「年収1200万円の人はどれくらい貯金している?」
「年収1200万円の理想の貯金率は?」
「年収1200万円の毎月の貯金額は?」
など、年収1200万円の平均的な貯金事情や、理想の貯金額などの情報をお探しですか?
年収1200万円の人は全体の5%以下です。富裕層と言われることもあるでしょう。
自由に使えるお金が増えて、毎月のやりくりが大変…ということもなくなります。余裕を持った生活を送れるでしょう。
しかし、収入が増えたからと言って必ずしも貯金が増えるわけではありません。
収入が増えれば、その分使うお金も増えるでしょう。
だから、予想よりも貯金が増えずに焦っている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、年収別の貯金情報として、年収1200万円の人に限定し、平均貯金額や中央値、毎月の理想貯金額について説明していきたいと思います。
年収1200万円の人に向けた貯金のコツもご紹介していきます。
年収1200万円以上は5%以下
国税庁の「民間給与実態統計調査結果(2018年)」のデータを見ると、年収1000万円以上の人は5%です。
年収1200万円の人は、5%以下ということになります。
それぞれの年収に対する割合は以下のようになっています。
100万円以下 | 8.1% |
100万円~200万円 | 13.7% |
200万円~300万円 | 15.2% |
300万円~400万円 | 17.2% |
400万円~500万円 | 14.9% |
500万円~600万円 | 10.2% |
600万円~700万円 | 6.5% |
700万円~800万円 | 4.4% |
800万円~900万円 | 2.9% |
900万円~1,000万円 | 1.9% |
1,000万円~1,500万円 | 3.6% |
1,500万円~2,000万円 | 0.8% |
2,000万円~2,500万円 | 0.3% |
2,500万円以上 | 0.3% |
(参考:国税庁)
全体の平均年収は441万円となっています。
年収1200万円の人は、平均の約3倍の収入ということになります。
収入の1~2割貯金しても、十分余裕のある生活を送ることができます。
しかし5%以下の高給取りになったことで、贅沢な生活になり、貯金する余裕がなくなる人も多いでしょう。
年収1200万円で貯金している人、していない人の割合は?
年収1200万円の人は、どんどん金融資産を増やしているイメージがあります。しかし、実際には、金融資産が全くないという人もいるのです。
「金融広報中央委員会」の「家計の金融行動に関する世論調査(令和元年)」の情報から、年収別の金融資産がある人、ない人の割合を知ることができます。
年収1200万円以上の単身世帯、二人以上世帯の金融資産がある人、ない人の割合は以下のようになっています。
世帯 | 単身 | 二人以上 |
金融資産がある人 | 88.2% | 94.9% |
金融資産がない人 | 11.8% | 5.1% |
全ての年収の世帯の平均は、単身世帯で貯蓄している人は62.0%、していない人は38.0%です。
二人以上世帯で貯蓄している人は76.4%、していない人は22.9%です。
全体の平均と比較すると、年収1200万円になると非常に多くの人が貯金していることがわかります。
しかし、年収1200万円以上でも、単身世帯の約10世帯に1世帯、二人以上世帯の約20世帯に1世帯は金融資産ゼロという状況なのです。
年収1200万円でも全く貯金ができない場合、家計管理に何か問題があるかもしれません。
しっかり家計管理をしてお金の流れを確認する必要があるでしょう
年収1200万円の貯金平均値と中央値は?
年収1200万円の世帯は、一部の人は貯蓄ゼロの状況ですが、ほとんどの世帯は金融資産を保有していることがわかりました。
でも、気になるのは年収1200万円の人がどれくらい貯金しているかということです。
金融広報中央委員会の同調査の中に、年収1200万円以上の単身世帯、二人以上世帯の貯蓄の平均値、中央値が公表されています。
この貯蓄額は銀行の預貯金、金銭信託、積立型保険商品、投資信託など全ての金融資産の合計した金額となっています。
世帯 | 単身 | 二人以上 |
平均値 | 5,903万円 | 4,332万円 |
中央値 | 3,200万円 | 3,000万円 |
単身世帯の貯蓄平均値は5千万円以上、二人以上世帯は4千万円以上ということで、かなり高い金額となっています。
「うちはこんなに貯金がない…」と思うかもしれません。
平均値は、多額の貯蓄がある人が少しでもいると、ぐんと高くなる傾向にあります。
そこで参考にしたいのは中央値です。
中央値とは、年収1200万円の人の中で貯金額の少ない世帯から多い世帯の順に並べた時に、真ん中にくる人の貯金額になります。
つまり、年収1200万円の単身世帯では、半分の人が3,200万円以上を貯蓄していることになります。
二人以上世帯では半分の人が3,000万円以上を貯蓄しているのです。
子供がいる世帯の場合は、教育費、マイホーム、マイカーなど様々なことにお金がかかります。
さらに年収1200万円なら、教育費もマイホームもマイカーも高級志向になるでしょう。
その中でもしっかり貯蓄もしている世帯が多いことがわかります。
年収1200万円の貯金率は?
