
毎月「使用水量のお知らせ」を見る度に、今月も水道代が高い…と悩んでいませんか?
電気代やガス代は季節によって変動します。春や秋は比較的低くなるでしょう。
ところが、水道代はあまり変動がありません。
家族の人数が減るなどのライフスタイルの変化がないと、水道代が変わることはありません。だから水道代は節約しにくいものと思われています。
しかし、ちょっとした節水意識を持つことで、水道代を減らすことは可能です。
お風呂、トイレなどの節水対策もありますが、今回ご紹介するのはキッチン回りの水道代節約方法です。
お風呂はトイレの節水対策は家族全員で取り組む必要があるので、なかなか徹底するのが難しいです。でも、キッチン回りなら主婦だけが徹底すれば節水効果を高めることができるのでおすすめです。
これからご紹介する方法は簡単ですぐに実践できるものばかりです。参考になれば幸いです。
キッチン回りの水道代はどれくらい?
国土交通省が、家庭で使われる水量の割合を発表しました。これによると1位はトイレで28%、2位はお風呂で24%、そして3位が炊事で23%となっています。
(参考:国土交通省)
全体の約4分の1がキッチン回りで使われているのです。しっかり節水していかなくてはいけません。
それでは、キッチン回りの水道代は実際にどれくらいかかっているのでしょうか。
キッチン回りで水を使うのは、食器洗いと料理作りのときです。
食器洗いの平均は1日あたりの時間は20分~25分となっています。
20分間の中には、食器を運んだり、拭いたりする時間も含まれます。
水道を使っている時間は15分ほどと考えて良いでしょう。
料理作りで使われる水の量は、食器洗いよりは少ないです。
食材を洗ったり、鍋に水を入れたりする水を考えても、1日5分~10分ほどでしょう。
1日にキッチン回りで使われる水の量は、食器洗い15分、料理に5分の合計20分として計算してみたいと思います。
蛇口から普通に水を出した場合、1分間に出る水の量は約12Lとなっています。1Lの水道代は、東京都水道局の平均額0.24円で計算します。
1日あたりのキッチン回りの水道代は、20分×12L×0.24円=57.6円ということになります。1ヶ月では1,728円、1年では20,736円にもなります。
年間2万円以上ということで、やはり節水すべきと言えます。
平均よりも食器洗いや料理に水道を使う時間が長いのであれば、なおさら節水意識を持たなければいけません。
キッチン回りの水道代節約法
それでは、実際にどのような方法でキッチン回りの水道代を減らしていけば良いのでしょうか。
- 食器洗い時の水道代節約方法
- 料理作りの時の水道代節約方法
- キッチングッズの水道代節約方法この3つのカテゴリー別にご紹介していきたいと思います。
食器洗い時の水道代節約方法
食器の洗い方によって、使う水の量は大きく変わります。
「食器を運ぶとき」「食器を洗う前」「食器を洗うとき」それぞれの工程における節約方法をご紹介していきます。
食器を運ぶとき
食器洗いに使う水の量を減らすためには、食器を運ぶ段階から注意が必要です。

食事後に食器を運ぶとき、重ねて片付けたほうが簡単です。
でも、重ねてしまうと食器の裏が汚れてしまいます。
そうすると食器の裏まで洗うことになるので、水を使う時間が長くなってしまうでしょう。
お茶碗のように油汚れがない食器は重ねてもOK。でも汚れがひどい食器は重ねずシンクまで運ぶようにしましょう。
トレーを使うと、一気に食器を運ぶことができるので便利です。
食器を洗う前
全ての食器をシンクに運んできても、すぐに洗い始めてはいけません。
汚れを拭き取ってから、つけ置きをします。

汚れがひどい食器をそのまま洗おうとすると、汚れを取るのに大量の水が必要です。
水を使う前に汚れを拭き取るだけで、少ない水で洗うことができるようになります。
汚れを取るために必要なのは、ゴムベラか古新聞です。
ゴムベラは100均で購入できます。汚れをこそげ取るようにして落としましょう。
ゴムベラがなければ新聞紙やチラシなどを使います。
古新聞やチラシは使いやすい大きさに切り、空き箱などに入れておくと便利です。
古新聞やチラシで汚れを拭き取ってそのまま捨てるだけでOKなので、ゴムベラを洗うよりも水道代がかかりません。
使いやすいサイズに切った古新聞は、キッチン以外の汚れにも使えるので常備しておくと便利です。

汚れをとった食器はつけ置きをします。
お茶椀も必ずつけ置きをしましょう。ご飯のでんぷん汚れは固くなってしまうので、しっかり洗い流そうと思うと大量の水を使うことになってしまいます。
つけ置きをすれば汚れを浮かして落としやすくなるでしょう。つけ置き時間は、汚れにもよりますが5分~10分ほどで十分です。洗剤を数滴垂らしておくとさらに汚れが落ちやすくなります。
つけ置きするためには、洗い桶を準備しておきましょう。
でも、洗い桶を置くスペースがない、洗い桶を洗うのが面倒なら、調理のときに使ったボウルやお鍋でもOK。食器洗いが終わったら、そのままボウル、お鍋も洗ってしまえば時短になります。

