「年収300万円の人はどれくらい貯金しているの?」
「年収300万円の貯金の目安は?」
「年収300万円の貯金平均は貯金率は?」
など、年収300万円の人の貯金情報を探していませんか?
国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると、年収200万円~300万円の人は15.2%、年収300万円~400万円の人は17.2%となっています。
年収200万円~400万円の人は32.4%。約3分の1を占めています。
(参考:国税庁)
年収300万円前後の人はとても多いのです。
あなたの周りにも年収300万円の人はたくさんいるはず。でも、他人の貯金を聞くことはできないですよね。
そこで今回は、年収300万円の平均や貯金率、さらに年収別毎月の理想の貯金額についてご説明していきたいと思います。
年収300万円の人の具体的な貯金のコツもご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
年収300万円で貯金している人はどれくらい?
そもそも年収300万円の人は貯金しているのでしょうか。
年間の手取りは年収の約8割になります。2割は税金や社会保険料などで引かれます。
つまり年収300万円の年間の手取りは240万円ほどが一般的です。
ボーナスを考えずに単純に12ヵ月で割ると、1ヵ月の手取りは20万円になります。
実家暮らしの独身者の場合には余裕がありますが、一人暮らしの独身者、さらに家族がいる世帯の場合は、20万円の中から貯金を捻出するのはなかなか大変なことです。
そのような状況の中で、どれくらいの人が貯蓄をしているのでしょうか。
日本銀行情報サービス局内に事務局を置いている「金融広報中央委員会」の「家計の金融行動に関する世論調査(令和元年)」から単身世帯、二人以上世帯のデータを調べてみましょう。
世帯 | 単身 | 単身 | 二人以上 | 二人以上 |
年収 | 300万円未満 | 300~500万円 | 300万円未満 | 300~500万円 |
貯蓄がある | 57.5% | 71.9% | 60.9% | 79.1% |
貯蓄がない | 42.5% | 28.1% | 39.1% | 20.9% |
年収300万円の世帯だけのデータはないため、300万円未満、300万円~500万円の単身世帯、二人以上世帯のデータを参考にしたいと思います。
単身世帯の場合、年収300万円未満だと4割以上の人が貯蓄なしの状況ですが、年収300万円以上になると3割以下に減っています。
二人以上世帯の場合は、年収300万円未満だと約4割の人が貯蓄なしですが、年収300万円以上になると約2割と激減している状況です。
年収300万円を超えると、貯金を増やしやすくなることがわかります。
年収300万円の人の貯金の平均値と中央値は?
それでは、貯蓄ありの人は実際どれくらい貯蓄しているのでしょうか。
金融広報中央委員会の同調査から、年収300万円未満、年収300万円~500万円の世帯の貯蓄の平均値、中央値も知ることができます。
この金額は銀行の預貯金だけでなく、金銭信託、積立型保険商品、投資信託なども含んだ金融資産の合計です。
世帯 | 単身 | 単身 | 二人以上 | 二人以上 |
年収 | 300万円未満 | 300~500万円 | 300万円未満 | 300~500万円 |
平均値 | 724万円 | 940万円 | 1,126万円 | 1,337万円 |
中央値 | 150万円 | 330万円 | 700万円 | 730万円 |
平均値と中央値の違いについてご説明しておきましょう。
平均値とは、全ての人の貯金額を足して、人数で割った金額です。
中央値とは、貯金額の小さい順(もしくは大きい順)に並べた時に、真ん中にくる金額のことです。
平均値は、一人でも何億円という貯金を持っている人がいると一気に上がります。
そのため、中央値のほうが、より現実的なデータを得られるのです。
上記の平均値ではなく中央値を参考にしてみてください。
二人以上世帯の場合は、年収300万円未満も300万円~500万円でもほぼ同じ中央値になっています。
既婚者の場合は、約700万円が目安ということになります。
一方、独身者の中央値は既婚者に比べると低くなっています。
しかし、年収300万円以下でも、貯金している人の半分以上は150万円貯金できています。
貯金の最低ラインは手取り3ヵ月分とされています。年収300万円の場合は60万円以上が目安です。多くの人が最低ラインを越えて貯金していることがわかります。
年収300万円の人は、貯金できていない人も一定数いる一方、貯金している人はしっかり貯金を増やしているということです。
「年収300万円だと貯金は難しい」と諦めずに貯金を増やす工夫をしていきましょう。
年収300万円の人の貯金率は?
