「年収650万円になっても、なかなか貯金ができない」
「年収650万円ならどれくらい貯金が必要?」
「年収650万円の人はいくら貯金しているの?」
など、年収650万円の貯金情報を探していませんか?
国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると、年収600万円未満の人は約8割、年収600万円以上の人は約2割というデータが出ています。
(参考:国税庁)
年収600万円以上の人は約5人に1人という少数派になってくるのです。
だからこそ、周りの人に年収や貯金額を聞くことはなかなかできないですよね。
でも、自分の年収に対する平均的な貯金額や理想的な貯金額は非常に気になります。
そこで今回は、年収650万円の人のための貯金事情をご紹介していきたいと思います。
貯金している人、していない人の割合から、平均的な貯金額、理想的な貯金額まで、気になる貯蓄事情を調べていきます。
あなたの貯金計画のお役に立つことができれば嬉しいです。
年収650万円で貯金している人、していない人の割合は?
「年収650万円になったら、ほとんどの人がガッチリ貯金をしていそう…」と思うかもしれませんが、実は貯蓄がない人も意外といるのが現状です。
日本銀行情報サービス局内に事務局が置かれている「金融広報中央委員会」という組織があります。
この組織が発信している「家計の金融行動に関する世論調査(令和元年)」によると年収500万円~700万円の単身世帯、二人以上世帯の金融資産がある人、ない人の割合は以下のようになっています。
世帯 | 単身 | 二人以上 |
金融資産がある人 | 84.3% | 86.5% |
金融資産がない人 | 15.7% | 13.5% |
年収650万円の世帯だけでなく、年収500万円~700万円の世帯のデータにはなりますが、年収650万円世帯の目安にはなるでしょう。
独身者も既婚者も同じくらいの割合で、貯金ゼロの人がいることがわかります。
大まかに見ると、独身者は6人に1人、既婚者は7人に1人は金融資産がない状況です。
年収が上がるにつれて貯金が増えると思われがちですが、必ずしもそうではありません。
年収が上がるということは、それだけ責任のある仕事を任されるようになったということです。
仕事の質も量もアップすることで、ストレスが溜まります。そうすると、そのストレスを発散するために無駄遣いをしてしまい、貯金する余裕がなくなるのでしょう。
年収650万円の貯金平均値と中央値は?
金融広報中央委員会の同調査では、年収500万円~700万円以下の単身世帯、二人以上世帯の貯蓄の平均値、中央値も知ることができます。
この金額は銀行の預貯金、金銭信託、積立型保険商品、投資信託など全ての金融資産の合計した金額になっています。
世帯 | 単身 | 二人以上 |
平均値 | 1,869万円 | 1,263万円 |
中央値 | 806万円 | 680万円 |
単身世帯の平均値はなんと1,869万円です。二人以上世帯でも1,263万円ということで、1,000万円を大きく上回っています。
「やはり年収650万円の人はたくさん貯金しているんだ…」と落ち込んでしまったかもしれません。
しかし、この平均値とは実はあまり平均的ではないことがあります。
平均値を出す時は、全ての人の貯金額を足して、その人数で割って算出します。
貯蓄データの場合は一部巨額の貯蓄がある人の影響で、平均値は一気に高くなる傾向があるからです。
そこで注目すべきは中央値です。
中央値は、貯蓄が少ない人から順番に並べた時に、ちょうど真ん中にくる人の貯蓄額です。
つまり、単身世帯の場合は806万円、二人以上世帯の場合は680万円が平均的な貯蓄額ということになるでしょう。
年収650万円の貯金割合は?
ここまで、年収650万円の人が持っている貯蓄の情報についてお伝えしてきました。
ここからは、実際に1ヵ月、1年単位でどれくらい貯金をしているのか調べてみたいと思います。
上記の平均的な貯蓄額を見ると、非常に高い金額になっていますが、これはあくまでも今持っている金融資産額です。年収に関係なくもともと貯蓄が多い世帯もあるでしょう。
もっとリアルな貯金事情を知るためには、貯蓄率を見てみたいと思います。
貯蓄率とは、手取りの何割のお金を貯蓄に回しているかをパーセンテージで示したものです。これがわかると、毎月いくら貯金すれば良いのか目安にすることもできるでしょう。
金融広報中央委員会の同調査では、年間の手取りに対する貯蓄の割合を調べています。
以下のような結果になっていました。
世帯 | 単身 | 二人以上 |
貯金率 | 17% | 9% |
さらに詳しい割合も調べてみましょう。
貯金率 | 単身世帯 | 二人以上世帯 |
5%未満 | 4.8% | 7.6% |
5~10%未満 | 9.0% | 18.4% |
10~15%未満 | 16.3% | 22.6% |
15~20%未満 | 6.6% | 5.3% |
20~25%未満 | 12.7% | 7.2% |
25~30%未満 | 1.8% | 2.0% |
30~35%未満 | 8.4% | 2.8% |
35%以上 | 15.7% | 2.0% |
貯金していない | 24.7% | 23.4% |
手取りに対する貯金の割合は最低1割、理想は2割とされています。
しかし、年収500万円~750万円でも、2割以上貯金できている人は少ないことがわかります。
二人以上世帯では約38%の人が2割以上の貯金ができていますが、二人以上世帯はたった14%となっています。
一応貯金はしていても、なかなか理想額に届いていない人が多いことがわかりました。
年収650万円の平均的な貯金額は?
