オール電化のご家庭の場合、電気代を節約するためには「電気を使う時間帯」を考える必要があります。
夜間に電気料金単価が安くなる料金プランを賢く利用することで、電気代節約効果が期待できます。
でも、電気料金を考えるのは難しそう、面倒そうと思ってしまいますよね。
そこで今回は簡単にできるオール電化の節約方法についてご紹介したいと思います。
「時間ごとに電気料金が違うプランがあることを知る」「大きな電力を使う家電製品を知る」「どの時間帯にどの家電製品を使っているか知る」ことで、簡単に電気代節約に繋げることができるのです。
節約しやすい電気料金プランにして、もっと上手に節約していきましょう。
オール電化の節約のために把握しておきたい3つのこと
「夜に電気を使ったほうがお得になるみたい」「オール電化なら料金プランを変えたほうが良いらしい」という知識があっても、詳しい内容がわからないと思います。
- 時間ごとに電気料金が違うプランがあることを知る
- 大きな電力を使う家電製品を知る
- どの時間帯にどの家電製品を使っているか知る
この3つを知ることができれば、夜間割引料金プランが自分にとって本当にお得なのか理解することができます。
時間ごとに電気料金が違うプランがあることを知る
「夜に電気を使うほうがお得なんでしょ」と思っている人は多いです。
ところが、実は正しい情報ではありません。
夜に電気を使うこと、イコール電気代が安くなるわけではありません。
夜間の電気料金割安プランになっているご家庭の場合にのみ、言えることなのです。
電力自由化によって、2016年以降、自由に電力会社を選べるようになりました。これにともない色々な料金プランを提供する電力会社が増え、自分に合った電力会社や料金プランを選択できるようになりました。
料金プランとは、時間帯ごとに電気料金単価が異なるというものです。
電気料金単価が高い時間帯と安い時間帯が設定されているため、安い時間帯に電化製品を使うことで1日の電気代を節約することができるのです。
朝の電気料金が割安になる料金プラン、休日が割安になる料金プランなどもありますが、夜間に割安になる料金プランが最も多く利用されています。
オール電化向けの夜間割引料金プランにする場合は、夜間蓄熱式機器を使うことで節約効果を高める仕組みになっています。
夜間蓄熱式機器は、夜間に通電してお湯を溜めたり、蓄熱しておき、そのお湯や熱を昼間に使うことを目的としている機器です。
エコキュート、電気温水器、蓄熱暖房機、蓄熱床暖房が夜間蓄熱式機器です。
オール電化でない場合でも、夜間蓄熱式機器を使っているなら、夜間割引料金プランにすることで節約効果が上がるでしょう。
大きな電力を使う家電製品を知る
夜間割引料金プランがあること、夜間蓄熱式機器を夜間に使うことで電気代節約になることがおわかりいただけたと思います。
でも「それなら夜間お得プランに変えてしまおう」とすぐに飛びついてしまうのはNG。
なぜなら、夜間の電気料金が安くなるかわりに、昼間の電気料金は高くなるからです。
全国平均の電気料金単価は27円です。
東京電力「夜トクプラン」は午後11時〜翌午前7時の電気料金が21.16円と安くなります。そのかわり、午前7時〜午後11時の電気料金は32.74円と高くなるのです。
夜間蓄熱式機器は夜間に使うことを前提としているので良いのですが、それ以外の電化製品は夜間だけでなく昼間にも使います。仮に昼間に使うほうが多く使う場合は、1日の電気代が跳ね上がってしまう恐れがあるのです。
あまり電気代が高くない電化製品なら影響はありませんが、電気代が高い家電製品の場合は、大きな違いが生まれます。
そこで大切なのが、大きい電力を使う電化製品を把握することです。
