかし、年収350万円でも貯金がある人は多いのです。
日本銀行情報サービス局内に事務局がある「金融広報中央委員会」の「家計の金融行動に関する世論調査(令和元年)」には、年収300万円~500万円の単身世帯、二人以上世帯の貯金情報があります。
金融資産がある人、ない人の割合を見てください。
世帯 | 単身 | 二人以上 |
金融資産がある人 | 71.9% | 79.1% |
金融資産がない人 | 28.1% | 20.9% |
純粋に年収350万円の世帯に限定したデータではありませんが、年収350万円の世帯も含まれているため、大まかな目安にはなるでしょう。
単身世帯では約7割、二人以上世帯では約8割の人が貯蓄があるです。
もともと金融資産を持っている世帯もありますが、毎月20万円程度の手取りでもコツコツ貯金できている人もいることがわかります。
年収350万円の人の貯金の平均値と中央値は?
金融広報中央委員会の同調査では、年収300万円~500万円以下の単身世帯、二人以上世帯の貯蓄の平均値、中央値も公表しています。
この金額は銀行の預貯金、金銭信託、積立型保険商品、投資信託など全ての金融資産の合計した金額になっています。
世帯 | 単身 | 二人以上 |
平均値 | 940万円 | 1,337万円 |
中央値 | 330万円 | 730万円 |
平均値は単身世帯で940万円、二人以上では1,337万円とかなり大きな金額になっています。
「みんなこんなに貯金してるの⁉」と驚くかもしれませんが、これは現実的な金額とは少しかけ離れている可能性があります。
平均値は、調査対象全員の貯金額を足して、人数で割って算出します。そのため、多額の貯金を持っている人が少しでもいると、平均値はぐんと上がるのです。
一方中央値は、貯金額が低い順に並べた時に真ん中にくる金額です。だから平均値よりも平均に近い情報が得られるのです。
年収300万円~500万円の人の貯金額は、単身世帯で330万円、二人以上世帯で730万円が参考になりやすい金額と言えるでしょう。
年収300万円~500万円の単身世帯で貯金している人の半分は、330万円以上貯蓄があることになります。
二人以上世帯場合は730万円以上です。
年収350万円の人の貯金割合は?
年収350万円の世帯は、全く貯金をしていない世帯もいる一方で、貯金を増やしている世帯もあることがわかりました。
でも、今持っている貯金が多くても、もともと貯蓄があった可能性もあります。
もっと具体的な貯金事情を把握するためには、1年単位でどれくらい貯金しているのか知ることが大切です。
次に、年収350万円の人の貯金率を調べたいと思います。
金融広報中央委員会の同調査から、「年間の手取りに対してどれくらいの割合の貯金しているのか」という貯金率を知ることができます。
世帯 | 単身 | 二人以上 |
貯金率 | 16% | 6% |
年収300万円~500万円の単身世帯の貯金中央値は330万円、二人以上世帯の貯金中央値は730万円でした。
しかし、年間の手取りに対する貯金割合を見ると、単身世帯と二人以上世帯の数値が逆転しています。
単身世帯の場合は、年収350万円に対して16%が平均です。
年間の手取りは年収の約8割になるので、280万円ほどになります。
年間の貯金額はこの16%ということになるので、約44万円になります。
二人以上世帯の場合は、年収350万円に対して6%が平均です。
年間の貯金額は約16万円になります。
年収350万円の独身者の場合は、家族にお金がかからなく、さらに実家暮らしで家賃や光熱費がかからない人も多いでしょう。
だから、比較的貯金に回せる余裕があることがわかります。
一方年収350万円の既婚者の場合は、家族にかかる支出が大きいので貯金に回すお金は手取りの6%、1ヵ月にすると約14,000円ほどの貯金に留まっているのです。
貯金の中央値が高い理由は、結婚までに貯めていた夫婦の貯金などの金融資産があることが考えられます。
実際に年収350万円で貯金を増やすのは難しい状況であることがわかります。
もっと詳しい割合は以下のようになっています。
貯金率 | 単身世帯 年収300~500万円 |
二人以上世帯 年収300~500万円 |
5%未満 | 6.9% | 8.6% |
5~10%未満 | 11.7% | 12.7% |
10~15%未満 | 13.9% | 10.5% |
15~20%未満 | 2.8% | 2.5% |
20~25%未満 | 5.6% | 3.5% |
25~30%未満 | 1.7% | 0.3% |
30~35%未満 | 4.3% | 0.0% |
35%以上 | 5.4% | 1.0% |
単身世帯の場合は、20%~35%貯金できている人も一定数います。35%貯金できている人も5.4%いるという驚きの結果です。
年収350万円の人が35%貯金すると、1ヵ月の貯金額は約8万円です。生活費は約15万円になります。
これができる人は実家暮らしの人でしょう。
実家暮らしであまり家にお金を入れていない人は、その分を貯金に回している可能性があります。
二人以上夫婦の場合は、5%~10%未満の人が最も多く、5%以下の人も8.6%と多くなっています。25%以上貯金できている人はほとんどいない状況です。
年収350万円の人の毎月の貯金額の理想は?
