毎日無意識に使っている照明器具ですが、電気代はどうなっているのでしょうか。
照明器具は消費電力が少ないイメージがあるかもしれませんが、意外と電気代がかかっています。今回は、見落としがちな照明器具の電気代節約方法について考えていきたいと思います。
照明の節約方法として高い効果が期待できるのが、LED照明に変えることです。でも、白熱電球や蛍光灯でも節約できる使い方もあります。
毎日何時間も使っている照明器具の電気代節約をして、年間の電気代をおさえていきましょう。
照明器具の電気代は意外と高い
様々な家電製品がある中で、照明器具はそれほど電気代がかからないと思われがちです。
エアコンや冷蔵庫やテレビなどは電気代がかかると思われていますが、照明器具はそれほど電気を使わないイメージがあります。
ところが、照明器具の電気代は決して低くはありません。
以下をご覧ください。
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁)
少し前の資料になりますが、経済産業省が発表した2009年度の世帯当たりの電気使用量です。1位は電気冷蔵庫の14.2%、2位は照明器具の13.4%となっています。
電気使用量を比較すると、テレビやエアコンよりも高い数値が出ているのです。
毎日無意識に使い続けていると、全体の電気代を上げる原因にもなり兼ねません。
照明器具の電気代は?
照明器具の電気代は意外と高いことがわかりました。
それでは、実際に1ヶ月どれくらいの電気代がかかっているのでしょうか。
実は照明器具の電気代は、使っている照明器具の種類によって大きくことなります。電気代がかかりやすい照明器具、電気代がかかりにくい照明器具があるのです。
照明器具には、白熱電球、蛍光灯、LED照明と3つのタイプに分かれます。
それぞれ特徴が違うため、電気代も異なるのです。
詳しくご説明していきます。
白熱電球とは?
昔ながらの電球が白熱電球です。
電流によりフィラメントという細い線が熱くなり、一定の温度に達すると光を発する仕組みになっています。フィラメントは、摩擦熱により熱くなる仕組みになっています。
あたたかく優しい灯りが魅力です。
インテリアにこだわりたい人から支持され続けているライトでもあります。
ボール球、レフランプ、クリプトン球など、様々なタイプの白熱電球があり、サイズも豊富です。
すぐにパッと点灯するので、トイレや廊下の照明として使いやすい電球です。
電球1つの値段が安いところもメリットと言えます。40Wの電球の場合100円~200円ほどで購入することができます。
しかし、他の照明器具に比べて電気代が高い、寿命が短いところがデメリットです。
蛍光灯とは?
一般的な照明と言えるのが蛍光灯です。
蛍光灯は白熱電球よりも複雑な構造をしています。
電極に電流を流すと熱が発生します。そしてフィラメントから熱電子が蛍光管内に放出されて放電する仕組みです。さらに放電による電子が水銀電子とぶつかり紫外線を発します。この紫外線が蛍光物質に照射されて光を放つ仕組みになっています。
形は丸型、直管型、電球型など様々。
点灯するまで少し時間がかかることがデメリットと言えます。
白熱電球よりも約6倍の寿命になっており、電気代も白熱電球の約4分の1におさえることができます。
LEDとは?