消費電力量が大きい家電製品を見てみましょう。
家電製品 | 消費電力量 |
エアコン | 暖房1700W、冷房1760W |
オーブンレンジ | レンジ レンジ1400W、グリル1350W |
ドライヤー | 1200W |
炊飯器 | 1180W |
食器洗い乾燥機 | 1100W |
掃除機 | 1100W |
洗濯乾燥機 | 洗濯850W、1190W |
1時間あたりの平均的な消費電力をまとめています。
やはり、エアコンは最も消費電力が高いです。オーブンレンジやドライヤーは、使用時間は短いですが、消費電力が高いので注意が必要です。
どの時間帯にどの電化製品を使っているのか知る
消費電力量が大きい家電製品がわかったら、それらの電化製品を昼間に使うことが多いのか、夜間に使うことが多いのか考えていきましょう。
専業主婦がいるご家庭でエアコンもオーブンレンジも洗濯乾燥機も昼間の時間帯に使う場合には、夜間お得プランにすることでかえって電気代が高くなる可能性があります。
共働きのご家庭で、エアコンも食器洗い乾燥機も洗濯乾燥機も夜間にしか使用しない場合には、夜間お得プランにすることで、大きく電気代を節約できる可能性があるのです。
オール電化の節約のためにするべき3つのこと
「時間ごとに電気料金が違うプランがある」「大きな電力を使う家電製品は何か」「どの家電製品をどの時間帯に使用しているのか」を把握することで、夜間お得プランが本当にお得なのかどうか見えてきます。
しっかり考慮した上で、夜間割引プランを検討してみてください。
しかしながら、夜間割引プランにしても、それだけでは不十分です
以下の3点を心掛けないと、節約効果が上がらないかもしれません。
- 電気料金が割高の時間帯、割安の時間帯を把握する
- 大きな消費電力の家電は夜間に使う工夫をする
- 家電製品の現在時刻をチェックする
電気料金単価が高い時間帯と安い時間帯を把握する
夜間の電気料金が安くなる場合、夜8時以降のプランや夜11時以降のプランなど様々です。当たり前のことではありますが、何時から電気代が安くなるのか把握しておくことが大切です。
「何を見れば確認できるかわならない…」という人もいるでしょう。
簡単に確認できる方法は、毎月送られてくる「電気代使用量のお知らせ」です。「ご契約種別」の覧を見てみてください。プラン名が記載されていると思います。
電力会社のホームページにはプラン内容が詳しく記載されています。割安の時間外、割高の時間帯がわかるでしょう。
この時間帯を把握せずに、割高な昼間時間帯に電化製品を使いすぎてしまうと、料金プランを変えた意味がなくなってしまうのです。
エコキュート、電気温水器、蓄熱暖房機、蓄熱床暖房、洗濯乾燥機などは、電気料金が割安な夜間時間帯に合わせて正しくセットするようにしましょう。
消費電力の大きい家電は夜間に使う工夫をする
消費電力の大きい家電は、できる限り夜の時間帯に使うことで節約効果が上がります。
どうしても時間をずらせない家電製品もありますが、食器洗い乾燥機や洗濯乾燥機などは時間をずらすことが可能です。
就寝前にスタートして、夜間の安い電気代を活用しましょう。
家電製品の現在時刻を確認する
夜間お得プランを活用するためには、使用する時間帯が重要ということを繰り返しお伝えしてきました。これを徹底するためには、家電製品の現在時刻を確認することが大切です。
停電などの影響により家電製品の現在時刻がずれていることが意外とあります。割安な夜間に設定したつもりでいても、実際には割高な時間帯に適用されているかもしれないのです。
1週間に1回は現在時刻を確認する習慣をつけましょう。
夜間割引料金プランによる節約額は?
