きれいな熱帯魚には人を癒す効果があります。自宅で楽しめる自分だけのアクアリウムはとても素敵ですよね。
でも、熱帯魚を飼うための水槽には結構電気代がかかってしまいます。
「可愛い熱帯魚のためには仕方ない…」と諦めているかもしれません。
もしくは、「節約生活のためには、熱帯魚を飼うのは無理があるのかしら…」と思っているかもしれません。
しかし、水槽のヒーターの電気代を抑えることで、水槽にかかる電気代節約に繋がります。年間約5,000円の節約も期待できるでしょう。
水槽の電気代が高くなる原因はヒーターとあると言っても過言ではありません。
今回は水槽のヒーターを中心に、水槽にかかわる電気代を抑えるための節約方法をご紹介していきたいと思います。
水槽はヒーターの電気代が高い
熱帯魚を育てるためには、水槽の電気代が結構かかります。
大切な熱帯魚のためだから仕方ないとそのままにしておくと、いつまで経っても電気代を減らすことはできません。
水槽の電気代の内訳は?
水槽の電気代が高い理由は、ヒーターの電気代が高いからです。
それでは、具体的にどれくらい高いのでしょうか。水槽にかかるそれぞれの電気代を比較してみたいと思います。
熱帯魚の水槽にかかる電気代は一般的に4つ。
フィルター、照明、ヒーター、冷却ファンです。
実際の製品を例に、1年間にかかるそれぞれの電気代を計算してみたいと思います。
電気代は全国平均の電気料金27円で計算しています。
熱帯魚が快適な環境で過ごせるように、水槽の水は常にきれいな状態にしておかなければなりません。食べ残しや糞による水の汚れを防ぐために、水槽フィルターが必要になります。
人気の水槽用フィルター「テトラ オートワンタッチフィルター AT-30」の電気代を計算してみましょう。
消費電力は2.5W。
1時間の電気代は0.0025kWh×27円=0.0675円です。1日24時間使用したとすると1ヶ月0.0675円×24時間×30日=48円になります。1年では576円です。
(参考:テトラ オートワンタッチフィルター AT-30)
24時間使用しても約500円ということで、ほとんど電気代がかからないことがわかります。
水槽用照明は熱帯魚をさらに美しく見せてくれます。光の当て方によって、水槽の見え方は全く違うものになるでしょう。照明はおしゃれな演出のために欠かせないアイテムと言えます。
人気の3色LED「ジェックス クリアLED パワーIII 600 60cm 水槽用3色LED」の電気代を計算してみましょう。
消費電力は17.5W。
1時間の電気代は0.0175kWh×27円=0.4725円です。1日12時間使用したとすると1ヶ月0.4725円×12時間×30日=340円になります。1年では2,040円です。
(参考:ジェックス クリアLED パワーIII)
照明はあまり電気代がかからないイメージがありますが、フィルターの電気代の4倍ほどになります。
熱帯魚であっても、夏の暑さに耐えることはできません。
熱帯魚が好む水温は26度前後です。夏場は外気の影響で水温がそれ以上に上がってしまうため、冷却ファンを使う必要があります。
一般的な冷却ファン「テトラ 25℃クールファン CFT-30」の電気代を計算してみましょう。
消費電力は2.7W。
電気代は0.027kWh×27円=0.729円です。1日12時間使用したとすると1ヶ月0.729円×12時間×30日=262円になります。6月~8月の夏場に使用したとすると、1年で786円です。
(参考:テトラ 25℃クールファン CFT-30)
熱帯魚を育てるためには温かい水が必要になります。そのため、冬場は夏以上に温度調節が重要です。温度を上げるためのヒーターがフル稼働することになります。
一般的なヒーター「テトラ (Tetra) 水槽 26℃ミニヒーター 100W」の電気代を計算してみましょう。
消費電力は100W。
