貯金の中から旅行費用を使おうと思っても、住宅ローンや教育費など、優先すべきものが多いと、なかなか使えないものですよね。
だから、普通の貯金とは別に、旅行用の貯金を積立ていこうとお考えなんだと思います。
でも、実際には賢く旅行用の積立を行っている人はあまり多くありません。
JTBが行った「ボーナスと旅行に関する調査(2019年)」によると、全体的な積立をしている人は56.2%もいるのですが、その中で旅行会社、航空会社の「旅行積立」をしている人はたった3.6%という結果なんです。かなり少ないですよね。
(参考:JTB)
意外と旅行積立をしている人は少なく、どこで旅行積立すべきか迷っている方が多いことがわかります。
積立型保険や、つみたてNISAとは違い、旅行の積立貯金はあまり知られていないため、自分に合った積立方法がわかりにくいのでしょう。
そこで今回は、あなたに合った旅行積立を知るために、銀行、旅行会社、航空会社での積み立て方法を解説していきたいと思います。
それぞれの積立方法を理解して自分に合った旅行積立ができれば、効率よく旅行資金を貯めていくことができるでしょう。
旅行資金を効率よく貯めるためには積立貯金がベスト
旅行に行きたくても、肝心の資金がなければ実現できませんよね。
貯金から旅行資金を使おうとしても、「せっかく大学資金のために貯めてるから…」「車の買い換えのための貯金だから…」などと思って手を付けられないもの。
旅行は必ず必要な物ではないので、どうしても後回しになってしまうんです。
でも、大学、マイホーム、マイカー、老後資金などが十分に貯まってから旅行資金を貯めようとしたら、いつまでたっても旅行貯金はできないでしょう。
旅行を実現させるためには、旅行専用の貯金をすることが大事なのです。
他の貯金とは別の形で旅行だけの積立をするのが、効率よく旅行貯金するベストの方法です。
そうすれば、他のことに使ってしまうこともなく、確実に旅行貯金を確保していくことができるでしょう。
旅行の積立貯金は「銀行」か「旅行会社、航空会社」がおすすめ
旅行資金を貯めるためには、旅行だけの積立貯金をすることがおすすめ。
そうすれば、他の貯金や生活費と混ざることなく、確実に旅行実現に向けて資金作りができるはずです。
でも、問題はその積立を「どこですれば良いか」ですよね。
旅行の積立はあまり知られていないので、どこで積立すべきか迷っている方は多いでしょう。
旅行の積立貯金方法は大きく2つに分けられます。
銀行で積み立てる方法と、旅行会社や航空会社で積み立てる方法です。
どちらも、効率よく旅行資金を貯められる方法なのですが、それぞれメリットデメリットがあり、合う人合わない人がいます。
2つの積立方法を理解した上で、あなたに合った方法を選び、賢く旅行貯金をしていきましょう。
銀行口座で旅行の積立貯金をする方法
まずは、銀行口座での積立方法から見ていきます。
銀行の普通預金に旅行資金を貯金している方もいると思いますが、「今月は生活費が厳しいから旅行用の貯金はできない」「急に家電を買い替えることになったから旅行資金を切り崩そう…」など、旅行貯金を徹底することが難しいでしょう。
銀行口座で効率よく旅行の積立をするためには「積立定期預金」を利用するのがおすすめです。
積立定期預金とは、あらかじめ積み立てる金額と期間を決めておくと、毎月同じ日に、同じ額が、普通預金から定期預金に積み立てられるシステムになります。
普通預金よりも金利が高くなるのが特徴です。
メガバンクは0.002%、金利が高いネット銀行の場合は0.02%が金利相場となっています。
少しだけではありますが、金利が高いのは嬉しいですよね。
預入期間中に途中で引き出す場合には利息が低くなってしまいますが、元本割れになることはありません。
最近は低金利が続いているため、利息が多少低くなってもそれほどの痛手にはならないでしょう。
