今回は、炊飯器や食洗器の電気代を知った上で、年間どれくらい節約することができるか考えていきたいと思います。裏技を使うといくら節約することができるでしょうか。
炊飯器の電気代について
毎日欠かさす使う炊飯器は1日どれくらいの電気代がかかっているのでしょうか。
炊飯器は、ご飯を炊く時と保温する時に電気代が発生します。
「1回の炊飯時」「1時間あたりの保温時」の電気代を計算してみましょう。
3つのタイプの炊飯器の電気代について
炊飯器は大きく3つのタイプに分かれています。
加熱方式の違いにより「マイコン炊飯器」「IH炊飯器」「IH圧力炊飯器」があります。
それぞれの炊飯器の特徴と電気代について見ていきましょう。
ZOJIRUSHIの5.5合炊き用の3つのタイプの炊飯器を比較してみます。
電気代は全国平均の電気料金27円で計算しています。
電気代に違いはあるのでしょうか。
底にあるヒーターから釜に熱を伝えるタイプの炊飯器。
IHのタイプに比べて熱の強さが劣るのですが、低価格で購入できるのが魅力です。水に
浸す時間が短いため、固めに炊き上がるのが特徴。固めのご飯がお好みの方にはおすすめの炊飯器となっています。
・ZOZIRUSHIマイコン炊飯器「マイコン炊飯ジャー 極め炊き/NL-DS10」
1回あたりの炊飯時消費電力量は162Whです。電気代は0.162kWh×27円=4.3円となります。
1時間あたりの保温時消費電力量は16.8Whです。電気代は0.0168kWh×27円=0.43円となります。
(参考データ:象印)
電気を使い加熱するタイプの炊飯器。お釜全体に強い火力でむらなく熱を伝えることができるのが特徴です。マイコン炊飯器よりも弾力のあるご飯が炊けるのが魅力です。搭載されている機能によって価格は様々となっています。
・ZOZIRUSHI IH炊飯器「IH炊飯ジャー 極め炊き/NP-HG10」
1回あたりの炊飯時消費電力量は172Whです。電気代は0.172kWh×27円=4.6円となります。
1時間あたりの保温時消費電力量は15.1Whです。電気代は0.0151kWh×27円=0.4円となります。
(参考データ:象印)
圧力をかけながら電気を使い加熱するタイプの炊飯器。高温で炊き上げることができ、お米の芯まで水分が浸透するため、もちもちで食感の良いご飯が炊けるのが特徴です。冷えたご飯でも美味しさが保たれるというメリットもあります。
・ZOZIRUSHI圧力IH炊飯器「圧力IH炊飯ジャー 極め炊き/NW-JU10」
1回あたりの炊飯時消費電力量は149Whです。電気代は0.149kWh×27円=4.0円となります。
1時間あたりの保温時消費電力量は15.8Whです。電気代は0.0158kWh×27円=0.42円となります。
(参考データ:象印)
3つの炊飯器の電気代を表にまとめてみましょう。
1回あたりの炊飯時 1時間あたりの保温時
電力量 電気代 電力量 電気代
- マイコン炊飯器 162Wh 4.3円 16.8Wh 0.43円
- IH炊飯器 172Wh 4.6円 15.1Wh 0.4円
- 圧力IH炊飯器 149Wh 4.0円 15.8Wh 0.42円
このように、3つのタイプともに、1回あたりの炊飯時にかかる電気代は約4円、1時間当たりの保温時にかかる電気代は約0.4円であることがわかりました。
節電の観点から、どのタイプの炊飯器も同レベルということになります。
使い方の違いによる炊飯器の電気代の違いについて
炊飯器はタイプの違いによって電気代の違いがないことがわかりました。
5.5合炊きの炊飯器も場合は、1回あたりの炊飯時にかかる電気代は約4円、1時間当たりの保温時にかかる電気代は約0.4円を目安に考えれば良いでしょう。
それでは、この電気代を使い方の違いによって考えてみたいと思います。
1日に1回朝に炊いて夜まで保温する場合と、1日に朝と夜に炊いて保温しない場合ではどのような違いが生まれるのでしょうか。