1時間の電気代は0.1kWh×27円=2.7円です。1日12時間使用したとすると1ヶ月2.7円×12時間×30日=972円になります。ヒーターは10月~3月に使用するのが一般的です。1年では5,832円の電気代がかかることになります。
水槽の水を温めるだけで年間5,000円以上の電気代がかかるのです。
(参考:テトラ 25℃クールファン CFT-30)
改めて、フィルター、照明、冷却ファン、ヒーターの電気代を比較してみましょう。
消費電力 | 使用時間 | 1ヶ月の電気代 | 1年の電気代 | |
フィルター | 2.5W | 24時間 | 48円 | 576円 |
照明 | 17.5W | 12時間 | 170円 | 2,040円 |
冷却ファン(夏場) | 2.7W | 12時間 | 262円 | 786円 |
ヒーター(冬場) | 100W | 12時間 | 972円 | 5,832円 |
このように、水槽の1年の電気代を比較してみると、ヒーターの電気代がダントツで高いことがわかります。
ヒーター電気代の4つの節約方法
水槽の電気代のほとんどがヒーターであることがわかりました。
水槽の電気代を節約するカギは、ヒーターの節約にあるのです。
4つの水槽ヒーター節約方法をご紹介していきましょう。
水槽の大きさを見直す
水槽ヒーターは、50W、100W、150W、300Wとワット数が違います。
ワット数とは消費電力のことです。ということは、ヒーターの消費電力を抑えるためには、ワット数が低いヒーターを使えば良いように思います。
ところがそうではありません。
水槽ヒーターは、水槽の大きさに応じたワット数のものが必要なのです。
水槽の大きさに対してワット数が低いと水温が上がりにくくなってしまいます。そのため水温を上げるための時間が長くなり、かえって電気代が高くなることもあるのです。
水槽の大きさと、それに応じたワット数の目安は以下のようになります。
水槽の大きさ | ワット数 |
30cm | 50W |
45cm | 100W |
60cm | 150W |
90cm | 300W |
120cm | 500W |
大きな水槽になればなるほど高いワット数が必要となります。
つまり、水槽ヒーターの電気代を節約したいなら、水槽の大きさを見直してみれば良いのです。
45㎝の水槽に必要なヒーターのワット数は100Vです。1時間の電気代は0.1kWh×27円=2.7円。1日12時間使用した場合の1ヶ月の電気代は、2.7円×24時間×30日=972円になります。
30㎝の水槽に必要なヒーターのワット数は50Vです。1時間の電気代は0.05kWh×27円=1.35円。1日12時間使用した場合の1ヶ月の電気代は1.35円×12時間×30日=486円になります。
10月~3月の6カ月ヒーターを使用すると考えてみましょう。
45㎝の水槽を30㎝の水槽に変えた場合、年間2,916円節約することが期待できるのです。これは大きな違いです。今の水槽サイズが少し大きすぎるなら、ぜひ1サイズ小さくすることを検討してみてください。
ヒーターの種類を見直す
水槽ヒーターは、機能の違いにより3つのタイプに分かれています。
機能が違うことで、かかる電気代も変わってきます。
より電気代がかかりにくい種類のヒーターに買い換えることで、節約効果が上がるでしょう。
温度調整することができないタイプのヒーターです。
一定の水温に設定することしかできません。
電気代は比較的安い傾向にあります。
熱帯魚に適した26℃の水温設定になっているのが一般的です。
27℃~30℃が適温とされている熱帯魚を飼う場合には適していませんが、26℃が適温とされる熱帯魚を飼うなら十分の水槽です。
温度調節することができるタイプのヒーターです。
加温するための「ヒーター」と温度計測をするための「サーモスタット」が一体になった構造をしています。
電気代は温度固定オートヒーターに比べるとやや高い傾向にあります。
温度調節することができるタイプのヒーターです。