まず、どの銀行で旅行積立をするか決めましょう。
最もスムーズなのが、給料が振り込まれている銀行の積立定期預金を利用することです。
ただし、金利が高いネット銀行などを利用したい場合は、他の銀行でも良いでしょう。
その場合は、他の銀行から積み立てすることが可能なのか確認が必要です。
その上で、銀行窓口か、インターネットから積立定期預金の口座を開設しましょう。
必要なものは、本人確認書類と印鑑です。インターネットで手続きする場合は印鑑不要、本人確認書類はスマホで撮って送る流れが一般的です。
開設時には、毎月いくら積み立てるのか決めることになるので、旅行資金として「いつまでいくら貯金するのか」を具体的に考えておく必要があります。
例えば、「2年後のハワイ旅行のために50万円貯める」と目標を決めた場合、毎月2万円ずつ積み立てれば良いことになります。
具体的な旅行計画を立てて、積立金額を設定しましょう。
あとは、自動的に決まった積立金額が自動的に積み立てられていくのでスムーズです。
次に銀行の積立定期預金で旅行貯金するメリットをご説明していきます。
自動的に旅行資金を積み立てられることがメリットです。
一度手続きをしてしまえば、満期まで何もしなくても旅行資金が貯まっていくスムーズさは魅力ですよね。
旅行会社や航空会社で積み立てをする場合には、基本的に旅行にしか使えません。
銀行の積立定期預金は、もちろん旅行にしか使えないわけではないので、急な臨時出費がある場合には、旅行貯金を他のことに使うことができる安心感があります。
旅行貯金が終わった場合には、老後資金用の口座にするなど、他の目的に活用できますね。
定期預金なので途中解約すると金利が下がりますが、元本割れすることはありません。
低金利の状況の中、もともと定期預金の金利が低いので、多少金利が下がってもデメリットにはならないでしょう。
お金を積み立てる時には、リスクを考えておかなければなりません。
銀行預金の場合、万が一銀行が破綻した場合にはペイオフ制度により、1000万円までは保護されます。
1000万円以内なら安心して預けることができますね。
メリットが多いことがわかりましたが、以下のようにデメリットもあるのでお伝えしておきましょう。
リスクが少なく便利な自動積立定期預金ですが、金利は良くありません。0.002%から
0.02%ほどになります。
旅行会社や航空会社に積み立てる場合の金利は2~3%が相場となっています。
旅行資金を貯めるだけでなく「増やしたい」なら、銀行積立に魅力は感じませんね。
「旅行以外に使える」ということは、メリットでありデメリットでもあります。
生活費が苦しくなった時についつい使ってしまったり、欲しい物の誘惑に負けて使ってしまうなどの恐れがあるからです。
どうしても旅行に行きたいからお金を確保しておきたい!という人は、旅行会社や航空会社への積立が良いですね。
ここまで銀行の積立定期預金で旅行貯金をする方法について見てきました。
メリットデメリットをまとめると、以下のようになります。
メリット | デメリット |
自動的に積み立てられる | 金利が低い |
旅行以外にも使える | 旅行以外に使ってしまう |
元本割れすることがない | |
リスクが少ない |
このメリットデメリットから、以下のような人が銀行口座での旅行貯金に向いていることがわかります。
- 強制的に旅行資金を貯めるシステムを作りたい
- いざという時に旅行以外に使えるようにしておきたい
- 低金利でも良いからリスクのない貯金方法が良い
このような方は、銀行口座で効率よく旅行貯金ができるでしょう。
旅行会社、航空会社で旅行の積立貯金をする方法
次に、旅行会社や航空会社で旅行の積立貯金をする方法を見ていきましょう。
航空会社や旅行会社が手掛ける「旅行積立」という商品を知っていますか?