ここまで年収350万円の単身世帯、二人以上世帯の貯金事情をご紹介してきました。
同じくらいの年収の人がどれくらい貯金しているのかわかると、貯金目標が立てやすくなります。「毎月これくらいの貯金で大丈夫?」という不安もなくなるでしょう。
このような平均データを参考にしながら、あなたの毎月の理想の貯金額を考えていきましょう。
ポイントは以下の2つです。
- 貯金額は手取りの1~2割に設定する
- 生活費を項目ごとに設定する
この2ステップで貯金のシミュレーションをすると、貯金しやすい家計管理ができるようになるでしょう。
貯金額は手取りの1~2割に設定する
手取りに対する貯金の割合は、1~2割が理想とされています。
年収300~500万円の平均的な単身世帯の場合は、手取りの16%貯金が平均です。
年収350万円の独身者の場合は、まずは手取りの15%を目標にしてみましょう。
年収350万円の年間手取りは約280万円です。この15%を貯金すると年間42万円が貯金目安になります。単純に12ヵ月で割ると、1ヵ月あたり35,000円が理想の貯金額になります。
一方二人以上世帯の場合は、手取りの6%しか貯金できていない状況です。
15%貯金は少し厳しいと思われるので、10%を目標にしましょう。
年収350万円の場合、年間貯金は約28万円、1ヵ月あたり23,000円が理想の貯金額になります。
このように「1ヵ月〇円貯金する」と明確な貯金設定をすることがポイントです。
生活費を項目ごとに設定する
1ヵ月の理想の貯金額が決まったら、次は1ヵ月の生活費を設定をしていきましょう。
貯金ができない人は「収入が少ないから」と思うでしょう。
もちろん収入が多ければ貯金する余裕が生まれます。でも、収入が多くても貯金できない人もいます。逆に収入が少なくても貯金できる人もいるのです。
それは、貯金ができるかできないかは、収入だけでなく「支出」が重要だからです。
収入が少なくても支出がおさえられていれば貯金ができます。
極端に収入が少ない場合は、いくら支出をおさえても貯金するのは無理ですが、年収350万円のレベルでは、十分貯金することが可能です。
生活費の設定は、3ステップ。
「予算を立てる」「実際の支出を把握する」「予算を立て直す」です。
具体的にご説明していきましょう。
まずノートを1冊準備してください。
そこに、あなたの生活費の予算を書いていきます。
1ヵ月の給料、貯金、生活費を書いていきましょう。
一人暮らしの場合の一例を書いてみたいと思います。
- 収入(手取り):200,000円
- 貯金:35,000円
- 生活費:165,000円
(内訳)
・住居費:58,000円
・食費:30,000円
・水道光熱費:13,000円
・通信費:7,000円
・保険料:6,000円
・日用雑貨:5,000円
・被服費:8,000円
・趣味・娯楽費:10,000円
・交際費:13,000円
・その他:15,000円
このように、「収入」から「貯金」を引いた金額を生活費の合計とし、その生活費を項目ごとに設定してみてください。
住居費、水道光熱費、通信費、保険料などの固定費は、クレジットカード明細や通帳を見てするに書くことができるでしょう。
家計簿をつけている人なら、平均的な支出が把握できていると思いますので、そのまま書いてください。
生活費を設定したら、実際にこの設定通りにやりくりできるか確認しましょう。
上記の予算額の隣に、実際の金額を記入していきましょう。
家計簿をつけている人の場合は、項目ごと、先月の金額を記入してみてください。
家計簿をつけていない人は、1ヵ月間レシートを貯めてください。
月末になったら全てのレシート、クレジットカード明細書、通帳などを確認しながら、全ての支出を書き出しましょう。
予算に対して、実際の金額はどうなりましたか?
