「年収200万円だから貯金するのが難しい…」と悩んでいませんか?
年収が増えるほど貯金ペースは上がるでしょう。
日本の平均年収は約441万円です。年収200万円の人は、平均の半分にも達していないことになります。確かに貯金するのは難しいでしょう。
しかし、年収が多くても貯金できない人もいるように、年収が少なくても貯金できている人はたくさんいます。
年収200万円でも効率よく貯金することはできるのです。
今回は、年収別の貯金情報として、年収200万円の人の貯金額の平均データを見ながら、
年収200万円の毎月の貯金目安を考えていきたいと思います。具体的なシミュレーションもしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
年収200万円の人の貯金事情について
年収200万円の人の貯金目安を考える前に、まずは年収200万円の人の貯金事情から探っていきたいと思います。
年収や貯金額はなかなか他人に聞けないですよね。そんな気になるお金の情報を調べてみました。
年収200万円の人はどれくらいいるの?
国税庁の「平成30年分 民間給与実態統計調査結果」によると、日本の平均年収は約441
万円となっています。
年収200万円の人は平均の半分以下ということです。
それでは、年収200万円の人はどれくらいいるのでしょうか。
同調査によると、年収100万円~200万円以下の人は13.7%、年収200万円~300万円以下の人は15.2%となっています。
年収100万円~300万円以下の人は28.9%ということです。約4人に1人は年収100万円~300万円以下ということになります。
意外と年収200万円の人は多いのです。
(参考:国税庁)
年収200万円で貯金がある人、ない人の割合は?
それでは、年収200万円の人の中で、貯金がある人はどれくらいいるのでしょうか。
日本銀行情報サービス局内に事務局がある「金融広報中央委員会」という組織の「家計の金融行動に関する世論調査(令和元年)」の単身世帯、二人以上世帯のデータを調べてみました。
ただし、年収200万円に限定したデータはなかったため、「年収300万円以下」のデータを参考にしていきたいと思います。
年収300万円以下の単身世帯の場合、金融資産がある人は57.5%、ない人は42.5%です。
二人以上世帯の場合、金融資産がある人は60.9%、ない人は39.1%になります。
年収200万円~300万円の世帯も含まれているため、実際より金融資産がある人の割合が高めになっていると思います。
しかし、それを考慮しても、意外と多くの人が年収200万円でも貯蓄があることがわかります。
(参考 知るぽると:単身世帯調査・二人以上世帯調査)
年収200万円の人の貯金の平均値と中央値は?
金融広報委員会の同調査では、年収300万円以下の世帯の金融資産の平均値、中央値も公表しています。
金融資産とは、銀行の預貯金だけでなく、金銭信託、積立型保険商品、投資信託なども含んだ金融資産の合計となっています。
金融資産あり、なし世帯
世帯 | 平均値 | 中央値 |
単身 | 407万円 | 10万円 |
二人以上 | 661万円 | 100万円 |
金融資産あり世帯のみ
世帯 | 平均値 | 中央値 |
単身 | 724万円 | 150万円 |
二人以上 | 1,126万円 | 700万円 |
平均値とは、全ての貯金額を合計し、人数で割った金額です。
中央値とは、全ての貯金額を小さい順に並べた時に、真ん中にくる金額のことです。
平均値は、一部多額の資産を持っている人がいると一気に高い金額になるため、中央値を見たほうが現実に近い金額がわかるでしょう。
独身者の場合は、金融資産の人、ない人全てをあわせた中央値は10万円です。あまり貯金ができていない人が多いことがわかります。
しかし、金融資産がある人に限定した中央値は、一気に上がり150万円となっています。
また、二人以上世帯の場合は、年収が300万円以下でもまとまった貯金ができている結果となりました。
金融資産ありの人に限定すると、中央値は約700万円と高額になっています。
年収200万円に限定したデータではありませんが、年収200万円でもしっかり貯金できている世帯が多いことが予想されます。
年収200万円の人の貯金割合は?
