「今月もガス代が高い…」と悩んでいませんか?
ガス代の大半を占めているのはお風呂です。毎日の疲れをとってくれるお風呂は、とても重要なものです。
ガス代が高いからと言ってお風呂に入らないわけにはいきません。
でも、心地良くお風呂に入りながらも、工夫次第でガス代節約することができます。
「追い炊き」「設定温度」「お湯の量」「シャワーの使い方」「プロパンガス」など、様々な方法で節約することが可能です。
一度節約する習慣がつくと、節約効果がずっと続きます。ぜひ今回の内容をガス代節約に役立ててください
お風呂のガス代は高い
総務省のデータによると、2019年の二世帯以上の1ヶ月の全国平均ガス代は4,852円です。
このガス代の大半を占めるのはお風呂です。
実際に、お風呂にはどれくらいのガス代がかかっているのでしょうか。
お風呂にかかるガス代は、浴槽に入れるお湯とシャワーのお湯です。
浴槽1杯のガス代は約80円
浴槽1杯のガス代は「湯量×上昇させる温度÷(ガスの燃焼量×給湯器の熱効率)×ガス単価」で求めることができます。
浴槽1杯のお湯の量は200L、上昇させる温度は25℃、ガス燃焼量は東京ガスの10,750kcal/㎥、給湯器の熱効率は80%、ガス代単価は東京ガスの145.31円で計算します。
200L×25℃÷(10,750kcal/㎥×0.8)×145.31円=約84円です。
冬は夏に比べて水温が低くなるので、上昇させる温度が大きくなります。また、ガス単価はガス会社によって異なるため、目安として参考にしてください。
当節約ブログでは、浴槽1杯のガス代は約80円と考えたいと思います。
シャワー1分のガス代は4.8円
シャワーを1分出しっぱなしにしていると12Lのお湯が出ます。
浴槽200Lのお湯にかかるガス代は約80円なので、12Lのガス代は約4.8円ということになります。
1回のお風呂で使うシャワー時間は、平均約10分です。
つまり、一人が1日に使うシャワーのガス代は4.8円×10分=48円になります。
4人家族の場合、1日にかかるお風呂のガス代は、80円+(48円×4人)=272円になるのです。1ヶ月なら8,160円にもなるのです。
やはり、お風呂のガス代はしっかり節約していく必要があります。
お風呂のガス代節約方法
お風呂にかかるガス代は高いことがわかりました。逆に言えば、無駄なガス代を使っている可能性があるので、効率良く節約できるかもしれません。
以下のような節約方法を実践すれば、高いガス代をおさえられるでしょう。
追い炊きを減らす
お風呂のガス代が高くなる原因は追い炊きにあります。
冷めたお湯をすぐに暖かくしてくれる追い炊き機能はとても便利ですが、使いすぎるとガス代が高くなります。
この追い炊きの使い方を工夫することが、ガス代節約のカギになるのです。
1回の追い炊きにはどれくらいのガス代がかかるのでしょうか。
追い炊きのガス代は「湯量×上昇させる温度÷(ガスの燃焼量×給湯器の熱効率)×ガス単価」で算出することができます。
浴槽1杯あたりの湯量は200Lです。追い炊きする場合の熱効率は75%です。
季節によって異なりますが、2時間浴槽のお湯を放置すると約5℃下がります。
つまり、1回の追い炊きのガス代は、200L×5℃÷(10,750kcal/㎥×0.75)×145.31円=18円です。
家族4人がバラバラにお風呂に入る場合、3回追い炊きをするとしましょう。1日54円のガス代がかかることになります。1ヶ月では1,620円、1年では19,440円ものガス代がかかることになります。
1日3回の追い炊きを1日1回に減らすことができれば、年間12,960円の節約が見込めます。
4人家族が2時間の間隔でお風呂に入ってしまうと、1日54円ものガス代がかかってしまいます。
これを防ぐためには、とにかく間隔を空けずに家族がお風呂に入ることです。特に冬は一気にお湯が冷めてしまうので要注意です。
帰宅時間によってどうしても遅い時間にしかお風呂に入れない人がいるなら、その人に合わせてお風呂に入るようにしましょう。
追い炊きをしないためには、家族が続けてお風呂に入ることが必須です。
