すぐに部屋を暖めてくれて、石油ストーブのように燃料補給をする必要がないガスストーブ(ガスファンヒーター)。最近はおしゃれなデザインのガスストーブもあり、ひそかな人気を集めています。
でも、ガスストーブはエアコンなどの暖房機器に比べてランニングコストが高いデメリットがあります。
暖かいから快適だと使いすぎてしまうと、翌月に高いガス代請求がきて驚くことになるでしょう。
でも、ガス代が高いガスストーブですが、使い方を工夫することで節約することができます。
今回は、ガスストーブの節約方法についてご紹介したいと思います。
快適に過ごしながら、賢くガス代を浮かしていきましょう。
ガスストーブ(ガスファンヒーター)とは?
ガスストーブとは、都市ガスやプロパンガスを燃料とする暖房機器のことです。
部屋の床や壁などに取り付けられているガス栓に接続して使用します。ガス栓がない場合には、配管工事をしてガス栓を取り付ける必要があります。
ガスストーブとガスファンヒーターの違いはファンの有無です。
ガスストーブは、発熱筒を燃焼させて熱を発します。ファンはついていません。
ガスファンヒーターはファンが搭載されていて、燃焼熱をファンで外に放出させる仕組みになっています。
ガスストーブもガスファンヒーターも部屋にガスを引き込むためのガス栓がないと使用できないため、少しマイナーな暖房機器となっていますが、つけた瞬間から暖かくなり、高い暖房能力があるため根強い人気があります。
石油ストーブのように燃料補給をしなくて良いところも大きなメリットとなっています。
ガスストーブ(ガスファンヒーター)はガス代が高い
メリットの多いガスストーブですが、ガス代が高いのも事実です。
実際にどれくらいのガス代がかかるのでしょうか。
木造住宅6畳、室温20℃、都市ガスを利用している場合、1時間あたりのガス代は11円です。1日12時間使用したとすると、1日132円、1ヶ月3,960円になります。
エアコン暖房のランニングコストと比べてみましょう。
エアコン暖房(6畳用)の消費電力が430Wです。電気代を全国平均の27円で計算すると、1時間あたりの電気代は0.43kWh×27円=11.6円です。1日12時間使用したとすると、1日139.2円、1ヶ月4,176円になります。
ガスストーブもエアコンも、ランニングコストはほとんど変わらないことがわかります。
しかし、上記のガスストーブの金額は都市ガスの場合です。プロパンガスを利用している場合には、もう少しガス代が高くなります。
東京ガス(都市ガス)の1㎥あたりのガス代単価は145.31円、東京のプロパンガスのガス代平均単価は488円です。
プロパンガスは都市ガスの熱量の約2倍なので、都市ガス145.31円に対するプロパンガスのガス代は244円と考えるのが妥当です。
それでも、プロパンガスのほうが約1.68倍高くなります。
つまり、プロパンガスでガスストーブを利用している場合には、1ヶ月6,652円にもなるのです。
やはりガスストーブはランニングコストが高い暖房機器と言えるでしょう。
ガスストーブを使うことで1ヶ月のガス代が4,000円~6,000円以上高くなるのです。これはしっかり節約しなくてはいけません。
ガスストーブ(ガスファンヒーター)の節約方法
冬はガス代が必ず高くなります。ガスストーブを利用しているなら、その大きな要因はガスストーブにあるでしょう。
高いガス代がかかるガスストーブだからこそ、少しでも安くなるように賢く節約していきましょう。実は様々なガス代節約法があります。
ガスストーブとガスファンヒーターの節約方法、ガスファンヒーターの節約法に分けてご紹介しましょう。
ガスストーブとガスファンヒーターの節約方法
ファンがなく発熱筒を燃焼させて熱を発するガスストーブと、ファンで熱を放出するガスファンヒーターですが、どちらにも効果的な節約方法があります。
節約額の計算は、冬場10月~3月の6カ月間(180日)で計算してみたいと思います。
当たり前のことですが、使用時間を減らせばガス代節約になります。
ガスストーブもガスファンヒーターも暖房能力が高く、部屋全体を暖めることができます。
だから、消した後もしばらく部屋の暖かさは持続するのです。
そこで、朝家を出る前、夜寝る前に30分~1時間早く消してガス代節約することができます。
昼間家にいる日の暖かい時間帯にはガスストーブ、ガスファンヒーターを消しておきましょう。
1日2時間使用時間を短縮することができれば、1日あたり11円×2時間=22円の節約になります。6ヶ月なら3,960円の節約が期待できます。
ガスストーブ、ガスファンヒーターの使用時間を減らすためには、同時に部屋の暖かさを逃がさない工夫が必要です。
部屋の熱の52%が窓から放出されています。窓を断熱することが非常に重要なのです。
断熱性の高い窓にすること、断熱カーテンにすることが最も効果的です。
家を建てるとき、カーテンを買い替えるときには覚えておいてください。
でも、すぐにできる断熱方法もあります。
カーテンを閉めていても、カーテンの下の部分から熱が逃げています。そこで冬場はカーテンを床につくくらい長めにしておくことが断熱効果アップになります。
カーテンをわざわざ買い替える必要はありません。最近のカーテンフックはアジャスターフックになっているので、簡単に1㎝~5㎝ほど長さを変えることができます。冬場だけ長くしておきましょう。
また、昼間はカーテンで断熱するよりも太陽の光をたくさん入れることが大切です。
日光が入る時間帯は、しっかりカーテンを開けて部屋を暖めるようにしましょう。