年収300万円で貯金している人の割合、さらに貯金額の平均値、中央値を見てきました。
次に、さらに参考になるデータを見つけるために、年収300万円の人の貯金率を調べたいと思います。
貯金率とは、手取りに対して貯金している割合のことです。
例えば1ヵ月の手取りが20万円の人が2万円貯金したら、10%の貯金率になります。
この貯金率を考慮して貯金目標額を決めると、無理のない貯金計画を立てることができるのです。
平均的な貯金率はどれくらいになっているのでしょうか。
「金融広報中央委員会」の同調査のデータでは、以下のような結果になっていました。
世帯 | 単身 | 単身 | 二人以上 | 二人以上 |
年収 | 300万円未満 | 300~500万円 | 300万円未満 | 300~500万円 |
貯金率 | 8% | 16% | 4% | 6% |
貯金率は、家族構成やライフスタイルによって変わるので「この割合が正解」というものはありませんが、一般的な目安として、手取りの10%~20%が理想とされています。
年収300万円の世帯の単身世帯は大体理想の貯金率の範囲内になっていますが、二人以上世帯の場合は、4%~6%ということで、毎月十分な貯金ができていない世帯が多いことがわかります。
二人以上世帯の場合、現在の貯金の中央値は約700万円となっていましたが、毎月コツコツ貯めているのではなく、もともと資産があったケースも多いことが予想されます。
さらに詳しい貯金率を見てみましょう。
単身世帯 | 単身世帯 | 二人以上世帯 | 二人以上世帯 | |
貯金率 | 300万円未満 | 300~500万円 | 300万円未満 | 300~500万円 |
5%未満 | 5.4% | 6.9% | 10.5% | 8.6% |
5~10%未満 | 11.9% | 11.7% | 14.7% | 12.7% |
10~15%未満 | 18.9% | 13.9% | 16.5% | 10.5% |
15~20%未満 | 5.6% | 2.8% | 3.2% | 2.5% |
20~25%未満 | 11.9% | 5.6% | 6.3% | 3.5% |
25~30%未満 | 3.2% | 1.7% | 0.8% | 0.3% |
30~35%未満 | 8.5% | 4.3% | 1.8% | 0.0% |
35%以上 | 13.8% | 5.4% | 1.2% | 1.0% |
単身世帯は家族にかかるお金が必要ないこと、実家暮らしの人がいることから、20%~30%も貯金できている人が多いことが予想されます。
一方二人以上世帯は、ほとんどが15%未満です。さらに5%未満の世帯が多いことも特徴です。
年収300万円前後で家族を養いながら、十分な貯金をするのは難しいことがわかります。
年収300万円の人の毎月の貯金額の理想は?