年収1200万円でも貯金ゼロの人がいる一方で、貯金している人はガッチリ貯金していることがわかりました。
上記では現在の貯蓄額を見てきましたが、次は貯金率を見ていきたいと思います。
貯金率とは、手取り収入に対して何割の貯金をしているかということです。
貯金率がわかると、毎月どれくらいのペースで貯金しているのか知ることができるので、貯金の目安になるでしょう。
金融広報中央委員会の同調査では、年収1200万円以上の世帯の年間手取り収入に対する貯蓄率を見ることができます。
手取り収入に対する貯蓄割合 | 単身世帯 | 二人以上世帯 |
5%未満 | 0.0% | 1.6% |
5~10%未満 | 0.0% | 11.6% |
10~15%未満 | 13.3% | 24.0% |
15~20%未満 | 6.7% | 9.3% |
20~25%未満 | 20.0% | 13.2% |
25~30%未満 | 0.0% | 5.4% |
30~35%未満 | 13.3% | 8.5% |
35%以上 | 33.3% | 11.6% |
貯蓄しなかった・無回答 | 13.3% | 14.7% |
平均 | 31.0% | 17.0% |
単身世帯は、既婚者でも単身赴任などで一人暮らしをしている人も含まれますが、ほとんどは独身者です。
一人の生活費だけなので、ある程度余裕のある生活をしても、ほとんどの人が手取りの3割以上を貯金できていることがわかります。
一方、二人以上世帯の場合は、子供の教育費をはじめ、家族にかかる費用がぐんと増えるため、独身者より貯金する余裕はなくなる傾向にあります。
しかし、それでも平均の貯金率は17%です。貯金率の理想は一般的に10%~20%とされています。
平均貯金率が17%ということは、やはり、堅実に貯金している人が多いと言えるでしょう。
年収1200万円の毎月の貯蓄シミュレーション
年収1200万円の人の平均的な貯金率について見てきました。
次に、この平均貯金率をもとに、毎月どれくらい貯金をしているのかシミュレーションしてみたいと思います。
年収 | 年間手取り | 1ヵ月手取り | 独身者の貯蓄率29% 年間貯金額 |
独身者の貯蓄率29% 1ヵ月貯金額 |
独身者の貯蓄率29% 1ヵ月生活費 |
既婚者の貯蓄率17% 年間貯金額 |
既婚者の貯蓄率17% 1ヵ月貯金額 |
既婚者の貯蓄率17% 1ヵ月生活費 |
1200万円 | 880万円 | 55万円 | 272万円 | 22万円 | 33万円 | 149万円 | 12万円 | 43万円 |
年収1200万円の場合、配偶者控除・扶養控除などの有無や、各手当などによって手取りは違いますが、860万円~900万円になることが一般的です。
ここでは手取りは880万円として計算したいと思います。
ボーナスが夏と冬で4ヵ月分支給されると想定すると、1ヵ月の手取り収入は880万円÷16ヵ月=55万円が目安になります。
単身世帯の平均貯蓄率は31%でした。年間貯金額の目安は880万円×31%=約272万円です。これを12ヵ月で割ると毎月約22万円貯金していることになります。
1ヵ月の手取りは55万円なので、22万円貯金すると、残りの生活費は33万円です。
二人以上世帯の平均貯蓄率は17%でした。年間貯金額の目安は880万円×17%=約149万円です。これを12ヵ月で割ると毎月約12万円貯金していることになります。
残りの生活費は43万円になります。
このように、年収1200万円で貯金率31%、17%の場合、手取りから貯金分を引いても、十分な生活費が残ることがわかります。
逆に、この平均的な貯金率が維持できていない世帯に場合は、支出が多すぎる可能性があるでしょう。
年収1200万円の目標貯金率は20%
年収1200万円の人の平均貯蓄、毎月の平均貯蓄率、さらにその貯蓄率から毎月の貯金額をシミュレーションしてきました。