1回あたりの炊飯時にかかる電気代は4円、12時間当たりの保温時にかかる電気代は0.4×12時間=8.8円です。
年間にすると3,212円になります。
1回あたりの炊飯時にかかる電気代は4円なので、2回炊いた場合には8円の電気代がかかります。
年間にすると2,920円になります。
このように、1日に1回炊いて12時間保温するよりも、1日2回炊く方が若干ですが電気代が安くなることがわかりました。
朝に炊いたご飯を保温して夜食べるよりも、夜に炊きたてのご飯を食べたほうが美味しいです。電気代も安くなるというメリットがありますので、できるだけ保温機能は使わずに食べる時に食べる分だけ炊くようにしましょう。
炊飯器の電気代節約方法について
炊飯器の電気代についてご説明してきました。
ここからは、この電気代を考慮した上で節約する方法をご紹介していきたいと思います。
1日にまとめて1回だけ炊く
1日1回炊いて12時間保温するよりも、1日2回炊いて保温機能を使用しない方の電気代がかからないことをご説明してきました。
それでは、もっと電気代を節約する方法はないのでしょうか。
それは1日にまとめて1回炊いて、かつ保温機能も使わない方法です。
炊飯器は炊く量によって電気代に違いはほとんどありません。そのため、1度にたくさん炊いてしまった方が節約になるのです。
朝に1日分の量を炊いてしまって、夜の分は冷蔵保存しておくのがおすすめです。
夜に食べる時にレンジ加熱すれば、保温したご飯よりも炊きたてに近い美味しさになるでしょう。
電子レンジは1分あたり最大でも0.5円にしかなりません。2分加熱したとしても1円にしかならないのです。
1回あたりの炊飯時にかかる電気代は4円です。さらにレンジ加熱の電気代1円がかかったとしても1日5円の電気代におさせることができます。
朝に炊いて12時間保温した場合は1日8.8円の電気代がかかるので、1日3.8円の節約、年間1,387円の節約が期待できるでしょう。
すぐに食べない時には、冷凍保存しておくのもおすすすめ。冷凍ご飯が溜まってきたら、1日ご飯を炊かずに冷凍ご飯をレンジ加熱して食べましょう。1日分の炊飯の電気代を節約することができます。
使わない時はプラグを抜いて
炊飯器は保温していなくても、待機電力が発生しています。
使わない時にはプラグを抜いて待機電力を節約しましょう。
資源エネルギー庁のデータによると、1日に7時間保温して、プラグを差し込んだままの場合と、保温せずにコンセントからプラグを抜いた場合では、年間45.78kWhの節電、年間約1,240円の節約になるとしています。
(参考データ:資源エネルギー庁)
タイマーを正確に合わせる
炊飯器はタイマー機能を使うと便利です。朝食や夕食の時間に合わせてタイマーをセットしている方は多いでしょう。
しかし、このタイマーの設定時間が正確でないと無駄に保温時間がかかることになります。
炊飯器は炊きあがった後、自動的に保温状態になります。
毎朝6時にタイマーをセットしていても、実際に食べ始める時間は7時~8時になってしまう場合、無駄に保温状態が2~3時間生じていることになるのです。
タイマー時間はきちんと食べ始める時間に合わせて設定することが節電に繋がります。
そして、炊きあがったらすぐに電源を切り、保温状態にならないようにしましょう。
1日3時間の保温時間をカットすることができれば、1日0.4×3時間=1.2円、年間で438円の節約になるでしょう。
早炊きよりエコモードを使う
炊飯器は炊き方によってコースが選べるようになっています。
節電できるコースを選ぶことで、電気代を削減していくことができるでしょう。
そこで注意したいのが「早炊き」と「エコモード」です。
「早炊き」もしくは「高速」モードは、標準モードよりも大幅に時間が短縮されます。浸水→炊き上げ→蒸らしの工程の時間を少しずつ短縮しているのです。そのため節電になると思って使っている方も多いでしょう。
