エアコンは自動設定がお得?つけっぱなしが電気代の節約になる?

一般家庭の家電製品の中で、もっとも電気代がかかるのがエアコンです。

エアコンの電気代を節約することができれば、年間の電気代を大きく減らせるかもしれません。

そこで考えるべきは、エアコンの使い方です。

電気代を減らそうと、こまめにリモコンでオンオフしていませんか?消費電力を減らそうと弱風運転をしていませんか?

電気代節約に効果的と思われがちなオンオフと弱風運転ですが、厳密には節約にならないケースが多いのです。

エアコンは自動設定でつけっぱなしすることが節約に繋がります。

エアコンは頻繁にオンオフを繰り返したり、弱風設定にすると余計電気代がかかる仕組みになっているからです。

エアコンの電気代を節約に導くための設定方法、使い方を詳しくご説明したいと思います。

間違ったエアコンの節約方法とは?

間違ったエアコンの節約方法とは?

夏と冬に電気代が一気に上がる理由はエアコンにあります。

これはみなさんわかっていることだと思います。だから、エアコンを節電しなきゃ!と思っているはずです。でも、その節約方法が難しいですよね。

節約効果があると思われがちなのが、こまめにオンオフする方法と弱風運転。

でもこの2つを続けていると、電気代の無駄遣いになる可能性があります。

エアコンは家庭で使われる家電製品の中で、一番電気代が高いです。だから、無駄な使い方を続けていると、年間で大きな損になっているかもしれません。

逆に節約のための正しい使い方をすれば、全体の電気代節約に役立つでしょう。

「オンオフを繰り返す」「弱風設定」はどうして節約にならないのでしょか。

その理由を考えていきたいと思います。

こまめにオンオフを繰り返す

電化製品はつけっぱなしにすると電気代がかかるイメージがあります。

照明機器やカーペット、電気こたつなどの電熱機器は、つけている時間が長ければ長いほど電気代が高くなるでしょう。使用時間と電気代は比例する関係になっています。

ところが、エアコンは単純に使用時間と電気代は比例関係にないのです。

節約にならない理由

エアコンは、外気と室内の温度変化によって運転状態が絶えず変化します。

そのため単純に使用時間と電気代が比例しないのです。

そのためエアコンの消費電力は最小~最大の数値が表示されています。

20畳用のエアコンの電気代を考えていきます。

全国平均の電気料金27円で計算します。

冷房の最小消費電力は175W、最大消費電力は3,050Wです。

175Wで1時間使用すると、電気代は0.175kWh×27円=4.72円になります。

3,050Wで1時間使用すると、電気代は3.05Wh×27円=82.35円になります。

1日6時間使用すると想定すると、最小消費電力の場合は28.32円、最大消費電力は494.1円となります。

1日465円もの差が出る可能性があるのです。

暖房の消費電力は145W~3,900Wとなっています。

最小消費電力で1時間使用した場合の電気代は0.145kWh×27円=3.9円。

最大消費電力で1時間使用した場合の電気代は3.9Wh×27円=105.3円。

1日6時間使用すると想定すると、最小消費電力の場合は23.4円、最大消費電力は631.8円となります。

1日608円もの差が出る可能性があるのです。

このように、エアコンは最小消費電力のときと最大消費電力のときの電気代が大きく違うことがわかりました。

だから使用時間だけを少なくしても節約にはならないのです。

電気代を節約するためには、いかに最大消費電力の時間を減らし、最小消費電力の時間を増やせるかがカギになるのです。

それでは、消費電力が最大に近づくのはどのような時なのでしょうか。

それは、室温を設定温度に合わせるまでの時です。

エアコンは室温を設定温度にするまでの電気代が最も大きくなります。

だから「エアコンを使うときにスイッチをオンにして、適温になったらオフにする」方法は、一見節約できそうですが、逆効果になるのです。

スイッチをオフにすることで、冷房時は室温が上がります。暖房時は室温が下がります。

その状態でスイッチをオンにすると、エアコンは設定温度に合わせるためにフル稼働します。そして電気代が高くなるのです。

さらに室温と外気温の差が大きいほど、このオンオフによる電気代の無駄は大きくなるでしょう。

弱風運転

エアコンの風量設定は、弱、強、自動などがあります。

電気代を節約するために弱風運転にしているかもしれません。

扇風機の場合は、弱風運転の消費電力が最も低いので、節約に繋がるでしょう。

しかし、エアコンの場合は弱風運転よりも自動運転のほうが節約になります。

意外なことに、弱風運転のほうが節約になりにくいのです。

節約にならない理由

自動運転は、室温が設定温度に達するまでは強風でフル稼働運転しますが、設定温度に達した後は、キープするだけの弱い運転に切り替わります。

微風になったり風が止まることで電気代がおさえられるのです。

設定温度に達するまでは強風になるので消費電力が上がりますが、その後は消費電量が一気に少なくなる仕組みになっています。

一方、弱風運転は、自動運転のように強風になることはありませんが、弱風でジワジワ室内温度を変えていくので時間がかかります。

弱風であっても長時間続くことで電気代が高くなってしまうのです。

冷房でも暖房でも、弱風運転は電気代の節約にはならないでしょう。

適温になるまで時間がかかるので、夏はなかなか部屋が涼しくならない、冬はなかなか暖かくならないというデメリットもあります。

正しいエアコンの節約方法とは?

正しいエアコンの節約方法とは?