年収650万円の単身世帯の貯金率は17%、二人以上世帯の貯金率は9%です。
このパーセンテージを実際に手取り額でシミュレーションしてみたいと思います。
年収650万円でも、650万円をそのまま受け取るわけではありません。
税金や保険料が引かれるため、年間の手取りは490万円前後が一般的になります。
家族構成により若干変わるため、目安として考えてください。
単身世帯の場合は1年間の貯金目安は490万円×17%=833,000円、二人以上世帯の場合は490万円×9%=441,000円ということになります。
あなたの貯金額と比べてどうでしょうか。
年収650万円の毎月の貯金額の理想は?
ここまで年収650万円の平均的な貯金事情をご紹介してきました。
金融広報中央委員会のデータは、年収650万円の人だけをピックアップした情報ではありませんでしたが、年収650万円前後の人の大体の貯金事情を把握できたと思います。
「自分と同じくらいの年収の人はどれくらい貯金しているの?」という疑問や不安が少し解消されたでしょう。
しかし、貯金額は個人差があります。平均的な貯金ができていればOKなわけではありません。
ここから、年収650万円のあなたに合わせた理想的な貯金額を考えていきたいと思います。
ポイントは以下の3つです。
- 貯金額を手取りの1.5割を目標にする
- 生活費を手取りの7割で設定する
- 娯楽費を手取りの1.5割で設定する
この3ステップで貯金のシミュレーションをすると、無理なく、効率よく貯金ができるでしょう。
少し面倒な作業にはなりますが、一度この3ステップで貯金習慣がつくと、年収が上がっても同じように貯金を続けていくことができるのでおすすめです。
貯金額を手取りの1.5割を目標にする
手取りに対する貯金の割合は、最低1割、理想は2割とご説明しました。
本来なら年収650万円であれば2割貯金したいところですが、上記の平均データから厳しい状況がわかりました。
そこで、手取りの1.5割を目標にしたいと思います。
まずは、この割合で貯金プランを立ててみてください。実際にやってみて生活費に余裕があるようでしたら、2割貯金できるようにしていきましょう。
年収650万円の手取りは約490万円です。この1.5割は735,000円ということになります。
まずは、これを年間の貯金目標にしましょう。
次に1ヵ月いくらずつ貯金すれば良いか考えていきます。
単純の12ヵ月で割ると61,250円になります。60,000円を1ヵ月の貯金目標にしましょう。
「年に2回のボーナスで貯金すれば簡単」と思うかもしれません。
ボーナスだけで貯金するのはおすすめしません。
理由は2つあります。
1つ目は、ボーナスは必ず支給されるものではないからです。
会社が個人の業績によって決まるものなので、いつものようにボーナスがもらえない年もあるでしょう。そのような不安定な収入を貯金として組み込んでおくのは危険です。
2つ目は、ボーナスは特別費にあてるべきだからです。
特別費とは、毎月かかるものではない臨時出費です。固定資産税や自動車税のような税金、クレジットカードの年会費、子供の誕生日や家電の買い替えなど、様々な特別費があるでしょう。
ボーナスはそのような特別費に使うものと考えると毎月の家計がスムーズになります。
生活費を手取りの7割で設定する
「給料-生活費=貯金」と考える人が多いですが、これは貯金が貯まらない考え方です。
「給料-貯金=生活費」と考えると、毎月確実の貯金することができるでしょう。
年収650万円の人の場合、生活費は手取りの7割になるように設定してください。
予算を決めるのは少し面倒ですが、一度決めてしまうとその通りに支出コントロールすれば良いだけなので便利です。
家計管理のために、ノートを1冊準備してください。
複雑な家計簿である必要はありません。
年収650万円の場合手取りは490万円程度になります。
ボーナスを考慮しないと、1ヵ月の手取りは490万円÷12ヵ月=408,000円となります。
ここでは1ヵ月の手取りを40万円としてシンプルに計算していきたいと思います。
この手取り額に対する割合を計算して予算を算出していきましょう。
内訳 | 手取り(35万円) に対する割合 |
予算 | 当月 |
住居費 | 25% | 100,000円 | |
食費 | 15% | 60,000円 | |
水道光熱費 | 5% | 20,000円 | |
通信費 | 5% | 20,000円 | |
保険料 | 5% | 20,000円 | |
日用雑貨 | 2% | 8,000円 | |
教育費 | 10% | 40,000円 | |
被服費 | 3% | 12,000円 |
この「手取りに対する割合」は一般的な割合です。
子供がいる夫婦を想定していますので、独身者の場合は教育費の予算を他の項目に回してください。
実際のあなたの支出に合わせて調整してみてください。
例えば住居費が70,000円と低いけれど、水道光熱費は25,000円かかっているという場合は、予算を組み直してください。