ところが「早炊き」は、時間を短縮するかわりに消費電力を多く必要とします。そのため標準モードより1回あたり4円ほどですが、早炊きにすると1回あたり5円ほどになるとされています。
一方「エコモード」は少ない消費電力で浸水→炊き上げ→蒸らしの工程を行うため、1回あたり3円ほどにおさえることが一般的です。
節約するコツは「早炊き」ではなく「エコモード」ということを覚えておきましょう。
新しい炊飯器に買い替える
古いタイプの炊飯器をお使いの場合、電気代が多くかかっていることがあります。
新しい炊飯器は省エネ率が高くなっているため、同じような使い方をしても自然と節約できる仕組みになっているのです。
資源エネルギー庁は、IH5.5合以上8合未満の一般的な炊飯器の年間の消費電力量の推移をまとめています。このデータによると、2010年の炊飯器の年間の消費電力量は90.8kWhです。全国平均の電気料金27円で計算すると、年間2,451円の電気代がかかります。
一方2016年の炊飯器の年間の消費電力量は80.4kWhです。年間2,170円となり、281円の節約になることがわかります。
もっと古いタイプの炊飯器をお使いの場合、さらに最新の省エネ率の高い炊飯器に買い替えた場合には、年間の節約額がもっと大きくなるでしょう。
食洗器の電気代について
次に考える節電は食洗器についてです。
食器洗いの手間と時間を省いてくれる食洗器は非常に便利な家電です。
しかし、便利な反面電気代がかかるのでは…と心配になる方も多いはず。
食洗器の電気代と節電方法について考えていきたいと思います。
食洗器と手洗いではどちらが節約になるの?
食洗器の電気代について考える前に、そもそも食洗器と手洗いではどちらが節約になるのか考えてみたいと思います。
食洗器は洗浄や乾燥に電気代がかかるため、手洗いをした方が節約になると思う方が多いと思います。
ところが、実は食洗器を使った方がトータル的に手洗いよりも節電になるのです。
その理由は、手洗いのほうが洗剤を泡立てながら使うため、食洗器よりも水が必要になるからです。食洗器は高濃度の洗剤液を使用するので少ない水で洗うことができます。さらに少ない水を噴水のようにして洗浄するため手洗いよりも少ない水で洗えるのです。
Panasonicの調べによると、手洗いをした場合は洗剤約9.6ml+ガス代約0.17㎥+水道約757Lがかかるのに対し、食洗器の場合は洗剤約5g+電気代約770Wh+水道約11Lがかかるとしています。
これにより、手洗いするよりも食洗器の方が年間18,700円も節約になるというのです。
このデータは4~5人家族の場合で、1回に洗う食器の量は、食器40点、小物20点を想定しています。これより少ない人数、1回に洗う食器の量が少ない場合には節約額が変わってきますが、目安として食洗器は手洗いよりも節約になるということが言えるでしょう。
(参考データ:Panasonic)
食洗器の電気代の内訳について
食洗器は、水道代やガス代などを考慮すると手洗いよりも節約になることがわかりました。
それでは気になる電気代はどれくらいかかっているのでしょうか。
食洗器にかかる電気代は「洗浄」「乾燥」に分かれます。
Panasonicの「食器洗い乾燥機 NP-TZ100」を例に電気代を考えてみたいと思います。
(参考データ:Panasonic)
1回あたりの洗浄にかかる電力量は65wです。1時間あたりにすると0.065kWhとなります。洗浄にかかる時間は50分なので約0.052kWhとなり、全国平均の電気料金27円で計算すると、1回あたり1.4円の電気代がかかることになります。
1回あたりの洗浄にかかる電力量は1100wです。1時間あたりにすると1.1kWhとなります。洗浄にかかる時間は30分なので約0.55kWhとなり、全国平均の電気料金27円で計算すると、1回あたり14.85円の電気代がかかることになります。