例えば食費の場合、予算が30,000円でしたが、40,000円かかったとしましょう。
外食が多いと食費は一気に跳ね上がります。まずは外食を減らす努力をしましょう。
それでも30,000円だときつすぎるのであれば、35,000円に設定し直しましょう。
逆に被服費は予算が8,000円でしたが実際には4,000円だったとしましょう。
外食はよく行くけど、服はほとんど買わないという場合には、食費を5,000円予算アップした分、被服費は5,000円下げて3,000円にすると良いでしょう。
また、全体的に予算よりも実際の支出が少ない場合には、貯金額をもっと増やせる可能性もあります。
このようにして、より現実的な予算を設定していくことが大切です。
無理なく続けることができるので、長期的にコツコツ貯金ができるでしょう。
年収350万円の人の貯金のコツは支出コントロール
貯金シミュレーションをすることができたら、そのシミュレーション通りに毎月貯金できるようにしていきましょう。
そのためには、支出をコントロールすることが重要です。
せっかく予算を設定しても、毎月予算オーバーしていたら意味がありません。
結局月末には生活費が足りなくなって貯金を切り崩してしまう…という事態になってしまうでしょう。
支出をコントロールできていれば、そのような心配はありません。毎月決まった貯金を続けることができるのです。
支出コントロールをするために必要なのは「一週間ごと家計簿をつけること」「月末に無駄使いをチェックすること」です。
一週間ごと家計簿をつける
毎日家計簿をつけるのが理想ですが、なかなか難しいでしょう。
そこで1週間ごと家計簿をつけてみてください。
専用の家計簿ではなく、ただのノートでOKです。
家計管理用のノート1冊と、レシートを保管しておくファイルを準備しましょう。
まずノートに生活費の中から「変動費」だけを以下のように表にして書いてください。
1ヵ月予算 | 1週目 | 2週目 | 3週目 | 4週目 | 5週目 | 合計 | |
食費 | 30,000円 | 6,000円 | |||||
日用雑貨 | 5,000円 | 3,000円 | |||||
被服費 | 8,000円 | 0円 | |||||
趣味・娯楽費 | 10,000円 | 3,000円 | |||||
交際費 | 13,000円 | 5,000円 | |||||
その他 | 15,000円 | 2,000円 |
生活費には固定費と変動費に分けられます。
固定費は毎月必ずかかる費用のこと。住居費、光熱費、通信費、保険料などがあります。
変動費は、毎月必ずかかるけれど、金額が一定ではない費用のことです。
支出コントロールするためには、この変動費をチェックする必要があります。
上記のように、まず項目ごと「1ヵ月予算」を書いておきます。
あとは1週間ごとレシートをファイルに保管しておき、1週間が終わったら合計金額を記入してください。
レシートは月末にまた使うので、ファイルに保管しておきます。
上記の場合、「食費は1週目で6,000円だから、このペースで使っていけば大丈夫」「日用雑貨は予算5,000円なのにもう3,000円使ったから、あとはセーブしなきゃ」など、支出をコントロールすることができるのです。
月末に無駄遣いをチェックする
1週間ごと管理ノートを書いたら、月末に1ヵ月の合計金額を書きましょう。
そして、もし予算オーバーしていた場合には、どうしてオーバーしてしまったのか原因を追究しましょう。
例えば日用雑貨の金額がオーバーしてしまった場合、日用雑貨を買ったレシートを全てチェックしてみます。そして「買わなくても良かったもの」をピックアップしてみてください。その分が予算オーバーの原因ということになります。
来月は同じような無駄遣いがないようにしていきましょう。
このように支出コントロールしていくことで、予算通りにお金を使えるようになってきます。
はじめはとても面倒な作業に思うでしょう。でも、続けていくうちに、あまり時間をかけず管理ノートを書いたり、月末チェックができるようになります。
この作業を繰り返していくと「自分の無駄遣いの傾向」や「意外と節約できるもの」などがわかってきます。
だから管理ノートをつけなくても、自然と支出コントロールができるようになるでしょう。
まとめ
今回は、年収別の貯金事情として、年収350万円の人の貯金平均額や理想額を解説してきました。
年収350万円だから貯金できない…と思うかもしれませんが、平均データを見ると、年収350万円でもしっかり貯金できている人も多いことがわかりました。
平均データから考えると、独身者は手取りの15%、既婚者は手取りの10%を目標に貯金をしていくが理想と言えるでしょう。
そのためには、支出をおさえる工夫が必要です。
支出コントロールをするためには「一週間ごと家計簿をつけること」「月末に無駄使いをチェックすること」が大切です。
貯金はやり方次第で意外と簡単に増やせる場合があります。ぜひ、今回ご紹介した方法を試してみてください。
効率良く節約生活を進めるためには、銀行口座を3つにすることが大切です。家計費用口座、特別出費用口座、貯蓄用口座に分けることで、いつのまにか貯金が増えていくかもしれません。それでは口座開設はどこがいいか?当節約ブログおすすめはイオン銀行です。
80点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
年収350万円の二人以上世帯の場合、理想の貯金額を決める方法で、
280,000円/年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:収入の10%貯金で1年▲280,000円)
貯金の理想額を目安にすると、計画的に貯金することができます。
上記の貯金額は、年収350万円で手取りの1割を貯金した場合の金額ですが、さらに毎月の貯金額を増やしていくこともできるでしょう。