年収1200万円でも、独身者と既婚者ではお金事情が大きく異なりますが、全体平均は手取りの20%以上であることがわかりました。
理想の貯金率は10%~20%とされています。
年収400万円の人が20%貯金するのは大変ですが、年収1200万円であれば20%は貯金したいところです。
年間手取りに対して、20%貯金することを目標に貯金計画を立てましょう。
年収1200万円の貯金のコツ
年収1200万円の貯金目安として、手取りの20%を貯金することを目標にしましょう。
年収1200万円の1ヵ月の手取りは55万円ほどになるのが一般的です。
子供の教育費やマイホームのローンなどによって事情は変わりますが、1ヵ月55万円あればやりくりが苦しくなることはまずないでしょう。
生活費を使っても、十分貯金する余裕はあるはずです。
実際、手取りの20%前後貯金できている人も約半数います。しかし、できていない人も約半数いるのです。
あなたはどちらでしょうか。手取りの20%貯金ができていない状況であれば、もっと効率よく毎月の貯金額を増やす工夫をしていきましょう。
ここからは、年収1200万円の人におすすめしたい貯金のコツをご紹介していきます。
そのコツとは、年収1200万円にもかかわらず貯金できない理由を考える事、そしてその対策を考えることです。
年収1200万円でも貯金できない理由を考える
年収1200万円なのに貯金できない理由は「マインド的な問題」と「システム的な問題」があります。
この2つの対策ができれば、もっと効率よく貯金できるようになるでしょう。
まずはマインド的な問題から見ていきましょう。
年収1000万円を超えると高給取りとして胸を張れるようになります。さらに1200万円を超える人は、全人口の5%未満となり、さらにステータスはアップするでしょう。
だから、その地位に見合ったお金の使い方をしようとして見栄を張ってしまいます。
マイホーム、車、洋服、バッグ、子供の習い事などにどんどんお金をかけるのです。
見栄を張ってお金を使っていると、あっという間に生活費はなくなってしまいます。どんなに手取りがあっても貯金に回すお金は残らないでしょう。
貯金は将来のために貯めるものです。毎月の手取りが少ない場合は「将来にかかる費用のためにコツコツお金を貯めておかないと」と思うでしょう。
しかし、毎月の手取りが多いと「毎月こんなにたくさん収入があれば、今後も生活が苦しくなることはないだろう」と、貯金しなくても大丈夫だと思ってしまうのです。
貯金できないのではなく、そもそも貯金する気がないのです。
年収1000万円を超えてくると、食料品や格安スーパーではなく高級スーパーで買うようになり、服はファストファッションから百貨店ブランドになるでしょう。
タクシーを使うのが当たり前になり、部下にランチをごちそうするのも習慣になっているかもしれません。
だから徐々に金銭感覚が鈍ってきてしまうのです。無駄遣いや浪費をしている自覚がないままに、余計なお金を使っている可能性があります。
このように「見栄を張ってしまう」「貯金しなくても大丈夫だと思ってしまう」「金銭感覚が鈍っている」というマインド的な問題のために、収入のわりに貯金ができていない人が多いのです。
さらに以下のようなシステム的な問題もあることで、さらに貯金しにくい環境を作ってしまうのです。
年収が少ない場合、クレジットカードを使いすぎると翌月以降に苦労することになります。
だから「支払いが大変になるからあまりクレジットカードを使いすぎないようにしよう」とブレーキをかけることができるのです。
しかし年収1200万円になれば、支払いを気にせずクレジットカードを使えるようになるでしょう。
クレジットカードで支払うと、どうしてもお金を使っている感覚が鈍くなるので、気軽にどんどん使ってしまいます。
毎月いくら使っているのか把握していない人も多いでしょう。
「生活費を使って、残ったお金を貯金しよう」と思っていませんか?