LEDは省エネ効果が高いとして人気の照明器具です。
LEDは白熱電球や蛍光灯のようにフィラメントを利用しません。電気を直接光に変える仕組みになっています。電気が効率的に光に変わるため、消費電力が少なくなる仕組みになっているのです。
白熱電球は10%の発光と90%の発熱なのに比べ、LEDは70%発光と30%発熱となっています。電力を光に変換する能力の高さが、省エネ効果の理由なのです。
丸型、直管型、電球型など様々な形があります。
魅力は寿命が長いことと、消費電力が少ないことです。
寿命は約4万時間とされており、1日10時間使用したとしても10年以上使えることになります。白熱電球の寿命と比べると20倍以上にもなるのです。
さらに消費電力が少ないため、白熱電球の約7分の1の電気代になります。
発熱が少ないので、あまり熱くなりません。植物や食べ物に熱があたる心配がないこともメリットです。
加えて、紫外線を含まないために虫が寄ってこないという魅力もあります。
デメリットとしては購入価格が高いということが挙げられますが、最近は低価格の製品も販売されるようになってきています。
LEDに変えることが節約に繋がる
白熱電球、蛍光灯、LEDの特徴と電気代についてご説明してきました。
電気代をおさえるためには省エネ効果抜群のLED照明がおすすめです。
それでは、実際にどれらくらいの違いが生まれるのでしょうか。
白熱電球、蛍光灯、LEDの電気代比較
白熱電球、蛍光灯、LEDの具体的な電気代を比較してみたいと思います。
全国平均の電気料金27円で計算します。
白熱電球60Wの消費電力は60Wです。
1時間あたりの電気代は0.06kWh×27円=1.6円になります。
1日10時間使うと、1日あたりの電気代は16円、1ヶ月では480円、1年では5,760円になります。
60W相当の蛍光灯の消費電力は11Wです。
1時間あたりの電気代は0.011kWh×27円=0.29円です。1日10時間使用すると想定します。1日あたりの電気代は2.9円、1ヶ月では87円、1年では1,044の電気代になります。
60W相当の蛍光灯の消費電力は9Wです。
1時間あたりの電気代は0.009kWh×27円=0.24円です。1日10時間使用すると、1日あたりの電気代は2.4円、1ヶ月では72円、1年では864円になります。
このように白熱電球を基準に比較すると、蛍光灯は約5分の1になります。LEDは約7分の1の電気代で済むのです。
白熱電球からLEDに変えることで大きな電気代節約が期待できます。
60W電球1つ変えるだけで1年4,896円も節約できる可能性があるのです。
さらに、もっと具体的に照明器具の節約額を考えてみましょう。
3LDKの家の場合、リビング、キッチン、寝室などに5つの蛍光灯(8畳用86W)を使用していたとしましょう。さらに、玄関、玄関ポーチ、廊下、トイレ、お風呂などに6つの白熱電球(60W)を使用していたとします。
それぞれ1日10時間使用したと仮定して、1日の照明器具合計の電気代を算出してみましょう。
蛍光灯の合計は0.086kWh×27円×10時間×5=116円です。
白熱電球の合計は0.06kWh×27円×10時間×6=97円です。
1日の電気代は213円になります。1ヶ月では6,390円、1年では76,680円ということになります。
これを全てLEDに変えた場合を計算してみましょう。
8畳用のLEDの消費電力は35.8Wです。1日の電気代は0.0358kWh×27円×10時間×5=48円です。
60W相当のLEDの消費電力は9Wです。1日の電気代は0.009kWh×27円×10時間×6=14円です。
1日の電気代は62円になります。1ヶ月では1,860円、1年では22,320円ということになります。
LEDに変えることで、年間54,360円も節約が期待できるのです。
照明器具の節約方法として効果的なのは、LED照明に変えることと言えるでしょう。
LEDに変える以外の節約方法もある
白熱電球と蛍光灯をLED照明に変えることが、電気代節約につながるでしょう。
しかしこの節約方法には、LED照明の購入価格が高いという問題があります。最近は低価格のLED照明も販売されるようになってきましたが、家中の照明を全てLEDに変えるとすると初期費用がかかることになるでしょう。
そこで、LED照明に変える以外の節約方法も考えていきたいと思います。
こまめに消す
電化製品は電源を入れるときに大きく電力を使います。照明もスイッチを入れて点灯するときに大きな電力を必要とします。
そのためスイッチをオンオフすることは電気代の無駄遣いになる可能性があります。