積立期間や金額を設定し、毎月決まった金額を航空会社や旅行会社に積み立てていく商品です。
満期になると、積み立てた金額に「サービス額」という利息がついた金額を「旅行券」で受け取れるシステムになっています。
「旅行券」は航空券やツアー代などに使える他、レジャー施設利用やホテル宿泊などに使える場合もあります。
ちょっと銀行の定期預金に似ている感じがしますが、大きな違いが2つあるんです。
1つ目は、利息の高さです。
銀行の場合、金利の高いネット銀行でも0.02%ですが、旅行積立は2~3%と高金利です。
銀行の金利は全く期待できないので、この高金利は魅力ですね。
2つ目は、「旅行券」で受け取ることです。
「積み立てた金額」+「サービス額(利息)」は現金で受け取ることはできません。
「旅行券」で受け取ることになり、基本的には旅行のために使うことになります。
これは、少し不便さがあるかもしれませんね。
旅行積立で積立貯金する方法は簡単です。
インターネット、電話、窓口で申し込むのが一般的です。
必要書類を入手し、必要事項を記入して申し込みます。
入手方法は、インターネットからダウンロード、電話で郵送してもらう、窓口で受け取る、の3パターンあります。
銀行口座で積立を始める時と同じように「2年後のハワイ旅行のために30万円貯める」などと明確な目標を決めておくとスムーズです。
積立金額や積立期間を決めて申し込んだら、あとは自動的に積み立てられていくので面倒なことはありません。
旅行積立のやり方は簡単ですが、難しいのが、どの会社を選ぶかということなんです。
自分にあった会社を選ぶためには、金利、預け入れ金額や期間、さらに旅行券で使える商品などをチェックするのがポイントです。
ここで、大手旅行会社と航空会社の旅行積立を比較してみたいと思います。
会社名 | 商品名 | 預け入れ最低金額 | 預け入れ最低期間 | 利息 | 毎月プラン満期30万円の場合 サービス額(利子) ※H.I.S.のみ満期20万円の場合 |
||
12回 | 36回 | ||||||
旅行 会社 | JTB | たびたびバンク | 5,000円 | 12~60回 | 0.8~1.75% | 2,817円 | 7,881円 |
H.I.S. | 貯めチャオ | 3,000円 | 6~60回 | 2.2~2.45% | 1,932円 | 5,983円 | |
近畿日本ツーリスト | 旅したく | 3,000円 | 6~36回 | 1.5~2.0% | 2,808円 | 7,860円 | |
航空 会社 | JAL | 旅行積立 | 5,000円 | 12~60回 | 2.5~3% | 4,788円 | 11,532円 |
ANA | 旅行積立プラン | 3,000円 | 12~60回 | 2.25~3% | 4,788円 | 10,056円 |
(参考:JAL・ANA・JCB・H.I.S.・近畿日本ツーリスト)
毎月払いプラン、一括払いプラン、フリープランに分かれています。
旅行券は国内ツアー、海外ツアー、宿泊、宿泊を含む手配旅行、国内宿泊、国際航空券など、様々な商品に使うことができる自由度が魅力です。
いつでも好きな時につかえるフリープランにも使いやすさを感じます。
毎月払いプラン、一括払いプラン、ボーナス払いプランに分かれています。
旅行券は国内ツアー、海外ツアーに使うことができるので、選択肢は多いほうでしょう。
他とは違う特徴が、旅行券を第三者に渡してOKというルール。
旅行計画が中止になった場合、ご両親にプレゼントする等の使い方もできるので非常に便利です。
毎月払いプラン、一括払いプラン、ボーナス払いプランに分かれています。
旅行券は国内ツアー、海外ツアーに使うことができます。
目立った特徴はありませんが、近畿日本ツーリストはリーズナ
ルな商品が多いので、旅行券を使って、さらにお得に利用できるところに魅力を感じますね。
JALを利用することが決まっている人は、こちらがおすすめ。
毎月払いプラン、一括払いプラン、6ヵ月満期プランがあります。
旅行券は国内、海外ツアー、航空券、指定のホテルや施設で使うことができるので、選択肢は多いと言えます。
積立と同時にマイルを貯めることができるところも魅力です。
ANAを利用することが決まっている人は、こちらがおすすめ。
毎月払いプラン、一括払いプラン、6ヵ月満期プランに分かれています。
旅行券は国内、海外ツアー、航空券、指定のホテルやレジャー施設など、様々な使い方ができるので便利です。
JALと同じようにマイルを貯めることも可能。ANAのマイルは貯まりやすく使いやすいのでおすすめです。
このように、各社、預け入れ金額、期間が異なるので、あなたのペースに合わせて決めると良いでしょう。
注目の金利は、全体的に銀行の金利に比べるとかなり高金利ですが、各会社によって異なることがわかります。
金利重視で選ぶならしっかり比較検討してくださいね。
「でも、航空会社と旅行会社は、どっちがいいの?」と思いますよね。
航空会社の旅行積立は、旅行会社よりも金利が高い傾向にありますが、旅行券は基本的にその会社の航空券と絡めた商品だけという縛りがあります。
使いたい航空会社が決まっているなら、こちらがおすすめです。