つけ置きには、排水を利用するのがおすすめ。米のとぎ汁、野菜のゆで汁などは、捨てずに洗い桶に入れておきましょう。
特におすすめはパスタなどの麺類のゆで汁です。麺類のゆで汁にはでんぷんが溶けています。でんぷんは油を吸着する作用があるので、油汚れの食器には最適なのです。
頑固な油汚れも落ちやすくなるでしょう。
食器を洗うとき
つけ置きまで終わったら、いよいよ洗い始めます。
ポイントは、洗う順番と、食器タワーにしてまとめて洗うことです。

食器を洗うときに、ただ何となく洗い始めていませんか?
食器を洗う順番を考えることが大切です。汚れが少ない食器から洗い始めるのが正解。
油汚れがひどいお皿を洗った後に、汚れが少ないグラスやお茶椀を洗うと、スポンジについた油汚れがグラスやお茶椀についてしまうからです。
食器をかたづける段階で、汚れが少ない食器、汚れがひどい食器を分けてシンクに運んでおくとスムーズです。

洗い桶でつけ置きをした食器は、スポンジで洗いながらシンクに出していきます。
このとき、大きな食器から下に重ねて、食器タワーを作りましょう。慣れてしまえば手間はかかりません。
そして、上の食器からすすいでいきます。そのすすいでいる水が下の食器に流れていくので、下に重ねている食器は自動的にすすがれていくのです。
下の食器になるほど、他の食器をすすいでいる水でほとんどきれいになっているので、サッとすすぐだけで良い状態になります。1枚1枚食器をすすぐより、少ない水ですすぐことができるので、使う水の量がかなり節約できるでしょう。