ここまで年収300万円の人の平均的な貯金データを見てきました。
貯金額は、ライフスタイルや家族構成によって変わるため、平均的な金額が全てではありません。
でも、平均的なデータを知ることで「周りの人はどれくらい貯金しているの?」「うちの貯金は一般的?」というモヤモヤは解消されるでしょう。
貯金計画を考える上での参考にもなります。
ここからは、具体的に毎月の理想的な貯金額を考えていきましょう。
貯金率は、一般的な目安の10%~20%で算出していきます。
年収 | 年間手取り | 1ヵ月手取り | 手取りの10%を貯金 | 手取りの10%を貯金 | 手取りの15%を貯金 | 手取りの15%を貯金 | 手取りの20%を貯金 | 手取りの20%を貯金 |
貯金 | 生活費 | 貯金 | 生活費 | 貯金 | 生活費 | |||
300万円 | 240万円 | 200,000円 | 20,000円 | 180,000円 | 30,000円 | 170,000円 | 40,000円 | 160,000円 |
年収300万円の人の場合、10%、15%、20%の貯金をすると、貯金額と生活費はこのような金額になります。
20,000円~40,000円が貯金の理想額ということになります。
ポイントは、貯金額だけでなく生活費を見ることです。
20,000円貯金したら180,000円で生活するということをシミュレーションすることが大切です。
無謀に高い貯金額を設定しても、生活が苦しくなってしまうと貯金は長続きしません。
貯金額と生活費をシミュレーションし、さらにスムーズに貯金できるシステムを作っていうことが貯金のコツになります。
次の項目で具体的にご説明していきたいと思います。
年収300万円の人の貯金のコツ
ここまで年収300万円の人の平均的な貯金額、理想の貯金額についてご紹介してきました。
ここからは、そのような年収300万円の人の貯金事情を踏まえて、貯金のコツをご紹介していきたいと思います。
年収300万円の人が貯金を増やすためには、貯金額と生活費をシミュレーションすることが大切です。
その上で、そのシミュレーション通りに支出をコントロールすること、これが年収300万円の人の貯金のコツになります。
年収300万円で貯金を増やすのはなかなか大変なことです。
でもこのようなコツをおさえて貯金すれば、無理なく貯金することが可能になるでしょう。
貯金額と生活費をシミュレーションする
年収300万円の人が限られた手取りの中から貯金をするためには、貯金額と生活費をしっかり決めることが大切です。
まず、上記でご説明してきたように、貯金額は手取りの10%~20%に設定しましょう。
貯金額は簡単にシミュレーションできても、難しいのは家計費のシミュレーションです。
例えば手取り20万円の人が2万円貯金する場合は、18万円で生活する必要があります。
今まで貯金していなかった人が急に貯金を抜いた金額でやりくりしようとすると、生活が苦しくなります。
でも、ただ闇雲に節約しようと思っても上手くいかないでしょう。
そこでおすすめしたいのが、家計費のそれぞれの項目をパーセンテージで考えることです。
アクサダイレクト生命が、5,000人以上の家計相談データをもとに「家族構成別に見た家計の理想割合」というものを発表しました。
一人暮らし世帯の生活費の理想割合は以下のようになります。
内訳 | 割合 | 手取り20万円の場合の理想額 | あなたの理想額 | 当月の実際の金額 |
住居費 | 28% | 56,000円 | ||
食費 | 18% | 36,000円 | ||
水道光熱費 | 6% | 12,000円 | ||
通信費 | 6% | 12,000円 | ||
保険料 | 4% | 8,000円 | ||
日用雑貨 | 3% | 6,000円 | ||
被服費 | 3% | 6,000円 | ||
趣味・娯楽費 | 4% | 8,000円 | ||
交際費 | 5% | 10,000円 | ||
その他 | 6% | 12,000円 | ||
貯蓄 | 17% | 34,000円 |
(参考:アクサダイレクト生命)
手取り20万円の場合の理想額も計算しています。
一人暮らしの場合は、貯金額は17%に設定しています。
夫婦二人と小学生以下の子供がいる世帯の生活費の理想割合は以下のようになります。
内訳 | 割合 | 手取り20万円の場合の理想額 | あなたの理想額 | 当月の実際の金額 |
住居費 | 25% | 50,000円 | ||
食費 | 14% | 28,000円 | ||
水道光熱費 | 6% | 12,000円 | ||
通信費 | 5% | 10,000円 | ||
保険料 | 6% | 12,000円 | ||
日用雑貨 | 2% | 4,000円 | ||
被服費 | 3% | 6,000円 | ||