年収200万円の人のもっとリアルな貯金額を知るために、「手取り収入からの貯蓄割合」を見てみたいと思います。
上記の貯蓄額に対して「年収300万円未満で、本当にこんなに貯金できるの…?」と感じたでしょう。
そもそも、まとまった金融資産を持っている人もいるため、貯蓄額が高くなっている可能性もあります。
そこで、年間収入に対してどれくらいの割合の貯金ができているのか調べてみましょう。
金融広報中央委員会の同調査の中に「年収手取り収入からの貯蓄割合」を知ることができます。
年収300万円未満の単身世帯の貯蓄割合は8%、二人以上世帯の貯蓄割合は4%となっています。
金融資産額の高さに比べると、貯金割合は低い数値になっていると感じます。
年収200万円の人が8%貯金した場合をシミュレーションしてみましょう。
年収に対して、実際の手取りは約8割になります。税金や保険料が引かれるからです。
年収200万円ということは、年間手取りは約160万円です。
この手取りの8%は128,000円、4%は64,000円となります。
年収200万円の人の1年の貯金は、独身者は128,000円、既婚者は64,000円が平均的であることがわかりました。
年収200万円の人の毎月の貯金目安の決め方
ここまで年収200万円の人の平均的な貯金情報をお伝えしてきました。
自分と同じくらいの年収の人が、どれくらい貯金しているか知ることで「自分もこれくらい貯金できるように頑張ろう」「自分は意外と貯金できている」などと思うことができるので、目安にすることができるでしょう。
しかし、平均的な数値はあくまでも一般的な目安です。
毎月の貯金額を決めるためには、あなたの目安を考えることが重要です。
そのために必要なポイントは2つです。
1つ目は、収入に対する貯金割合を考えること。
2つ目は、貯金と支出のシミュレーションをすることです。
収入に対する貯金割合を考える
年収200万円の人の貯金割合は単身世帯では8%、二人以上世帯は4%という結果が出ていました。
しかし、手取りに対する貯金額の割合は最低1割、理想は2割というのが一般的です。
あなたの手取りに対して、まずは1割を貯金目安にしましょう。
年収は税金や保険料などが引かれる前の金額なので、年収200万円の場合、手取りは160万円ほどになるでしょう。
つまり、年間の貯金目安は16万円ということになります。
貯金と支出のシミュレーションをする
手取りの1割という一般的な貯金ルールから、年間の貯金目安は16万円となりました。
しかし、ただ貯金目標を決めただけは不十分です。
年収200万円の人の場合、毎月の生活費だけでギリギリ…という人も多いでしょう。
だから、1ヵ月の収入に対して目安の貯金額を確保できるのか「貯金」「支出」のシミュレーションをすることが重要になります。
まず、1ヵ月の貯金額をシミュレーションします。
先程、年収200万円の人の年年間貯金目安は16万円と算出しました。
単純に12ヵ月で割ると、1ヵ月にすると13,333円になります。
1ヵ月の貯金目標は13,000円としましょう。
次に、生活費をシミュレーションしていきます。
貯金を持続するためには、貯金のシミュレーションだけでなく、生活費をシミュレーションしておくことがポイントです。
ノートとペンを用意し、以下のように「収入」「貯金」「支出」をシミュレーションして書いてみましょう。
年収200万円の人を想定して収入、貯金、支出を書いてみたいと思います。
1ヵ月収入(手取り) 133,000円
1ヵ月貯金 13,000円
1ヵ月支出目安 120,000円
内訳 | 支出目安額 |
住居費 | 45,000円 |
食費 | 30,000円 |
水道光熱費 | 15,000円 |
通信費 | 7,000円 |
保険料 | 5,000円 |
日用雑貨 | 4,000円 |
被服費 | 4,000円 |
趣味・娯楽費 | 5,000円 |
交際費 | 5,000円 |
年収200万円の人の1ヵ月の手取りは約133,000円です。
