湿度が10%上がると、体感温度が1℃上がると言われています。
東京電力によると、約60%の人が梅雨時期や夏のじめじめした時にリビングの除湿を行っているデータが出ています。
カラっと快適な室内にするため、洗濯物を乾かすため等、除湿している人はとても多いのです。
除湿に使われるのは除湿機とエアコン除湿です。
最近の除湿機やエアコンの除湿機能は高機能なので、じめじめした季節を快適に過ごすことができます。
しかし便利な反面気になるのは「電気代が高いのでは?」ということ。
今回は除湿に関する電気代について考えていきたいと思います。
除湿の電気代を節約するためには、除湿機とエアコンクーラーの除湿(ドライ)の種類を知ることにあります。
除湿機には3つの種類があります。エアコンクーラーの除湿機能も実は2つに分かれているのです。
それぞれの特徴を知った上でうまく使い分けることができれば、無駄な電気代をカットできるでしょう。
じめじめした日を快適に過ごしながら、電気代もしっかり節約していきましょう。
除湿機の電気代は?
一口に除湿機と言っても、実はタイプが分かれています。
コンプレッサー式、デシカント式、そしてハイブリット式と3つのタイプが存在します。そして、タイプごと電気代が異なるのです。
各タイプの特徴、そして気になる電気代を比較してみます。
電気代は全国平均の27円で計算してみたいと思います。
コンプレッサー式
空気の中にある水分を冷却すると結露が発生します。この結露を取り除くことで部屋の除湿を行うのがコンプレッサー式除湿機です。
部屋の中にある湿った空気を冷やして水滴に変えながら取り除いていく仕組みです。
メリットは、温度上昇が少ないので、夏や梅雨の時期に効果的なところです。
消費電力が比較的少ないところもメリットと言えます。
逆に冬には向いていないというデメリットがあります。
また、本体が大きい、音が大きいという使い勝手も悪さもあります。
電気代は?
コンプレッサー式除湿機(8畳~16畳用)の消費電力は175Wです。
1時間あたりの電気代は、0.175kWh×27円=4.7円になります。
1日5時間使用した場合の電気代は、1日23円、1ヶ月690円です。
デシカント式
デシカント式除湿機は、吸着性に優れたデシカントという乾燥剤に空気中の水分を吸着させ、ヒーターの熱で乾いた空気を放出するものです。
メリットは、冬でも除湿力が低下しないので1年中使えるところです。本体がコンパクトで音が静かなところもメリットになります。
デメリットは消費電力が比較的高いところです。
ヒーターを使用しているため、多くの電力を必要とするからです。
電気代は?
デシカント式除湿機「(6畳~13畳用)の消費電力は590Wです。
1時間あたりの電気代は、0.59kWh×27円=15円になります。
1日5時間使用した場合の電気代は、1日75円、1ヶ月2,250円です。
ハイブリット式
コンプレッサー式とデシカント式の両方の機能を搭載した除湿機がハイブリット式です。
コンプレッサー式のメリットである夏に強い除湿能力と、デシカント式のメリットである冬に強い除湿能力をあわせ持っています。
季節によって使い分けることができるのがメリットです。
本体が大きなこと、本体価格が高いことがデメリットです。
消費電力は、コンプレッサー式とデシカント式の間ほどになります。
電気代は?
ハイブリット式除湿機(11畳~23畳)の消費電力は225Wです。
1時間あたりの電気代は、0.225kWh×27円=6円になります。
1日5時間使用した場合の電気代は、1日30円、1ヶ月900円です。
除湿機の電気代節約方法は?