温度可変一体化ヒーターとは異なり「ヒーター」と「サーモスタット」が別々になった構造をしています。
「ヒーター」「サーモスタット」のどちらかの機能が壊れた場合、その部分だけを交換することができるというメリットがあります。
しかし、電気代は比較的高いというデメリットがあるのです。
このように、電気代を少しでも節約したいのであれば、温度固定オートヒーターがおすすめです。
26℃の水温が適した一般的な熱帯魚だけを飼うという場合には、温度固定オートヒーターが良いでしょう。
水温の保温性を高める
ヒーターの電気代を節約するためには「保温」がとても大切です。
水温が低いと、水温を上げるためにヒーターの稼働頻度が上がります。
ヒーターの稼働頻度が上がるということは、電気代も上がることになります。
このヒーターの稼働頻度を下げるためには、水温を一定に保てれば良いのです。
水温の保温性を高める工夫をすることで、電気代節約を目指しましょう。
熱帯魚の水槽にはガラス製とアクリル製のものがあります。
ガラス製の水槽は透明度が高く、傷が付きにくいため人気があります。
しかし、保温性が高いのはアクリル製の水槽です。
ガラスは熱伝導率が高いため、周りの温度の影響を受けやくなります。ガラス製の水槽は、部屋の温度が寒いと水温も下がりやすくなってしまいます。
一方アクリル製は、温度変化が緩やかになりヒーターの稼働頻度を減らすことができるのです。
電気代の節約を重視したい場合には、アクリル製の水槽がおすすめです。
水槽の周りを断熱材で覆うことで、保温性が高まります。
様々なものが断熱材として使用できます。
断熱シート、発泡スチロール、段ボール、新聞紙でも効果があります。
その中でもおすすめは100均の工作用発泡スチロールです。水槽のサイズに合わせてカットして、ジャストサイズの断熱材を作ることができます。
リーズナブルに簡単に作れるところが嬉しいです。
断熱材を準備したら、どこを覆うか考えます。
水槽全体を覆えば保温性が高まりますが、せっかくの熱帯魚が見えなくなってしまいます。普段は、左右、背面、底面を覆うのがベターです。
見た目が気になるなら、水中ステッカーや水中ポスターなどを貼ると良いでしょう。
そして、夜や外出時には水槽全体を覆う工夫をします。
水槽をすっぽりと覆うような発泡スチロールの箱も用意しておきましょう。発泡スチロールの箱はホームセンターで買うことができますが、スーパーなどで貰えることもあります。
寝る前、外出前には、発泡スチロールの箱をかぶせておけば、一層保温性を高めることができるでしょう。
節約のためには自作がおすすめですが「うまく作れないし面倒…」と思うなら、以下のような水槽のサイズに合わせた既製品もあります。
割高になるデメリットはありますが、とても便利なアイテムです。
(画像引用:charm オールガラス水槽対応省エネウォール エコルノ90 Ecorno 3面タイプ 90cm水槽用)
水槽の蓋を開けたままにしておくと水温が下がりやすくなります。
シチューを作ったとき、お鍋の蓋を開けておくと中のシチューはすぐに冷めてしまいます。でも、蓋をしておくとなかなか冷めません。これと同じことが言えるのです。
水槽の蓋をして水温を下げないようにすることで、電気代節約に繋げましょう。
既製品のガラス蓋もありますが、おすすめはアクリル板で自作する方法。
ガラス製の水槽よりアクリル製の水槽のほうが、保温性が高いという説明をしましたが、蓋も同様にアクリル製にすることで保温性が高めることができるでしょう。
ホームセンターで売っているアクリル板をカットして作ることができます。
隙間があると意味がありません。しっかり密封できるようにジャストサイズの蓋を準備してください。
水槽に蓋をすることで、熱帯魚が飛び出る危険を防ぐこともできるのでおすすめです。
水槽の置き場所も重要です。
玄関などの寒い場所に水槽を置いておくと、どんなに保温の工夫をしても水温は低い状態になってしまいます。そしてヒーターの稼働頻度が上がってしまうのです。