でも小さいお子様は夕方に入れて、旦那さんは夜遅く入るなどと、どうしても続けて入ることができないご家庭も多いでしょう。
その場合は、できるだけお湯が冷めない工夫をしましょう。
例えば5℃下がっている場合の追い炊きのガス代は18円ですが、3℃下がっている場合は10円になります。
お湯が冷めないようにするためには、蓋をするのが一番です。閉め忘れることがないように家族で徹底しましょう。
また、アルミ保温シートを使うのもおすすめです。ホームセンターや通販で500円程度で購入できます。
お湯を覆うようにして水面に浮かべておくだけで、保温効果が発揮されます。
追い炊きより入れ替えをする
お風呂節約方法として問題になるのが「毎日お湯を入れ替えるべきか?前日のお湯を追い炊きして使うか?」ということです。
おそらく、前日のお湯を追い炊きして使ったほうが節約になると考える人が多いと思います。
実際にガス代を比較してみたいと思います。
入れ替え、追い炊きのガス代は「湯量×上昇させる温度÷(ガスの燃焼量×給湯器の熱効率)×ガス単価」で計算できます。
入れ替えと追い炊きのガス代計算をする上で変わるのは「熱効率」と「上昇させる温度」です。
「上昇させる温度」は入れ替えるときの水道の温度も、翌日の残り湯の温度もほぼ同じと考えて良いでしょう。しかし寒い時期は水温は10℃、残り湯は15℃などと、残り湯の温度のほうが高い傾向にあります。
「熱効率」は、入れ替えの場合は80%、追い炊きの場合は75%になるため、他の条件が同じであれば、追い炊きのほうがガス代は高くなります。
水道温度と残り湯の温度がどちらも15℃の場合、水道の温度が10℃、残り湯の温度が15℃の場合のガス代を計算してみましょう。
入れ替えのガス代は、200L×25℃÷(10,750kcal/㎥×0.8)×145.31円=84円です。
追い炊きのガス代は、200L×25℃÷(10,750kcal/㎥×0.75)×145.31円=90円です。
追い炊きよりも、入れ替えのほうが節約になることがわかります。
入れ替えのガス代は、200L×30℃÷(10,750kcal/㎥×0.8)×145.31円=100円です。
追い炊きのガス代は、200L×25℃÷(10,750kcal/㎥×0.75)×145.31円=90円です。
入れ替えのほうが、追い炊きよりも節約になることがわかります。
このように、追い炊きをしたほうが節約になると思われがちですが、水道と残り湯の温度が変わらない季節には、入れ替えのほうが節約になるのです。
冬場で水道の水がとても冷たく、一方でお風呂のお湯はまだ少しぬるい程度であれば、追い炊きをしたほうが節約になります。
しかし、それ以外は入れ替えのほうが節約につながるでしょう。
また、残り湯には衛生的ではないという問題もあります。
残り湯には体から出た汚れが含まれています。入る前のお風呂1mLあたり数十個程度だった菌数が、入った後には数千個にもなるのです。
抵抗力の弱いお子様やお年寄りのいるご家庭では、お風呂は入れ替えるほうが良いでしょう。
水道の水が冷たくお風呂のお湯がぬるい時以外は、追い炊きよりも入れ替えのほうがガス代節約になることがわかりました。
しかし「入れ替えのほうが水道代がかかるから節約にならないのでは?」と思うでしょう。
確かに、浴槽の残り湯を捨てて入れ替えするより、浴槽の残り湯を使って追い炊きしたほうが水道代はかかりません。
でも、ガス代節約、衛生面から考えると入れ替えのほうが良いでしょう。
水道代も節約するためには、浴槽のお湯を捨てずに活用すれば良いのです。
1つ目は、シャワーではなく浴槽のお湯を使う節約法です。
家族で最後に入る人は、先に浴槽に入って体を暖めてから体を洗います。このとき、シャワーは使わずに浴槽のお湯で体を流します。
シャワー10分で使うお湯の量は120L、お風呂1杯のお湯の量は200Lです。シャワーを使わずにお風呂のお湯を使えば、半分以上使うことになります。
2つ目は、残り湯を洗濯に使う節約法です。
浴槽に残った半分のお湯は、翌日洗濯で使いきれば、入れ替えにより水道代が無駄になる心配がなくなります。
設定温度を下げる