グラス類をスポンジで洗って水ですすぐ、お皿類をスポンジで洗って水ですすぐ、と何回かにわけて水を使う人もいますが、出しっぱなしになりがちなので無駄な水道代がかかってしまいます。
全ての食器をスポンジで洗ってから、一気にまとめてすすぐようにしましょう。スポンジで洗っている時は、必ず水は止めておきましょう。
このような食器の洗い方をすることで、水道を使う時間をぐんと減らすことができます。
慣れないと面倒に感じるかもしれませんが、すぐに慣れてスムーズに洗えるようになるでしょう。いつもの食器洗いの時間を半分に減らせる可能性もあります。
食器洗いにかかる年間の水道代は、15分×12L×0.24円×365日=15,768円です。これを半分にすることができたら、年間7,884円の節約が見込めます。
料理の時の水道代節約方法
次に料理をする時にできる節水方法について考えていきたいと思います。
ゆで汁を減らす
料理でたっぷりの水を使うのは、野菜、麺類などを茹でるときです。
このゆで汁を減らすことで節水に務めましょう。
まず、野菜を茹でるときは、まとめて数種類の野菜を茹でるのがポイントです。
例えば、ブロッコリー、ほうれん草、もやしを茹でるとします。
鍋のお湯が沸騰したら、はじめにブロッコリーを茹でます。茹で上がったらブロッコリーだけをお湯から取り出しましょう。
次の同じ鍋にほうれん草を入れて茹でます。茹で上がったら取り出します。最後にもやしを鍋に入れて茹でましょう。茹で上がったらもやしを取り出し、残ったお湯は食器洗い用にとっておきましょう。
麺類を茹でるときは、少ない水で茹でるのがポイントです。
ラーメンやうどんなどは必要な水の量が決まっているので難しいのですが、パスタの場合は少ない量でも美味しく茹でることができます。
一般的にパスタを茹でるときは、パスタ100gに対して1Lのお湯で茹でる必要があります。ところが、茹でるのではなく「蒸す」ことで水の量を半分以下にできます。
パスタ100g対して水の量は400mlでOK。フライパンで水を沸騰させたら、パスタを入れて蓋をします。あとは普通の茹で時間で蒸すだけでモチモチ食感のパスタが出来上がります。
このようにすれば、ゆで汁に使う水を減らすことができます。
食材はためた水で洗う
野菜を洗ったり、魚を洗ったり、調理中に使う水のほとんどは、食材を洗うための水です。
もちろん流水で洗う必要がある場合もありますが、それ以外のときは、ボウルにためた水で洗うようにしましょう。
蛇口の水を1分間使うと12Lの水を使っていることになります。ボウルに1Lの水を入れて洗えば12分の1の水量に減らすことができるのです。
じゃがいもや葉物野菜などの泥を落とすためには、流水よりためた水のほうが効率良くきれいになります。はじめはつけ洗いをして、最後にサッと流水で洗うと良いでしょう。
また、つけ洗いのために使った水はそのままとっておき、食器洗いのときに使いましょう。
まな板は牛乳パックで代用する
まな板を洗うためには大量の水が必要になります。
生魚やお肉を使ったまな板を清潔にするためには、洗浄力の高い洗剤でしっかり洗わなければなりません。
そこでおすすめしたいのが、まな板を牛乳パックで代用する方法です。
まな板を洗う水の量を丸ごと減らすことができるでしょう。
1Lの牛乳パック(ジュースでもOK)は捨てずに、切り開いて洗っておきます。空き箱などに溜めておくと便利です。
まな板を使うときに、まな板ではなく牛乳パックで代用するのです。
「包丁で牛乳パックが切れない?」と思うかもしれませんが大丈夫。包丁で食材を切っても、牛乳パックが切れる心配はありません。
使い終わったらそのまま捨てることができるので非常に便利です。
キッチングッズの水道代節約方法
最後に、キッチングッズを使った節約方法をご紹介したいと思います。
節水コマを使う
蛇口から出る水の量を制限して節水する節水コマというグッズがあります。
水道のハンドルの下部にはコマという水をせき止めるための部品が入っています。
節水コマは、より多くの水をせき止められる構造をしているのです。
通常のコマを取り出し、節水コマに交換するだけで、最大50%の水使用量を減らすことも可能なのです。
上記で、1年にかかるキッチン回りの水道代は20,736円になるとご説明しました。
節水コマには年間10,368円の節約効果を秘めているのです。
節水コマの交換は意外と簡単です。
ホームセンターや通販で100円ほどで販売されているので、まずは節水コマを手に入れてください。地域によっては水道局で無料配布していることもあります。
交換に必要なものは、スパナとピンセット。ピンセットはなくても大丈夫です。
水道の元栓を閉めてから作業をはじめます。
まず。蛇口を全開にしたら、スパナを使ってパッキン押えを取り外しましょう。
蛇口の上の部分を取り、その中に入っている通常のコマをピンセットで取り出します。手で取り出すことも可能です。
蛇口の上の部分に節水コマを差し込んだら、元の状態に戻し、パッキン押え部分も元に戻します。
元栓を開けたら終了です。
水量が少なくなるので、はじめは使いにくさがあるかもしれませんが、使っているうちに慣れてくるでしょう。
節水シャワーヘッドを使う
節水コマと似た目的の節約グッズが、節水シャワーです。
ストレート水流をシャワー水流に変えることで、効率良く食器や食材が洗えるようになります。これにより約40%の節水効果が期待できるのです。
年間8,294円の節水効果が見込めることになります。
節水シャワーヘッドはホームセンターなどで購入できます。金額は100円~2,500円とさまざま。1,000円前後の商品が人気となっています。
取り付け方法はとても簡単です。
蛇口の先にある金具を手で回して取り外します。その代わりに節約シャワーのヘッドをぐるぐると回して取り付けるだけです。道具を使わずに交換することができます。
ただし、金具を手で取り外せないタイプの蛇口の場合は、別売りのアダプタ(数百円程度)を必要になる場合もあります。
すすぎ時間が少ない洗剤を使う
たっぷりの洗剤で洗うと食器がきれいになって気持ちが良いです。でもすすぎ時間が長くかかってしまい無駄に水道を使うことになります。
節水のためには、洗剤をつけすぎないことが大前提です。
また、泡切れが良い洗剤を選ぶことも大切です。
泡切れの良さを謳っている洗剤を選びましょう。
さらにおすすめは食器洗い用石鹸です。石鹸は非常に泡切れが良いので、少量の水ですすぐことができます。100円~300円程度で購入することができます。
しかし、食器洗い用石鹸は洗浄力が弱いので、頑固な油汚れなどには向いていません。比較的汚れが少ないときは食器洗い用洗剤、汚れがひどいときは普通の食器洗い洗剤と使い分けるようにしましょう。
まとめ
キッチン回りに使う水道代は全体の4分の1にもなります。しっかり節水して毎月の水道代を節約していきましょう。
「食器洗いのとき」「料理をするとき」「キッチングッズ活用」の3つの節約法をご紹介してきました。どれも簡単にできる方法ばかりなので、ぜひ試してみてください。1日ごとの節水金額は小さいですが、1年単位で考えると大きな節約になります。
一度節水する習慣ができると、節水効果はずっと続くのでおすすめです。

電気代を節約するためには電気切り替えがおすすめ。自分に合った電力会社、そして料金サービスを選ぶことで年間の電気代を賢く削減することが見込めます。電力会社を比較するのが面倒なら電気料金比較サイトが便利。当貯金ブログおすすめは、電気チョイスです。
83点/100点中
※労力対効果・費用対効果を考慮した当節約貯金ブログのおすすめ度
私の場合(夫婦・子供2人)だと、このキッチン回りの節約方法で
26,546円/年間 貯金力を秘めています。
※表現や再現性には個人差があり必ずしも利益や効果を保証したものではありません。
(計算値:食器洗いの節水方法で1年▲7,884円、節水コマで1年▲10,368円、シャワーヘッドで1年▲8,294円)
キッチンで使う水は意外と多いです。節水意識をするだけで、年間大きな節約額が見込めます。逆に節水意識を持たずに使っているなら、無駄な水道代がかかっている可能性があります。