収入が多いと、生活費を使っても当然お金は残ると思うため、残ったお金を貯金すれば良いと考えてしまうのです。
しかし、実際にはついつい生活費でお金を使い果たしてしまい「今月も貯金分は残らなかった…」となるのです。
さらに、収入が多いと「来月貯金すればいいや」と思い、毎月コツコツ貯金する習慣が作れないということも考えられます。
年収1200万円で効率よく貯金する方法を考える
年収1200万円でも貯金できない理由について考えてきました。
「見栄を張ってしまう」「貯金しなくても大丈夫だと思ってしまう」「金銭感覚が鈍っている」などのマインド的な問題、「クレジットカード払いが多い」「残ったお金を貯金している」というシステム的な問題があります。
これらの問題に対する解決策が、年収1200万円で効率よく貯金する方法です。
「見栄を張ってしまう」「貯金しなくても大丈夫だと思ってしまう」「金銭感覚が鈍ってしまう」のは、お金の流れが把握できていないからです。
年収1200万円であっても無駄遣いをしていたらあっという間にお金はなくなってしまいます。
でも「年収1200万円」という気持ち的な余裕だけはあるので、無駄遣いを続けてしまうのです。
そこで、おすすめしたいのが、一度家計を見える化することです。
「1ヵ月の家計費を書き出す」「平均的な家計費と比較する」「無駄を洗い出す」の3ステップで家計状況としっかり向き合いましょう。
まず、1ヵ月レシートを保管しておいてください。
月末になったらそのレシートとクレジットカード明細書を見ながら、1ヵ月の家計費を書き出してみましょう。
以下のように項目別に書いていきます。
内訳 | 支出額 |
食費 | |
住居費 | |
高熱・水道 | |
家事・家具用品 | |
被覆及び履物 | |
保険医療 | |
交通・通信 | |
教育 | |
教育娯楽 | |
その他 | |
消費支出合計 |
ステップ2:平均的家計費を比較する
金銭感覚が鈍っていると、自分の家計費を見てもどこに無駄があるのかわからないでしょう。
1ヵ月の生活費を書き出したら、平均的な家計費を比較してみてください。
総務省統計局の「2019年家計調査/家計収支編 単身世帯・二人以上の世帯」によると平均的な支出額は以下のようになっています。
内訳 | 二人以上世帯平均 | 単身世帯平均 |
食費 | 75,258円 | 40,331円 |
住居費 | 17,094 円 | 20,847円 |
高熱・水道 | 21,951円 | 11,652円 |
家事・家具用品 | 11,486 円 | 5,308円 |
被覆及び履物 | 10,779円 | 5,720円 |
保険医療 | 13,933円 | 7,666円 |
交通・通信 | 43,632円 | 20,989円 |
教育 | 11,492円 | 19円 |
教育娯楽 | 29,343円 | 8,746円 |
その他 | 58,412円 | 32,503円 |
消費支出合計 | 293,379円 | 163,781円 |
(参考:e-STAT)
上記のデータはあくまでも目安にはなりますが、一般的な生活費として参考になるでしょう。
「食費は平均の2倍かかっている」「教育費が平均より大幅に高い」など、平均より大幅にオーバーしている項目がないかチェックしてみてください。
そしてその項目は、どうして平均よりオーバーしているのか無駄遣いを洗い出してみましょう。
レシートやクレジットカード明細書を見ながら、「買わなくても良かったもの」「不要なのに買っているもの」をチェックしていきましょう。
このような流れで家計状況を把握することで、「外食が多いから食費がかなり多い」「不要な服や化粧品を買いすぎている」など、具体的な無駄遣いに気付くことができます。
このような作業を繰り返していると、徐々に金銭感覚が鈍ることがなくなってくるでしょう。
見栄を張らずに堅実にお金を使おうという気持ちになれるはずです。
クレジットカードを使う時には「これは本当に必要な買い物か?」と考えてから買い物ををするようになるでしょう。
家計の現状を把握することで、貯金に対する意識が高まるでしょう。
さらに貯金しやすいシステムを作ることで、効率よく貯金していくことができます。
そのシステムとは、先取り貯金です。
年収1200万円になると、収入が多くても支出も多くなるため、残ったお金を貯金しようと思ってもなかなか残らないものです。
毎月確実に貯金するためには、生活費が余ったら貯金するのではなく、給料が入ったら真っ先に貯金することが重要です。
自分でお金を給料振込用口座から貯金用口座に移動させても良いですが、銀行の自動積立預金や、会社の天引き制度を利用して強制的に貯金できるシステムを利用するのもおすすめです。
まとめ
今回は年収1200万円の人の平均的な貯蓄の平均値、中央値、貯金率などを見てきました。
年収1200万円の人の貯金目安は、手取りの20%を貯金することです。
年収1200万円であれば、20%を貯金しても、余裕のある生活を維持できるでしょう。
効率よく貯金するためには、まず現在の家計状況を把握することから始めましょう。
無駄遣いを洗い出し、そのような無駄遣いを繰り返さないようにしましょう。
さらに先取貯金することで自動的に貯金が増えていくでしょう。
年収1200万円でも無意識に無駄遣いを続けているといつまでたっても貯金は増えません。
ぜひ一度マインド的なこと、システム的なことをリセットしてみてください。
効率良く節約生活を進めるためには、銀行口座を3つにすることが大切です。家計費用口座、特別出費用口座、貯蓄用口座に分けることで、いつのまにか貯金が増えていくかもしれません。それでは口座開設はどこがいいか?当節約ブログおすすめはイオン銀行です。
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※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
年収1200万円の人の場合、理想の貯金額を決める方法で、
176万円/年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:手取りの2割貯金で1年▲176万円)
年収1200万円になると、収入が増えた分支出も増えます。だから、貯金する意識が低いと、毎月無駄遣いでお金がなくなっていく恐れがあります。貯金する意識を持つだけで、一気に貯金アップする可能性があるのでおすすめの節約法です。