お風呂、シャワーのお湯を今までと同じように使っていても、設定温度を下げるだけでガス代節約になります。
シャワーを1分使うと12Lのお湯を使います。このお湯の温度を1℃下げると約0.2円のガス代が節約できるのです。
4人家族の場合、シャワー12L×10分×4人=と、浴槽1杯200Lのお湯が使われているとしましょう。使われているお湯の量は680Lです。
これを1℃下げると11.3円のガス代を節約する見込みがあります。1ヶ月では339円、年間では4,068円になります。
冬の寒い時期に設定温度を下げすぎるのは、風邪を引いてしまうかもしれないのでおすすめしません。
でもそれ以外の時期は設定温度を1~2℃下げても問題はないでしょう。
無理のない程度で設定温度を下げて、節約効果をアップさせてください。
浴槽の量を減らす
浴槽には200Lものお湯が入っています。200Lのお湯を沸かすためには80円ものガス代がかかっています。この量を減らすことがガス代節約になります。
浴槽のお湯を半分に減らすことができたら、1日40円のガス代を浮かすことができます。1ヶ月なら1,200円、1年では14,400円の節約が期待できるのです。
浴槽のお湯を半分にするために効果的な方法は半身浴です。
半身浴とは下半身だけお湯に浸かること。美容、ストレス、冷え性などに良いと言われている入浴方法なのです。
お腹のあたりまでお湯があれば良いので、浴槽のお湯を半分にすることができます。
「上半身が寒くない?」と思うかも知れませんが、半身浴は少しぬるめのお湯に30分ほど浸かるのが目安です。だから、下半身だけでも全身がポカポカ温かくなります。
また上半身を濡らさないこともポイントです。上半身が濡れてしまうと、冷えやすくなってしまいます。下半身だけにかけ湯をして浴槽に入りましょう。
さらに肩にフェイスタオルなどをかけておくと冷えにくいのでおすすめです。
シャワーの使い方を工夫する
シャワーを1分間出しっぱなしにしていると12Lものお湯が流れています。これにかかるガス代は約4.8円です。
一人が一回の入浴で使うシャワーの時間は約10分とされています。1回あたり48円ものガス代がかかっているのです。
何も考えずに使ってしまうと、無駄なガス代がかかる可能性があります。
以下のような工夫をしてシャワーにかかるガス代を節約していきましょう。
最近のシャワーヘッドには止水ボタンがついています。お湯を蛇口で出したり止めたりするのではなく、手元の止水ボタンを押すだけでお湯を出したり止めたりできるのです。
わざわざ蛇口の手を伸ばすのは面倒なのでつけっぱなしにしがちですが、手元でワンタッチ操作できるとこまめに止めるようになります。
止水ボタンを活用し、使わないときにはこまめに止める習慣をつけましょう。
洗う順番を変えることで、使うお湯の量を一気に減らすことができます。
ほとんどの人が、シャンプーをしてシャワーで流す、コンディショナーをしてシャワーで流す、洗顔をしてシャワーで流す、体を洗ってシャワーで流すと、4回シャワーを使っていると思います。
しかし、シャンプー、洗顔、体を続けて洗い、その後の一気にシャワーで流せば、3回のシャワーを1回に減らすことができます。最後にコンディショナーだけをして流せば良いのです。
一気に洗ってしまうほうが時短にもなるのでおすすめです。
節約のために浴槽にお湯は入れず、シャワーだけでお風呂を済ませる人もいるでしょう。
しかし、浴槽に浸かることは様々な効果があります。
血流がアップして疲れがとれやすくなる「温熱作用」、むくみ解消などに効果的な「静水圧作用」、筋肉をリラックス状態にする「浮力作用」、毛穴が開き汚れがとれやすくなる「清浄作用」、免疫アップにつながる「蒸気、香り作用」などがあるとされています。
そのため、シャワーだけでなく浴槽にゆっくり浸かることが大切なのです。
浴槽にお湯を入れても、その分シャワーを使う量を減らせば良いのです。
家族4人がバラバラにお風呂に入る場合、最初に入る人がお風呂のお湯を使ってしまうと次の人が少ないお湯に入ることになってしまいます。
でも最後の人ならお湯を使い切っても良いでしょう。