ところが、これは数分ごとのオンオフの場合です。数分部屋を離れるたびに、電気をつけたり消したりするのは電気代の無駄になるでしょう。
しかし、10分以上部屋を離れる場合はこまめに消すことが節約に繋がります。
消し忘れがないようにタイマー機能などを活用するのもおすすめです。
玄関ポーチには、近づいたときだけ点灯する人感センサー搭載の照明も良いでしょう。
調光機能を使う
調光とは、光を調節することです。
青白い昼光色、オレンジ色の電球色などがあります。
白熱電球、蛍光灯、LED照明ともに、調光機能を活用することが節約に役立ちます。
同じLED電球の場合でも、昼光色は60W相当の明るさで9W。電球色は40W相当の明るさで6.6Wにとなります。
1日10時間使用した場合、昼光色の場合は0.009kWh×27円×10時間=2.4円です。電球色の場合は0.0066×27円×10時間=1.7円です。
年間では256円の節約になります。
白熱電球の場合は、明るさを60%にした場合、消費電力は約20%削減されます。
60Wの白熱電球なら48Wの消費電力におさえることができます。
60Wの場合の1日の電気代は0.06kWh×27円×10時間16.2円です。
48Wの場合の1日の電気代は0.048kWh×27円×10時間12.9円です。
年間では1,204円の節約が見込めます。
家中の照明の超高機能を活用することで、さらに年間の節約額が高くなるでしょう。
料理や勉強するときは昼光色、食事のときは電球色にするなどと使い分ける工夫をしましょう。
スイッチ一つでできる簡単な節約法と言えます。
掃除をする
調光することで少し薄暗く感じるかもしれません。その対策として有効なのが、掃除をすることです。
ランプ本体や、カバーなどに埃や汚れがついていると、明るさが低下してしまいます。きれいに掃除することで明るさが一気に変わる可能性があります。
電球色でも快適に過ごせるようにこまめに掃除をしましょう。
照明の掃除をするために必要なものはハンディモップ、雑巾、掃除機です。ハンディモックがなければ乾いた雑巾でもOK。
照明を掃除する際には、絶対に電源を切ってから作業します。感電しないようにするためです。
ランプが熱い場合は冷めるまで待ってから作業しましょう。
- まずハンディモップでランプ本体、カバーの埃を拭き取ります。
- 次にぬれた雑巾でランプ本体、カバーを拭きます。
- 最後に乾いた雑巾でランプ本体、カバーを乾拭きして終了です。
埃が床に落ちることがあるので、掃除機で吸い取ってください。
2カ月に1回を目安に掃除すると良いでしょう。
主電源オフにする
照明器具はリモコン操作でオンオフしたり光の調整ができるものがあります。リモコン操作ができると便利な反面、待機電力がかかります。
使わないときは、主電源を切ることが大切です。
照明の主電源とは壁にあるスイッチのことです。消すときにはリモコンではなく壁のスイッチを切る習慣にしましょう。
まとめ
今回は、照明器具にかかる電気代について考えてきました。
あまり電気代がかからないイメージがありますが、実は電気代全体の多くを占めています。
照明器具は白熱電球、蛍光灯、LED照明と様々。省エネ効果抜群のLED照明に変えることで、大きく節約することができるでしょう。
初期費用がかかるデメリットはありますが、寿命が長いため一度買い替えてしまえば頻繁に交換する必要がなくなるでしょう。
さらに、こまめに消す、調光機能を使う、掃除をすることで節約効果を高めてください。
電気代を節約するためには電気切り替えがおすすめ。自分に合った電力会社、そして料金サービスを選ぶことで年間の電気代を賢く削減することが見込めます。電力会社を比較するのが面倒なら電気料金比較サイトが便利。当貯金ブログおすすめは、電気チョイスです。
75点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
私の場合(夫婦・子供2人)だと、この照明の節約方法で
60,716円/年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:白熱電球1つをLEDに変えることで1年▲4,896円、家中の照明をLEDに変えることで1年▲54,360円、LEDの調光で1年▲256円、白熱電球の調光で1年▲1,204円)
LED照明に変えるためには初期費用がかかるので、少しハードルの高い節約法になりますが、ランニングコストを考えるとおすすめ度が高いです。LED照明は寿命も長いので、頻繁に買い替える面倒さもありません。