手取りの1割貯金の13,000円を確保するためには、支出を120,000円におさえる必要があります。
それぞれの支出項目の合計が、目標支出の120,000円になるように考えて、予算を書いていきましょう。
シミュレーションはあくまでも目安なので、実際にはこの通りにいかないかもしれません。
そこで、1ヵ月間レシートを貯めて、月末に「実際の支出」を書き出してみてください。
この時、レシートだけでなく、クレジットカード明細書、通帳などもチェックして、銀行引き落としの固定費や、カード払いの支出なども全て計算しましょう。
大体の金額でOKです。
1ヵ月収入(手取り) 13,3000円
1ヵ月貯金 13,000円
1ヵ月支出目安 120,000円
内訳 | 支出目安 | 実際の支出 | 誤差 |
住居費 | 45,000円 | 45,000円 | 0円 |
食費 | 30,000円 | 35,000円 | +5,000円 |
水道光熱費 | 15,000円 | 15,000円 | 0円 |
通信費 | 7,000円 | 7,000円 | 0円 |
保険料 | 5,000円 | 5,000円 | 0円 |
日用雑貨 | 4,000円 | 9,000円 | +5,000円 |
被服費 | 4,000円 | 7,000円 | +3,000円 |
趣味・娯楽費 | 5,000円 | 5,000円 | 0円 |
交際費 | 5,000円 | 5,000円 | 0円 |
このように、支出目安と実際の支出の誤差を計算してみてください。
±500円くらいの誤差は考えなくて良いので、大まかな金額でまとめてみましょう。
目安以上の支出になっている項目は、削る工夫をしていく必要があります。
例えば上記の場合は、食費、日用雑貨、被服費が目安の支出額よりオーバーしています。
この3つは無駄な支出が増えやすい項目です。節約する工夫をしていきましょう。
食費を増やす原因は外食です。まず外食を減らし自炊を徹底していきましょう。
自炊でも食材費にお金をかけたら意味がありません。
お肉などの単価の高い食材は半額品を狙う、作り置きをして無駄なく食材を使う、などの工夫をしていきましょう。
日用雑貨に関しては、まとめ買いが多いと無駄な出費が増えてしまいます。
安いからと言ってまとめ買いせずに、使い切るまで買わないことが大切です。
使い切る節約方法は、こちらの記事でご紹介しています。ご参考ください。
節約生活に大切なのは無駄をなくすことです。使い切る前に新しいものを買うと多くの無駄が生まれてしまいます。そこでおすすめしたいのが「今あるものを使い切る生活」「使い切るまで買わない生活」です。使い切るまで買わない節約法をご紹介していきます。
被服費を抑えるためにおすすめの方法は断捨離です。
「服を捨てて減らしたらまた新しい服を買ってしまいそう」と思うかもしれません。
でも、断捨離をすると、今までの無駄遣いに気付くことができるので、無駄に服を増やさないようになります。
断捨離の詳しい方法は、こちらの記事でご紹介しています。ご参考ください。
断捨離で幸せもお金も貯まる生活が手に入ります。断捨離をするとお金が入ってくるのです。その真実について考えていきます。断捨離すると無駄遣いが減り貯金効果がアップします。さらに気持ちの面でも落ち着いてストレスのない毎日が送れるでしょう。
さらに削る工夫をしたいのが固定費です。
当たり前のように毎月支払っている固定費ですが、無駄がある場合があります。
年収200万円で貯金を増やしたいなら、できる限り固定費をスリム化していきましょう。
3大キャリアから格安スマホにすることで、1ヵ月4,000円近く節約できる見込みがあります。
その他、クレジットカード年会費、有料アプリや有料動画配信サービスなど、1ヵ月にかかっている固定費全てをノートに書き出して、不要なものはないか見直してみましょう。
年収200万円の人は、限られた収入の中で貯金をしていく必要があります。
そのため、貯金の目安を決めるためには、「手取りに対する貯金割合1割を目安にすること」「その目安が実現できるかシミュレーションすること」が重要です。