オール電化の節約のために把握すべきこと、オール電化の節約のためにすべきことをご説明してきました。
オール電化で、夜間に利用する家電製品が多いご家庭の場合、夜間割引プランにすることで節約が期待できます。
実際には、いくらぐらいの節約が見込めるのでしょうか。
東京電力の「夜トクプラン」を例に考えてみます。7:00〜23:00の電気料金が32.74円、23:00〜7:00の電気料金はと21.16円となります。
それぞれの家電製品を午後11時~翌午前7時の時間帯に使った場合、通常プランの電気料金27円(全国平均の電気料金)ならいくらになるのか、「夜トクプラン」の20.16円ならいくらになるのかを比較してみたいと思います。
消費電力は暖房1700W、冷房1760W。
夜間時間帯に2時間使用した場合、27円の電気料金では暖房時1.7kWh×27円×2時間=91円、冷房時1.76kWh×27円×2時間=95円になります。
21.16円の電気料金では暖房時1.7kWh×21.16円×2時間=75円、冷房時1.76kWh×21.16円×2時間=74円になります。
消費電力はレンジ1400W、グリル1350W。
夜間時間帯に15分使用した場合、27円の電気料金ではレンジ時1.7kWh×27円×0.25時間=11円、グリル時1.76kWh×27円×0.25時間=11円になります。
21.16円の電気料金ではレンジ時1.7kWh×22.16円×0.25時間=8円、オーブン時1.76kWh×21.16円×0.25時間=9円になります。
消費電力は1200W。
夜間時間帯に30分使用した場合、27円の電気料金では1.2kWh×27円×0.5時間=16円になります。
21.16円の電気料金では1.2kWh×22.16円×0.5時間=12円になります。
消費電力は1100W。
夜間時間帯に1時間使用した場合、27円の電気料金では1.1kWh×27円×1時間=29円になります。
21.16円の電気料金では1.1kWh×22.16円×1時間=23円になります。
消費電力は1100W。
夜間時間帯に30分使用した場合、27円の電気料金では1.1kWh×27円×0.5時間=14円になります。
21.16円の電気料金では1.1kWh×22.16円×0.5時間=11円になります。
消費電力は洗濯850W、乾燥1190W。
夜間時間帯に洗濯1時間、乾燥2時間使用した場合、27円の電気料金では洗濯時0.85kWh×27円×1時間=22円、乾燥時1.19kWh×27円×2時間=64円。合計で86円になります。
21.16円の電気料金では洗濯時0.85kWh×21.16円×1時間=17円、乾燥時1.19kWh×21.16円×2時間=50円。合計で67円になります。
消費電力は1180W
夜間時間帯に1時間使用した場合、27円の電気料金では1.18kWh×27円×1時間=31円になります。
21.16円の電気料金では1.18kWh×22.16円×1時間=24円なります。
以上の結果を表にまとめてみましょう。
家電製品 | 27円の場合 | 21.16円の場合 | 節約額 |
エアコン(暖房) | 91円 | 71円 | 20円 |
エアコン(冷房) | 95円 | 74円 | 21円 |
オーブンレンジ(レンジ | 11円 | 8円 | 3円 |
オーブンレンジ(グリル) | 11円 | 9円 | 2円 |
ドライヤー | 16円 | 12円 | 4円 |
食器洗い乾燥機 | 29円 | 23円 | 6円 |
掃除機 | 14円 | 11円 | 3円 |
洗濯乾燥機 | 86円 | 67円 | 19円 |
炊飯器 | 31円 | 24円 | 7円 |
それぞれの家電製品の節約額を合計すると、1日当たり85円節約することが見込めます。
この金額を単純に365日で計算すると、1年あたり31,025円もの節約が見込めることになるのです。
さらに多くの家電製品を使った場合、使用時間が多い場合は、もっと大きな節約が期待できます。年間の電気代が大きく変わる可能性があります。
まとめ
今回はオール電化の節約方法の一つとして、夜間割安の電気料金プランを活用した節電方法をご紹介してきました。
時間ごとに電気料金が違うプランがあること、夜間に使う電化製品が多いなら夜間お得プランにすることで電気代節約が見込めるのです。
電気料金を変えるのはハードルが高そうと思っている人もいるかもしれませんが、把握すべきことがわかれば難しいものではありません。
電化製品を同じように使っていても、電気代をぐんと節約できる可能性があります。一度検討してみてください。
電気代を節約するためには電気切り替えがおすすめ。自分に合った電力会社、そして料金サービスを選ぶことで年間の電気代を賢く削減することが見込めます。電力会社を比較するのが面倒なら電気料金比較サイトが便利。当貯金ブログおすすめは、電気チョイスです。
85点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
私の場合(夫婦・子供2人)だと、この夜間お得電気料金プランの節約方法で
31,025円/年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:夜間お得電気料金プランを活用することで1年▲31,025円)
時間帯を工夫するだけで電気代を大きく削減できる可能性があるため、おすすめ度が高いです。一度プランを変えてしまえば節約が続くので、検討する価値があるでしょう。