ガス栓の場所、ガスホースの長さにもよりますが、ガスストーブ、ガスファンヒーターは窓際に置くとガス代節約に役立ちます。
窓の近くは、外からの冷気で寒くなっています。暖かいストーブを寒いところに置いておくと、せっかくの暖かい空気が冷えてしまいそうですが、その逆です。
窓から離れた場所にストーブを置くと、窓からの冷気がどんどん部屋の中に入ってくることになります。
ストーブを窓際に置くことで、外からの冷気をシャットアウトすることができるのです。
部屋中の温度を均等にする効果もあります。
フィルターなどに埃が溜まっていると、ストーブの暖房機能が十分ではなくなります。
同じように部屋を暖めるときでも、埃があると無駄にガスを多く使うことになってしまうのです。
2週間に1回を目安にお手入れするようにしましょう。
お手入れをするときには、掃除機を用意してください。
ガスストーブの場合は、給気口にある溜まった埃などを掃除機で吸い取ります。掃除機の細いノズルを使うと良いでしょう。
ファンヒーターの場合は、フィルターに溜まった埃などを掃除機で吸い取ります。
フィルターを傷つけないような力加減で行いましょう。取り外せるフィルターの場合は、汚れがひどければ取り外して掃除しましょう。
台所洗剤とやわらかいスポンジで水洗いをします。しっかり乾かしてから取り付けてください。
ガスストーブ、ガスファンヒーターのガス代を浮かすために、ガス会社を切り替えるという節約方法もあります。
家庭で使われているガスは、都市ガスかプロパンガスのどちらかです。どちらの場合でも、ガス会社を切り替えることが可能です。
上記で、都市ガスに対してプロパンガスは1.68倍高くなるとご説明しましたが、これは東京の平均的な都市ガスとプロパンガスの比較です。実際にはもっと高いケースもあるでしょう。
ガス会社を切り替えると聞くと「面倒くさい」「大変そう」と思うかもしれませんが、意外と簡単に切り替えることができます。
ただし、ガスストーブ、ガスファンヒーターは、都市ガス対応のもの、プロパンガス対応のものに分かれています。プロパンガス対応のガスストーブを使っている場合、都市ガスに切り換えたら使えなくなりますのでご注意ください。
安いガス会社への切り替え方は、こちらの記事で詳しくご紹介しているので、参考にしてみてください。
ガス代が高いとお悩みの場合、もしかしたら高いガス会社を利用していることが原因かもしれません。ガス会社は自由に選ぶことができます。安いガス会社に切り替えれば年間5万円の節約が見込めます。ガスチョイスを利用すれば簡単に切り替えができるのでおすすめです。
ファンヒーターのガス代節約方法
次にガスファンヒーターに効果的な節約方法をご紹介していきます。
ガスファンヒーターは設定温度を調節することができます。
設定温度を21℃から20℃に下げることで、冬のシーズン中、1,000円前後のガス代が節約できます。
設定温度をもっと高くしている場合には、20℃に下げることでさらに節約できる可能性があります。
ほとんどのガスファンヒーターにはタイマー機能がついています。
タイマー機能を上手く使ってガス代を節約しましょう。
起床時に合わせて、入タイマー設定しておくことは多いと思いますが、切タイマー設定を使うのがおすすめです。
ガスファンヒーターのガス代を節約するためには、少し早めにOFFして使用時間を減らすこと大切です。切タイマー設定をしておけば、消し忘れがなく徹底した節約ができます。
最近のガスファンヒーターには必ずエコ機能がついています。
部屋の温度によって、運転停止と運転再開を繰り返す機能です。
部屋の温度が適温になったら、自動的に運転を停止し、無駄なガスを使わないようにするのです。部屋の温度が下がってきたときだけ、運転を再開する仕組みになっています。
室温に応じて運転の強弱を切り替えてくれるので、寒くて困ることはありません。
このエコ機能により、約20%程度のガス代が削減できるのです。
木造住宅6畳、室温20℃、都市ガスの条件で、1時間ガスファンヒーターを使った場合のガス代は約11円になります。
1日12時間使用した場合は、1日132円、6ヶ月で23,760円です。
エコ機能を使い20%削減することができれば、4,752円の節約が期待できます。
まとめ
寒い冬でもしっかり体を暖めてくれるガスストーブ、ガスファンヒーター。石油ストーブのように燃料補給する必要もなく、簡単で使いやすい暖房機器なのですが、ガス代は高めです。
今回は、そんな高いガスストーブの節約方法について考えてきました。
一見節約が難しそうなガスストーブですが、様々な方法で節約することが可能です。あなたに合った節約方法を見つけてください。
でも、寒くて風邪を引いてしまったら大変なので、できる範囲で工夫することも大切です。
77点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
私の場合(夫婦・子供2人)だと、ガスストーブ、ガスファンヒーターの節約方法で
9,712円/6カ月 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:1日2時間使用時間を減らす節約方法で6ヶ月▲3,960円、設定温度を21℃から20℃に下げる節約方法で6ヶ月▲1,000円、エコ機能を使う節約方法で6ヶ月▲4,752円)
ガスストーブ、ガスファンヒーターは、あまり節約向けの暖房機器ではありません。でも、使い方を工夫すればガス代をおさえることが可能です。今回ご紹介した方法がすぐに実践できるものばかりなので、おすすめ度を高くしています。