「コンプレッサー式」「デシカント式」「ハイブリット式」の電気代の違いについてご説明してきました。
除湿機の種類 | 消費電力 | 時間の電気代 | 日の電気代 | 1ヶ月の電気代 |
コンプレッサー式 | 175W | 4.7円 | 23円 | 690円 |
デシカント式 | 590W | 15円 | 75円 | 2,250円 |
ハイブリット式 | 225W | 6円 | 30円 | 900円 |
このように、電気代が安い傾向が「コンプレッサー式」、電気代が高い傾向が「デシカント式」、その間にあるのが「ハイブリット式」となっています。
除湿機の電気代を節約する方法は、それぞれの特徴と電気代を考慮して選ぶことです。
夏場しか除湿機を使わないのであれば、コンプレッサー式が節約に繋がるでしょう。
冬場にも洗濯物を乾かしたい、冬の結露対策をしたいのであればハイブリット式がおすすめです。
しかし、コンプレッサー式とハイブリット式は本体が大きいなどのデメリットもあることも覚えておきましょう。
デシカント式からコンプレッサー式に変えることで、1ヶ月の電気代が1,560円削減できる可能性があります。
エアコンのクーラーの除湿(ドライ)の電気代は?
除湿機の電気代をおさえるコツについてご説明してきました。
しかし除湿機には一つ問題があります。
それは室温を下げる能力はないことです。
デシカント式の除湿機はヒーターによる熱も放出されるので室内の温度が上がることもあります。
それほど室温が高くない夏の日や梅雨時期には、除湿機だけで過ごすことができます。
しかし、室温が高い日は除湿機だけでは暑くなってしまうのでエアコンクーラーも併用することになるでしょう。
エアコンが温度を下げて、除湿機が湿度を下げるW使いをすれば快適な室内環境を作ることができます。
でも、電気代が非常に高くなってしまうので節約的ではありません。
節約するなら、暑い日にはエアコンクーラーの除湿(ドライ)を使うと良いでしょう。
エアコンの除湿は電気代がかかるイメージを持つ人が多いですが、冷房よりも電気代がかからないケースもあるのです。
エアコンクーラー除湿(ドライ)と冷房の違い
東京電力がエアコン除湿についてアンケートを行いました。
「メインの除湿方法は?」では1位がエアコン除湿で45.2%、2位は除湿機で5.6%となっています。ところが、ほとんどの人が除湿対策にエアコンを使っているにも関わらず、エアコン冷房と除湿の仕組みや特徴について正しく認識していない傾向にあるということがわかったのです。
エアコンの除湿と冷房の違いを知ることで、エアコンク除湿(ドライ)の電気代の節約法がわかるでしょう。
エアコンの除湿は、弱冷房除湿機能と再熱除湿機能が搭載されていることがほとんどです。
この2つの除湿機能、さらに冷房にはどんな違いがあるのでしょうか。特徴と電気代の違いを比較していきましょう。
冷房
エアコン冷房は温度を下げるための機能です。
エアコンが部屋の空気を吸い込み、その中にある熱を取り除き外に排出します。熱が取り除かれて冷たくなった空気は部屋に戻される仕組みになっています。
短時間で温度も湿度も大きく下げることができます。
電気代は1時間11円。弱冷房除湿と再熱除湿の間になります。
1日8時間使用した場合、1日88円、1ヶ月2,640円です。
弱冷房除湿
エアコン除湿は湿度を下げるための機能です。
エアコンが部屋の空気を吸いこみ、その空気を冷やすことで結露が発生します。
結露は外に排出され、水分が取り除かれた空気は部屋に戻される仕組みになっています。
水分が取り除かれてちょっとだけ冷たくなった空気は、室内に戻されることになります。
だから湿度を下げると同時に、室温を下げることもできるのです。
しかし、その名の通り「弱い冷房」なので、空気の冷やし方は冷房に比べて弱いです。除湿機能も低めとなっています。
電気代は1時間4.1円となり、最も安いです。
1日8時間使用した場合、1日32円、1ヶ月960円です。
再熱除湿
従来のエアコンの除湿は弱冷房除湿だったのですが、室温が低くなりすぎないように開発されたのが、再熱除湿機能です。
エアコンリモコンには「カラッと除湿」「さらら除湿」などというスイッチがあると思います。これが再熱除湿機能です。