ご紹介してきた流れのようにシミュレーションしてみて、無理なく貯金計画を立てていきましょう。
年収200万円の人の貯金のコツ
ここまで、年収200万円の人の貯金事情や、目安について考えてきました。
最後に、その目安を毎月実現するための貯金のコツをご紹介していきたいと思います。
先取り貯金をする
貯金が貯まらない人には共通点があります。
それは「収入-生活費=貯金」と考えていることです。
貯金が貯まる人は「収入-貯金=生活費」と考えているのです。
年収200万円の人は、貯金をしなくても毎月のやりくりが大変なことが多いでしょう。
だから、「生活費を使って残ったら貯金しよう」と思っても、貯金を残すことは難しいのです。
先取り貯金するためには、貯金専用の口座を準備することが大切です。
口座開設するためには、銀行窓口だけでなく、インターネットやアプリでも手続き可能となっています。
口座が準備できたら、毎月給料が振り込まれたら、その口座から貯金分のお金を引き出して、貯金用の口座に入金するのです。
給料振込用の口座には、固定費など引き落としになる分のお金を残し、あとは生活費として引き出しましょう。
- 貯金→貯金用口座
- 固定費→給料振込口座
- 生活費→財布
このように、給料を3つの場所に分けることでとても管理がシンプルになります。
1ヵ月財布に入っているお金でやりくりをすれば、貯金を増やし続けることができるのです。
家計管理をする
次のステップは家計管理です。
先取り貯金をして残りのお金でやりくりするためには、家計簿が必須です。
1週間、1ヵ月単位で支出を見て、無駄がないか確認するためです。
でも「家計簿は面倒」と苦手意識がある人が多いでしょう。
そこでおすすめは家計簿アプリです。
家計簿の目的は記録をつけることではありません。
1週間、1ヵ月単位で支出を確認して、「何にいくら使っているのか」「節約できる無駄遣いはないか」を確認して、その後の無駄遣いをセーブしていくことが目的です。
そんな無駄遣い防止のための機能が搭載された優秀アプリがたくさんあります。
おすすめの家計簿アプリは、こちらの記事で詳しくご紹介しています。ご参考ください。
家計管理が楽になる家計管理アプリがあります。iphoneやスマホでレシートを撮影し、銀行やカード情報を登録するだけで、自動で全体のお金の動きがわかる家計簿を作成してくれます。お金の流れが見える化されるので、効率良く貯金することができるでしょう。
まとめ
今回は年収別の貯金事情として、年収200万円の人の貯金情報をまとめてお伝えしてきました。
年収200万円の単身世帯、二人以上世帯ともに半分以上の人がしっかり貯金をしていることがわかりました。
しかし、年間の手取りに対する貯金割は4%~8%と低めになっているのが現状です。
年収200万円の1ヵ月の手取りは約13万円程度です。
この限られた収入の中で貯金するためには、きちんと目安を考えて、その金額が無理なく続けられるのかシミュレーションしてみることが大切です。
さらに、先取り貯金と家計管理で、その貯金習慣が持続できるようにしていきましょう。
効率良く節約生活を進めるためには、銀行口座を3つにすることが大切です。家計費用口座、特別出費用口座、貯蓄用口座に分けることで、いつのまにか貯金が増えていくかもしれません。それでは口座開設はどこがいいか?当節約ブログおすすめはイオン銀行です。
80点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
年収200万円の人の場合、平均的な貯金額を目安にして貯金する方法で、
160,000円/1年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:手取りの1割を貯金することで1年▲160,000円)
年収200万円でも、貯金目安をしっかり決めて、貯金と支出をシミュレーションしておけば、無理なく貯金することができるでしょう。上記の場合1年では16万円ですが、10年続ければ160万円になります。習慣にして持続することが大切です。