趣味・娯楽費 | 2% | 4,000円 | ||
交際費 | 2% | 4,000円 | ||
教育費 | 10% | 20,000円 | ||
こづかい | 10% | 20,000円 | ||
その他 | 3% | 6,000円 | ||
貯蓄 | 12% | 24,000円 |
(参考:アクサダイレクト生命)
手取り20万円の場合の生活費の理想額はこのようになります。
家族がいる場合には、一人暮らしよりも貯金額は少なく設定されています。
12%が目安になっています。
紙とペンを準備して、あなたの手取りに合わせた理想額を書いてみてください。
年収が300万円で1ヵ月の手取りがピッタリ20万円の場合は、上記の理想額をそのまま参考にしてください。
この理想額を予算として1ヵ月やりくりすれば、毎月貯金を確保することができることになります。
支出コントロールする
上記の流れで支出項目ごとの予算が決まったら、毎月その予算が達成できるように支出コントロールしていきましょう。
そのためには、実際の支出を見える化して、無駄を洗い出していく必要があります。
1ヵ月の実際の支出を把握するために、1ヵ月レシートをとっておきましょう。
また、クレジットカード明細書や通帳も準備してください。
月末になったら、上記の表の「当月の支出額」の欄に合計金額を書いてみてください。
「あなたの手取りの理想額」に対してオーバーしている項目があれば見直していきましょう。
住居費、水道光熱費、通信費、保険料が固定費になります。
理想額に対して大幅にオーバーしている場合は、見直しを検討してみましょう。
固定費は一度安くなると、その安さがずっと続くので変動費よりも優先的に見直すのがおすすめです。
住居費、水道光熱費はなかなか安くするのが難しいですが、通信費と保険料はねらい目です。
3大キャリアから格安スマホにすることで、1ヵ月3,000円~4,000円安くなるでしょう。
3大キャリアのままでも、不要な有料オプションやアプリをやめることで節約することもできます。
保険料も、不要なものは解約しても良いでしょう。
特に医療保険は必ずしも必要なものではありません。
保険料の見直しによる節約法はこちらの記事をご参考ください。
将来の万が一のリスクに備えて払い続けている保険料。死亡保険や医療保険の保険料は安くありません。必須の出費と思われがちな保険料ですが、実は必ずしもそうではありません。貯金を貯めるために保険に入らないという選択も有りなのです。
固定費以外の費用は変動費になります。
変動費を節約するために、レシートの内訳から無駄遣いをチェックしていきましょう。
「買わなくても困らなかったもの」を基準に、無駄遣いだった金額をカラーペンでチェックしてください。それぞれの項目ごとに合計はいくらになりますか?
今月の支出からその合計額を引くと理想額以下になるなら、その理想額のままで良いでしょう。
来月からはそのような無駄遣いがないように買い物をおさえていけば良いのです。
逆に無駄遣いの合計を引いても理想額を上回っている場合は、その理想額には無理がある可能性があります。
理想額を増やして設定し、その分貯金額を減らしましょう。
あまり無理な貯金額だと、長続きしません。貯金は持続することが大切です。
無理なく続けられる貯金プランを立てましょう。
まとめ
今回は、年収別の貯金情報として、年収300万円の人の貯金平均額や理想額をご紹介してきました。
年収300万円の場合、1ヵ月の手取りは約20万円です。この中から貯金を捻出するためには、いくつかコツが必要です。
ただ貯金理想額を考えるだけでなく、収入から貯金額を引いても無理なく生活できるように、理想の生活費をシミュレーションすることがポイントです。
その上で毎月支出をコントロールしていけば、手取りの1割~2割の貯金ができるようになるでしょう。
ただし、無理のある貯金額だと長続きしません。無理なく、でもしっかり節約できるバランスを考えて貯金理想額を設定してください。
効率良く節約生活を進めるためには、銀行口座を3つにすることが大切です。家計費用口座、特別出費用口座、貯蓄用口座に分けることで、いつのまにか貯金が増えていくかもしれません。それでは口座開設はどこがいいか?当節約ブログおすすめはイオン銀行です。
80点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
年収300万円の夫婦と小学生以下の子ども二人世帯の場合、理想額を考えて貯金する方法で、
288,000円/1年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:手取りの12%貯金で1年▲288,00円)
手取り20万円ほどで貯金するのは難しいと思うかもしれませんが、支出をうまくおさえることができれば、貯金することは可能です。無理だと諦めずに貯金できる工夫をしていきましょう。