「こまめにオンオフを繰り返す」「弱風運転」が節約にならない理由がおわかりいただけたと思います。

では、電気代節約のためには、どのような使い方が正解なのでしょうか。
それは自動運転にすること、さらに状況に応じたつけっぱなしです。

自動運転にする

自動設定では、設定温度に合わせるまでは電気代がかかりますが、設定温度になるとグンと電力がおさえられます。

温度を上げるのではなく温度を保つだけの運転に自動的にシフトする仕組みになっているからです。

だから、エアコンの電気代を節約するためには自動運転が正解と言えるのです。

弱風設定でジワジワ室内の温度を変えるよりも、自動運転ですぐに適温になったほうが、冷房時も暖房時も快適に過ごせえるメリットもあります。

室温と設定温度の差を少なくしてからオンする

室内温度を設置温度に近づけるときに、エアコンは最も消費電力を使います。

さらに、室内温度と設定温度の差が大きければ大きいほど、たくさんの消費電力が必要になります。

これにより電気代が上がることを回避するためには、室温と設定温度の差を少なくしてからエアコンをオンすることが大切です。

夏の帰宅後はエアコンをつける前に換気して部屋の熱気を放出してからエアコンをつけるようにしましょう。

冬は日光により温度が上がりやすくなります。冬の朝は、カーテンを閉めたままエアコンをつけるのではなく、カーテンを開けて日光の光を十分に入れてからオンしたほうが良いでしょう。

室温と設定温度の差を少なくする工夫をする

自動運転にしていて一度設定温度に達しても、また室温が変化する(夏は上がる、冬は下がる)と、エアコンは再び設定温度にするためにフル稼働することになります。

この消費電力を防ぐためには、室温と設定温度の差を少なくする工夫をすることです。
以下のような方法が効果的です。

サーキュレーター、扇風機を使う

温かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まる性質があるため、冷房時も暖房時も室内の温度はムラになりやすいです。

そこで空気を循環させるためのサーキュレーターや扇風機が役立ちます。

窓を遮断する

夏は窓から熱気が、冬は窓から冷気が入ってしまいます。

この予防策としては窓の遮断が有効です。遮光カーテンや遮熱カーテン、断熱シートを活用しましょう。

フィルター清掃をする

エアコンフィルターが汚れていると、エアコンの効果が低下します。

夏は温度が下がりにくく、冬は温度が上がりにくい状況になるのです。

定期的に清掃することで、エアコン効果を高めましょう。

室外機周りをきれいにしておく

室外機の周りをきれいにすることも重要です。室外機の吹き出し口に物が置いてあったり、草木があると熱交換が上手くできなくなります。

冷房効果、暖房効果が弱まってしまうので注意しましょう。

夏の室温を低くする工夫、冬の室温を高くする工夫についてはこちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

状況に応じてつけっぱなしにする

エアコン電気代節約のためには、自動運転にした上で状況に応じてつけっぱなしにすることがポイントです。

つけっぱなしにしたほうが良いケース、つけっぱなしにしないほうが良いケースを覚えておいてください。

30分程度ならつけっぱなしにする

30分程度部屋を離れるときには、エアコンのつけっぱなしが電気代節約になります。

ルームエアコンでおなじみのダイキン工業は、興味深い実験を実施しています。
(参考:DAIKIN)

24時間エアコンをつけっぱなしにしたケースと、30分ごとにオンオフを繰り返したケースの電気代を比較し、どちらの電気代が高くなるのか調査したのです。

その結果、24時間つけっぱなしにしたときの1日の電気代は435円、30分間隔でオンオフを繰り返したときの1日の電気代は645円となりました。

エアコンの場合は、使用時間と電気代が比例しないことが顕著に表れています。

1日12時間エアコンを使用すると想定すると、1日で105円、1ヶ月では3,150円もの違いが出る可能性があるのです。

1年(10カ月使用)で考えると30,150円の節約が見込めることになります。

30分程度であればオンオフをするのではなく、つけっぱなしにしましょう。

長時間使わないときはつけっぱなしにしない

オンオフばかりしていると余計な電気代が増えてしまいます。

しかし、長時間外出するときは仕事で1日中帰らないときはオフにしましょう。

オンのときに多くの電気代がかかることになりますが、人がいない数時間つけっぱなしにしている電気代よりは少ないでしょう。

タイマー機能を利用して、本当に必要な時間だけオンにすることが大切です。

室温と設定温度の差が少ないときはつけっぱなしにしない

つけっぱなしが節電に役立つ理由は、オンのたびにエアコンがフル稼働するのを防げることです。

そのため、室温と設定温度の差が少ない場合はつけっぱなしにしないことが節電に繋がると言えます。温度差が少なければ、オンのときにフル稼働する必要ありません。

逆にオンオフして使用時間を減らすほうが、節電効果が見込めるのです。

夏の夕方は涼しくなり設定温度と近くなります。冬の昼間も太陽光のおかげで暖かくなり設定温度と近くなります。

このようなときはつけっぱなしではなく、オンオフで節約に繋げましょう。

まとめ

今回は「エアコンは自動設定でつけっぱなしが節約に繋がる」ことについて、その理由や具体例をご紹介してきました。

オンオフを繰り返していたり、弱風設定で使っていると、無駄な電気代がかかってしまう可能性があります。

エアコンは電気代が高い家電製品なので、節約に繋がる正しい使い方を心掛けるようにしましょう。

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当貯金ブログの評価


82点
/100点中貯金ブログ採点
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度

私の場合(夫婦・子供2人)だと、のエアコン自動設定でつけっぱなしの節約方法で
30,150円/年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。

(計算値:エアコンをつけっぱなしにすることで1年▲30,150円)

エアコンは意外なことにつけっぱなしが節約に繋がります。オンオフを繰り返していると大きな損になってしまう可能性があるので、とても重要な節約法と言えます。