ポイントは、生活費だけで手取りの7割におさめることです。
手取り40万円の場合は28万円以下になるようにしましょう。
もし大幅に7割を超えてしまう場合は、どこかに無駄な支出がある可能性があります。
固定費、変動費の見直しをしてみましょう。
まずチェックしたいのは通信費と保険料です。
無駄なオプションが多い料金プランになっていないか、本当に自分に合っている料金プランなのか見直すことが必要です。
さらに、外食が多くて食費が跳ね上がっていないか、まとめ買いをして無駄な買い物が多くなっていないか等、1ヵ月の支出状況を確認してみましょう。
簡単に使える家計簿アプリを利用すると、生活費を見える化することができて、無駄遣いを見つけることができるのでおすすめです。
今人気の家計簿アプリはこちらの記事でご紹介しています。ぜひご覧ください。
家計管理が楽になる家計管理アプリがあります。iphoneやスマホでレシートを撮影し、銀行やカード情報を登録するだけで、自動で全体のお金の動きがわかる家計簿を作成してくれます。お金の流れが見える化されるので、効率良く貯金することができるでしょう。
予算を決めることができたら、実際に予算通りにやりくりできるのか確認しましょう。
家計簿アプリを活用すれば、1ヵ月の支出が一目でわかります。
上記の「当月」の欄にそれぞれの金額を書いてみてください。
予算通りにならない場合は、予算を組み直すか、無駄な支出がないか再度確認しましょう。
1ヵ月分のレシートを貯めて、1枚1枚内訳をチェックしてみてください。
その中で、「買わなくても我慢できたもの」をピックアップしていってください。その分は来月節約できる金額になります。
娯楽費を手取りの1.5割で設定する
貯金をうまく続けていくためには、収支のバランスを考えることが重要です。
毎月もらった給料を適当に使い、余った分を貯金しようと思ってもうまくいかないでしょう。
収支のバランスを考えるためには、きちんとシミュレーションすることが重要なのです。
ここまで、「収入(手取り)」を10割として、「貯金」を1.5割、「生活費」を7割としてきました。
最後の項目は「娯楽費」です。これを手取りの1.5割に設定しましょう。
娯楽費とは、趣味、レジャー、交際費などです。
娯楽費を生活費に組み入れて予算を決めても良いのですが、生活費と分けて管理するのがおすすめです。
「生活費はしっかり節約して、娯楽費は自由に使おう」と支出にメリハリをつけることができるからです。
年収650万円の場合、ある程度生活に余裕が出ているでしょう。だから、貯金のためと言っても全てを節約モードにする必要はありません。
でも、全てを贅沢モードにしてしまったら、いつまでたっても貯金を増やすことはできません。
生活費はある程度節約モードにして、娯楽費はある程度贅沢モードにしていくことが貯金成功のカギになのです。
年収650万円の収支のシミュレーションをまとめてみましょう。
年収 | 年間手取り | 1ヵ月手取り | 貯金額 | 生活費 | 娯楽費 |
650万円 | 490万円 | 40万円 | 6万円 | 48万円 | 6万円 |
このように収支のバランスを考えることで、お金の流れがハッキリして貯金がスムーズになります。
はじめは、予算を考えるのが大変ですが、徐々に細かく予算を立てなくても支出コントロールができるようになるでしょう。
まとめ
今回は年収別の貯金事情として、年収650万円の人の貯金平均値、中央値、さらに理想額を考えてきました。
年収650万円になると1ヵ月の手取りは約40万円程度になります。家族構成やライフスタイルによっても変わってきますが、ある程度余裕は出てくるでしょう。
でも逆に仕事が忙しくなることで支出が増えてしまう人が多いのも事実です。
いつの間にか無駄遣いをして貯金が全くない…という事態を避けるためには、1ヵ月単位で「手取り」から「貯金」「生活費」「娯楽費」を設定してコントロールすることです。
そうすれば効率よく貯金を増やしていくことができるでしょう。
効率良く節約生活を進めるためには、銀行口座を3つにすることが大切です。家計費用口座、特別出費用口座、貯蓄用口座に分けることで、いつのまにか貯金が増えていくかもしれません。それでは口座開設はどこがいいか?当節約ブログおすすめはイオン銀行です。
90点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
年収650万円の人の場合、理想の貯金額を決める方法で、
720,000円/年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:収入の1.5割を貯金することで1年▲720,000円)
年収が増えるにつれてどんぶり勘定になる傾向にあります。そうならないようにしっかり、収支をシミュレーションすることがとても大切です。いつのまにか無駄遣いしている分を貯金に回すことができるでしょう。