食洗器の電気代節約について
食洗器の電気代の内訳についてご説明してきました。
食洗器は洗浄する場合には1回あたり1.4円しかかかりませんが、乾燥をすることで1回あたり16円になることがわかりました。1日2回使用した場合、年間で11,680円の電気代がかかることになります。
この食洗器の電気代のカラクリを考慮した上での節約方法や裏ワザをご紹介してきたいと思います。
余熱で乾燥させる
食洗器の電気代がかかる原因は洗浄ではなく乾燥です。
思い切って、この乾燥の電気代を節約してみましょう。
食洗器は高温で洗浄するため、洗浄後の余熱で乾燥させることが可能です。乾燥機能を使うよりも時間がかかりますが、十分カラリと乾かすことができます。
1日に2回使用している場合、乾燥機能を使わない裏ワザを使うことで、1日あたり29.7円、1年で10,840円も節約することが期待できます。
まとめ洗いをする
食洗器は1回あたり16円ほどの電気代がかかります。
多くのご家庭が、朝と夜に食洗器を使っていると思いますが、これを1回にすることができれば年間で5,840円の節電が見込めます。
たくさんの食器であっても、あらかじめ予洗いして汚れを落としておくときれいに洗浄することができます。
1日の洗いものを夜にまとめて洗うようにすることで節電に務めましょう。
洗剤は入れすぎない
洗剤を多く入れた方がきれいに洗えると思う方は多いと思います。
ところが無駄に洗剤を入れてしまうと、余分に電気代がかかる原因になります。洗剤や水道代も無駄になることになるでしょう。
決められた量以上の洗剤は入れないことが節約になることを覚えておいてください。
電気代の安い時間帯に使用する
食洗器を使う時間を工夫することも節電になります。
例えば、東京電力の「夜トク8」の場合、午後11時~午前7時までの電気料金単価が1kWhあたり20.78円、午前7時~午後11時までは1kWhあたり32.14円となります。
このような夜間に安い電気料金プランである場合には、夜間に食洗器を使うことで電気代を節約しましょう。
1回あたりの食洗器の電力量は0.6kWhです。
夜間に使用すれば12.4円、昼間に使用すれば19.2円になり6.8円の差が出ます。年間にすると2,482円の節約が期待できるのです。
今回は毎日使用する炊飯器と食洗器の電気代について考えてきました。電気代について知ることで、効率良く節電する方法が見えてきます。具体的にいくらの節電が見込めるかご紹介してきました。
今回ご紹介した電気代を節約する方法、裏ワザを使うことで年間の電気代を大幅に節約していきましょう。
電気代を節約するためには電気切り替えがおすすめ。自分に合った電力会社、そして料金サービスを選ぶことで年間の電気代を賢く削減することが見込めます。電力会社を比較するのが面倒なら電気料金比較サイトが便利。当貯金ブログおすすめは、電気チョイスです。
67点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
私の場合(夫婦・子供2人)だと、この炊飯器と食洗器の節約方法で
22,508円/年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:炊飯器で1日1回まとめて炊くことで1年▲1,387円、炊飯器のプラグを抜くことで1年▲1,240円、炊飯器のタイマーを正確に合わせることで1年▲438円、新しい炊飯器に買い換えることで1年▲281円、食洗器の乾燥を余熱ですることで1年▲10,840円、食洗器でまとめ洗いすることで1年▲5,840円、食洗器を電気代の安い時間帯に使うことで1年▲2,482円)
一つ一つの節約額は少ないですが、積み重ねて節電することにより、年間で大きな節電が見込めます。