最後に入る人は、先に浴槽に浸かって体を暖めてから、浴槽のお湯を使って体を洗うようにしましょう。最後の人のシャワー(10分間)使用をなくすことができれば、1回あたり48円のガス代を節約することが期待できます。1ヶ月では1,440円、1年では17,280円の節約が見込めます。
シャワーのガス代を効率良く節約できる便利グッズがあります。
シャワーヘッドから出るお湯の量を減らしガス代、水道代を節約できる節水シャワーヘッドです。
お湯が出る穴を減らしたり小さくして、出るお湯の量を約30%カットしています。水圧を上げることで、少ない量のお湯でも満足できる浴び感を実現しているのです。
ホームセンターや通販で5,000円前後で購入することができます。蛇口付近にあるINAX、LIXIL、TOTOなどのメーカーを確認し、同じメーカーの節水シャワーヘッドを購入しましょう。
自分で簡単に交換することができます。シャワーヘッドをくるくる回して外し、節水シャワーヘッドをくるくる取り付けるだけ。工具などは不要です。
1日4人が10分ずつシャワーを使うと、192円のガス代がかかります。これを30%カットできれば約57円の節約が見込めるでしょう。
1ヶ月なら1,710円、1年なら20,520円の節約が期待できます。
プロパンガスを切り替える
ここまでお風呂にかかる具体的なガス代についてご説明してきました。
しかし、これまでの金額は都市ガスの場合で計算しています。
あなたの家がプロパンガスをお使いならば、もっと高い金額が予想されます。
今回は東京ガスの金額を参考にしています。1㎥あたりのガス単価は145.31円です。
一方、東京のプロパンガスの1㎥あたりのガス代平均は488円です。プロパンガスは都市ガスの約2倍の熱量なので、都市ガス145.31円に対するプロパンガスのガス代は244円ということになります。
つまり、都市ガスの1,67倍のガス代がかかるのです。
さらに、プロパンガスは自由料金市場なので、もっと高いガス単価の会社も多いです。
ガス会社の検針票の従量料金を確認してみてください。488円を目安として、それより極端に高い場合は高いプロパンガス会社である可能性があります。
その場合は、プロパンガス会社を切り替えることが、一番のガス代節約方法でしょう。
プロパンガスの会社切り替え方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。ご参考ください。
ガス代が高いとお悩みの場合、もしかしたら高いガス会社を利用していることが原因かもしれません。ガス会社は自由に選ぶことができます。安いガス会社に切り替えれば年間5万円の節約が見込めます。ガスチョイスを利用すれば簡単に切り替えができるのでおすすめです。
まとめ
お風呂にかかるガス代は、光熱費の中でも大きな金額になっています。
健康面、衛生面からお風呂に入らないわけにはいきません。でも、上手く節約することができれば年間のガス代を大幅に節約することが期待できます。
お風呂、シャワーにかかるガス代は様々な角度から節約することができます。
今回は、追い炊き、設定温度、お湯の量、シャワーの使い方、プロパンガスの節約方法をご紹介してきました。ぜひ参考にしてみてください。
80点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
私の場合(夫婦・子供2人)だと、このプロパンガスやシャワー温度、追い炊きの技の節約方法で
69,268円/年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:追い炊きを減らす節約方法で1年▲12,960円、設定温度を1℃下げる節約方法で1年▲4,068円、浴槽を半分にする節約方法で1年▲14,440円、浴槽のお湯を使う節約法で1年▲17,280円、節水シャワーヘッドの節約方法で1年▲20,520円)
上記の貯金力の金額は様々な節約方法の合計金額です。でも、一つの節約方法を実践しただけでも、かなり節約が期待できます。お風呂のガス代は大きな出費なので、ぜひ賢く節約していきましょう。