冬場はリビングなどの暖かい場所に水槽を置いて、保温性を高めましょう。
また、外出するときに熱帯魚が置いてある部屋の扉を閉めておくこともポイントです。外出中でエアコン暖房を切っていても、しっかり扉が閉まっていれば温かさが保たれます。逆に扉を開けっぱなしにして出かけてしまうと、すぐに部屋の温度が下がり、水槽の水温も下がることになるのです。
暖かい空気を逃がさないように心掛けましょう。
低い温度で育つ熱帯魚にする
最後にご紹介するのは、水槽ヒーターの電気代を節約しやすい種類の熱帯魚を選ぶという節約方法です。
一般的な熱帯魚は26度前後の水温を好むとされていますが、もっと低温でも生きることができる熱帯魚もいます。
以下の熱帯魚は15℃~22℃ほどの水温で生きることができるとされています。低温でも育つ熱帯魚を飼うことは、ヒーターの電気代を大幅に節約できる可能性があるのです。
赤い尾ひれが美しいコイ科の淡水魚です。
低温水に強く、繁殖や飼育しやすい熱帯魚として人気が高いです。
ヒーターなしでも育つと言われています。
鮮やかで光沢のある姿が魅力のシクリッド科の淡水魚です。
生命力が強い熱帯魚としても有名です。
黒い縞模様がかっこいいカラシン科の淡水魚です。
古くから人気の高く、飼いやすい熱帯魚です。
照明電気代の2つの節約方法
水槽にかかる電気代の中で最も高いのがヒーターです。そこでヒーターの電気代節約術をご紹介してきました。
さらに、ヒーターの次に電気代がかかっている照明の電気代の節約方法も考えていきたいと思います。
水槽を明るい所に置く
暗い場所に水槽を置いておくと、1日中照明をつけることになってしまいます。
日当たりの良い場所、照明の当たる場所など明るい場所に水槽を置くことで、水槽照明がなくても熱帯魚を美しく見せることができるでしょう。
明るい場所に置けば水の保温性も高まるため、水槽ヒーターの電気代を節約に役立つでしょう。
明るい色の砂利を選ぶ
水槽に敷く砂利を明るい色にすることで、照明がなくても明るくなります。
白い砂利が定番ですが、ピンクやブルーなどの明るい色の砂利と合わせることで、華やかな雰囲気を演出することできるのでおすすめです。
熱帯魚の色に合わせて砂利や海藻の色を選んでカスタマイズすれば、一層魅力的な空間を作ることができるでしょう。
このように照明がなくても明るい水槽を作ることができれば、照明の電気代を丸ごと節約することができます。先ほどご紹介した照明の年間の電気代は2,040円でした。
年間2,040円の電気代節約を目指しましょう。
今回は、熱帯魚の水槽の電気代節約法について考えてきました。
熱帯魚の水槽にかかる電気代は、フィルター、照明、冷却ファン、ヒーターです。この中で一番電気代がかかるのがヒーターです。冬場しか使わないにも関わらず、年間10,000円以上になることもあります。水槽の電気代をおさえたいなら、まず水槽ヒーターの電気代節約法を実践してみてください。さらに、ヒーターの次の電気代が高い照明も節約できればなお良いでしょう。賢く節電しながら、自分だけのアクアリウムを楽しんでくださいね。
電気代を節約するためには電気切り替えがおすすめ。自分に合った電力会社、そして料金サービスを選ぶことで年間の電気代を賢く削減することが見込めます。電力会社を比較するのが面倒なら電気料金比較サイトが便利。当貯金ブログおすすめは、電気チョイスです。
62点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
私の場合(夫婦・子供2人)だと、この水槽の電気代の節約方法で
4,956円/年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:水槽の大きさを変えることで1年▲2,916円、照明を使わないことで1年▲2,040円)
水槽のヒーターの使い方を工夫することで、上記金額以上の節約を期待することができます。冬場の電気代削減に繋がるのでおすすめです。