部屋の湿度を下げつつ、温度は下げないようにするのです。水分が取り除かれて冷やされた空気は再び暖められます。その上で室内に戻されるので寒くなりません。
その名の通り「再度熱する」ため、電気代は最も高くなります。1時間14.9円です。
1日8時間使用した場合、1日119円、1ヶ月3,570円です。
エアコンクーラー除湿(ドライ)と冷房の節約法
冷房、弱冷房除湿機能、再熱除湿機能は、簡単に言うと空気を冷やすことで部屋の温度と湿度を下げる仕組みであることがわかりました。
ところが、3タイプとも以下のように電気代は大きく異なります。
温度 | 湿度 | 1時間 電気代 |
1日 (8時間) |
1ヶ月 | |
冷房 | とても下がる | とても下がる | 11円 | 88円 | 2,640円 |
弱冷房除湿 | やや下がる | やや下がる | 4.1円 | 32円 | 960円 |
再熱除湿 | あまり下がらない | 下がる | 14.9円 | 119円 | 3,570円 |
除湿にかかる電気代をおさえたいなら、状況に応じてこの3つの除湿を使い分けることが大切なのです。
温度も湿度も下げたい場合:エアコン冷房
蒸し暑いときは冷房が良いでしょう。
起床時、帰宅時に、モヤっとした部屋をすぐにカラッと涼しくしたい時もエアコン冷房がベストです。
エアコン弱冷房除湿だと温度も湿度も冷房ほどは下がりません。
強いパワーで除湿運転することになってしまうので、かえって電気代が上がる可能性があります。エアコン冷房の自動運転が最も節約的と言えます。
また、再熱除湿は温度が下がりにくいので蒸し暑い日には向いていません。
軽く除湿したい場合:エアコン弱冷房除湿
暑さはそれほどなく、軽く除湿をしたいときには弱冷房除湿が良いでしょう。
軽く除湿するときに冷房や再熱除湿にすると、必要のない無駄な消費電力を使うことになるので注意してください。
最も電気代がかからないので、長時間使うときにも弱冷房除湿がおすすめです。
1日中つけっぱなしにするとき、洗濯を乾かすときには弱冷房除湿が良いでしょう。
除湿だけしたい場合:エアコン再熱除湿
じめじめしているけれど肌寒いときには再熱除湿が良いでしょう。
梅雨の時期にぴったりの除湿です。湿度が高くて寝苦しい夜にも再熱除湿がおすすめです。就寝中の冷えすぎ防止になるでしょう。
まとめ
このように、状況に応じて冷房と除湿を使い分けることが節約に繋がります。
最も電気代が安いのは弱冷房除湿です。温度、湿度ともにそれほど下げる必要がないときには弱冷房除湿で節電対策をしましょう。
再熱除湿から弱冷房除湿に変えることで、1ヶ月2,610円の節約が期待できます。
快適な生活を送るためには温度だけでなく湿度も重要です。
梅雨時期やじめじめした日には除湿機やエアコンクーラー除湿が欠かせません。
でもやはり電気代はかかってしまいます。そこで今回は、除湿機とエアコン除湿(ドライ)の節約法について考えてきました。
節約のポイントは、除湿機とエアコンクーラー除湿のタイプ別機能と電気代を知ることです。
その上で、状況に応じて節約していくことが大切です。ジメジメした季節は長く続きます。
節約を意識せずに除湿していると電気代が急に上がってしまうかもしれません。
賢い除湿使い分けをして節約していきましょう。
電気代を節約するためには電気切り替えがおすすめ。自分に合った電力会社、そして料金サービスを選ぶことで年間の電気代を賢く削減することが見込めます。電力会社を比較するのが面倒なら電気料金比較サイトが便利。当貯金ブログおすすめは、電気チョイスです。
85点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
私の場合(夫婦・子供2人)だと、この除湿機とエアコン除湿の節約方法で
4,170円/1カ月 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:デシカント式除湿機からコンプレッサー式除湿機に変えることで1年▲1,560円、エアコン再熱除湿からエアコン弱冷房除湿に切り替えることで1年▲2,610円)
除湿方法をちょっと変えただけで1ヶ月4,000円以上の節約が期待できるのでおすすめ度は高いです。今の除湿方法が節約できているか否かチェックしてみてください。