旅行会社は、航空会社より若干利息は低いですが、比較的幅広い商品の中から選ぶことができる自由度があります。
使いたい航空会社が決まっていない、様々な商品から選びたい人は、こちらが向いているでしょう。
ここまで、具体的に旅行会社と航空会社の旅行積立内容についてご説明してきました。
次に、旅行積立に共通するメリットを見ていきましょう。
このメリットは、銀行口座に積み立てる場合と同じですね。
旅行積立という形で自動的に旅行資金を積み立てることができて、一度手続きをしてしまえば、あとは楽しみに満期を待つだけなので面倒なことがありません。
旅行積立のメリットは、何と言っても金利が高いことです。
銀行の定期預金と比較しても、100倍以上になります。
いつの間にか旅行資金が増えているという嬉しいメリットがありますね。
「旅行券」は、基本的に国内ツアー、海外ツアーで使うことになりますが、レジャー施設やホテル宿泊など様々なサービスで使うこともできます。
旅行券があることで、いつもはできない贅沢なホテルに宿泊したり、食事ができたり、旅行の楽しみが広がるというメリットもあります。
旅行積立は、旅行目的以外で使うことはできません。これはデメリットでもありメリットでもありますよね。
「旅行の貯金はいつも後回しになってしまう…」という方は、敢えて旅行にしか使えない旅行積立をしましょう。
金利が高いという大きなメリットがある旅行積立ですが、意外とデメリットが多いので注意してください。
旅行積立のデメリットは、旅行以外の目的では使えないことでしょう。
満期に受け取るのは現金ではなく旅行券です。
また、基本的に積み立てた会社のサービスにしか使えない旅行券なので、もし他の会社で格安プランがあった場合には「そっちのプランにしたかった…」と悔しい思いをする可能性もあるんです。
途中解約すると、支払った金額を下回ることがあります。
さらに旅行券で戻ってくるので、現金を受け取ることはできません。
銀行が破綻すると預金保護機構により1000万円まで保護されますが、旅行積立の場合は保護されることはありません。
ここまで旅行会社、航空会社で旅行貯金をする方法について見てきました。
まとめると、以下のようになります。
メリット | デメリット |
自動的に積み立てられる | 旅行以外の目的では使えない |
金利が高い | 元本割れの場合がある |
旅行券は様々な使い方がある | リスクがある |
旅行資金だけを貯められる |
このメリットデメリットから、以下のような人が旅行会社、航空会社での旅行貯金に向いていることがわかります。
- 強制的に旅行資金を貯めるシステムを作りたい
- 金利の高さを優先したい人
- 敢えて旅行だけの資金を増やしたい人
このような方は、旅行会社、航空会社の旅行積立で、効率よく旅行貯金できるでしょう。
あなたに合った積立方法なら効率よく旅行貯金ができる
今回は、旅行の積立貯金について解説してきました。
コツコツ積立ていくことで旅行資金が作りやすくなります。
でも、どこに積み立てるのかが重要です。
当サイトがおすすめする積立方法は、「銀行口座積立」と「旅行会社と航空会社積立」です。
比較すると、以下のようなメリットデメリットがあり、それぞれどんな人に向いているのかわかります。
積立方法 | メリット | デメリット | どんな人におすすめ |
---|---|---|---|
銀行 | 自動的に積み立てられる | 金利が低い | 強制的に旅行資金を貯めるシステムを作りたい |
旅行以外にも使える | 旅行以外に使ってしまう | いざという時に旅行以外に使えるようにしておきたい | |
元本割れすることがない | 低金利でもリスクのない貯金方法が良い | ||
リスクが少ない | |||
旅行会社 航空会社 |
自動的に積み立てられる | 旅行以外の目的では使えない | 強制的に旅行資金を貯めるシステムを作りたい |
金利が高い | 元本割れの場合がある | 金利の高さを優先したい人 | |
旅行券は様々な使い方がある | リスクがある | 敢えて旅行だけの資金を増やしたい人 | |
旅行資金だけを貯められる |
あなたの場合はどちらの積立方法が向いているのか考えてみてください。
いつも途中で断念してしまう旅行貯金も、効率よく積み立てることで目標を達成できるでしょう。
効率良く節約生活を進めるためには、銀行口座を3つにすることが大切です。家計費用口座、特別出費用口座、貯蓄用口座に分けることで、いつのまにか貯金が増えていくかもしれません。それでは口座開設はどこがいいか?当節約ブログおすすめはイオン銀行です。
78点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
私の場合(夫婦・子供2人)だと、旅行積立を利用した節約方法で
約15,000円/1年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:年利3%の旅行積立に50万円預けた場合1年約▲15,000円)
このこちらに貯金力はあくまでも目安にはなりますが、預け入れる金額や期間によってはさらにお得になる場合もあります。